主人公、杢子は魚と話ができる少女。彼女は、おばのしずかといる時だけ「おさかなの世界」を見ることができる。彼女の成長の軌跡をたどりながら、人間と人間との出会いの尊さや、人間として生きることの尊さを表現した作品。幻想的な描写があふれている。
新声社という、コンピューターゲームの攻略本などを多く手がけるマイナー出版社から出版された作品なので絶版状態が続いたが、1998年1月に第2版が出版された。しかし、版元の倒産により、入手は再び困難になり、作品はまたもや幻の名作になるかと思われた。ところが、2000年7月に秋田書店より再版され、白黒だった一部のカラー原稿が、カラー印刷で読むことができるようになった。マイナーな出版社から出たマンガ本がここまで再版されるのは稀有な例だろう。なお、1998年年末から1999年正月にかけて、映画化作品が一般公開されたが、低予算とはいえひどい出来であった。
須藤真澄の特徴は何と言ってもその描線である。-・-・-という、光の露出過多を表現した「一点鎖線」で描かれる主線は彼女ならではの表現
であり、その力は、彼女の時に幻想的な作品群でとりわけ発揮されている。(下図参照。)今のところ彼女の後に続く作家はいないようだ。また、少女の目の書き方にも特徴がある。
須藤真澄ならではの一点鎖線。(「アクアリウム」124ページより)
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