松下電器の液晶 HDTV、『 TH-26LX500 』を購入したので簡単にレポートします。
IT media によるレビューも併せてご覧になると判りやすいでしょう。
購入の動機
PC で再生する動画をもっとよい画質で見たい。
機種の選定
現状
自室には以前21インチのブラウン管型の TV を置いていたのだが、部屋が狭いためこれを撤去。
TV 番組は PC の TV キャプチャカードを使って視聴していた。
PC には Radeon 9800 Pro の AGP ビデオカードに DELL の20インチ液晶ディスプレイ「 UltraSharp 2001FP HAS 」を DVI で接続。
さらに Radeon 9200SE の PCI ビデオカードに三菱の17インチ液晶ディスプレイ「 RDT174MD 」を DVI で接続し、デュアルディスプレイとしていた。
「 UltraSharp 2001FP HAS 」には DVI 切替機を挟んで録画用 PC と接続し、2台の PC でこれを共用。
また、「 UltraSharp 2001FP HAS 」の S端子入力に Playstation2 を接続しゲーム用ディスプレイにも使用していた。
DVD を再生するにあたっては、据え置きの DVD プレイヤーを持っていないこともあって、 PC にインストールした「 WinDVD 7 」で「 UltraSharp 2001FP HAS 」もしくは「 RDT174MD 」に映し出すことになる。
画質は悪いとは言えなかったが、迫力不足は否めない。
動画再生に適したディスプレイが欲しいな、と思っていた。
動画再生に適したディスプレイとは
動画再生にはブラウン管が一番だが、設置場所がないので却下。
次に適しているのはプラズマディスプレイだが、これも今のところ自室に設置できるほどのサイズのものが販売されていないので選択肢から消える。
プロジェクターはどうか、とも考えた。
しかしスクリーンの設置スペースがギリギリで、観ない時の収納に苦労することや、接続する機器(この場合 PC や Playstation2 )との配線が厳しかったので断念。
ということで、残る選択肢は液晶 TV ということになる。
液晶 TV の中から選ぶ
PC を接続する以上はできるだけ画面解像度が高いものがよい。
HDTV ということになる。
コンポーネント接続できるビデオカードは持っていないし、コンポーネント接続したディスプレイに DVD は映し出せない。
マクロビジョンを解除するアプリケーションを使えば可能ではあるものの、現状の AGP や PCI 用ビデオカード(例えば Volari )では HDTV の画面いっぱいに映し出すことはできない。
今液晶 TV を買うなら、次世代 DVD も接続可能と考えられる HDMI 端子を装備したものを買いたい。
我が家は TV を受信するにあたって共用アンテナを利用しているため、地上デジタル放送を受信できるかどうか怪しいが、今更地上デジタル放送チューナーがない TV を買うのは気が引ける。
設置スペースを考えると設置できるのは26インチの液晶 HDTV が限界である。
この時点で候補に挙がるのは SHARPの「 LC-26GD6 」、「 LC-26AD5 」、Victor の「 LT-26LC70 」、松下電器の「 TH-26LX500 」、EIZO の「 VT23XD1 」、「 SC26XD1 」だ。
ところで、液晶ディスプレイはその構造上「残像」の問題がつきまとう。
応答速度を上げることで残像感を減らすアプローチは液晶 HDTV ではどの機種でも行われているが、これからの液晶ディスプレイでは更なる残像低減技術の搭載が当たり前になるだろうと言われている。
TV を見る場合、私は野球を見たいので残像感は少ない方がよい。
そこで上記の機種の中でその残像低減技術を備えた HDTV はというと、「 TH-26LX500 」しかない。
バックライトを高速で点滅させたり、秒間90フレームで描画を行うことにより残像感を低減しているという触れ込みである。
しかし「 TH-26LX500 」は他機種が最安値14万円から16万円といった価格帯であるのに対して、4、5万円ほど高い。
悩ましいところだ。
だが、安いものを買ってから「あと4、5万円頑張っていればよかった」と後悔するよりかは、高いものを買ってから「これなら4、5万円ケチってもよかった」と後悔する方がよい、と判断。
「 TH-26LX500 」を購入することにした。
12月10日、日本橋電機街の最北端にある現金問屋系の電器店、マサニ電気にて199,800円で購入。
店頭に展示がない店なので、倉庫から直送となる。
設置
12月12日、「 TH-26LX500 」が我が家に到着。
段ボール箱の中にスタンドと本体があらかじめ接続された状態で収められていた。
総重量はおよそ21kg。
26インチクラスの液晶 HDTVではかなり重い方だ。
しかしなんとか一人で持ち運びできるギリギリの重さである。
一人で玄関から自室まで運びこんだが、翌日は一日中腰痛に悩まされた。
画面の横にスピーカーがあるため、26インチクラスの液晶 HDTV の中では横幅が広い方である。
あらかじめメジャーでサイズを見込んだ結果、設置できるだろうと考えていたが、実際に設置してみるとギリギリであった。

PC と HDMI 接続
HDMI-DVI 変換ケーブル( Sofmap で4,200円)を使い、「 Radeon 9200SE 」の DVI 端子と「 TH-26LX500 」の HDMI 端子を接続。
「 TH-26LX500 」をセカンダリディスプレイとして設定する。
「 TH-26LX500 」のパネルは1366*768ピクセルだが、ビデオカード側で「1366*768」を設定してやっても全く表示できなかった。
そこで Powerstrip を使い 「1360*768」という解像度を設定して表示させてみると、なぜか画面中央に縮小表示となってしまう。
「1280*720」だと画面いっぱいに表示される。
ただしオーバースキャン。
すなわち上下左右の一部が見切れとなる。
欠けるのは大体 Windows のウィンドウ枠のスライドバーの8割くらいの大きさだ。
まあ、許容範囲ではある。
ただ、デバイスドライバで単に「1280*720」を選んで表示させると周波数がマッチしないせいか、画面右下ギリギリの場所にチラチラとノイズが走ってしまう。
Powerstrip での微調整が必須であった。
dot by dot 表示ではないから、文字を表示させるとやや滲んだ感じがする。
Windows XP の ClearType 機能を有効にしていると、アンチエイリアスのために配置された色が滲みを強調する。
また、液晶ディスプレイなのに微妙なチラツキを感じる。
それに表示されている静止画や文字が僅かに上下に震動しているように見える。
CRT ディスプレイで無理に高解像度表示をしたときの懐かしい感触を思い出す。
「1152*648」の解像度で表示させるとアンダースキャンとなり、上下左右に1.5cm程度の黒帯のある状態となる。
チラツキ感はあるが上下の震動は収まっている。
どちらにせよ、PC 用ディスプレイとして常用するのはオススメできない。
折角 PC と液晶ディスプレイをデジタル接続しているのに dot by dot 表示できないというのは腑に落ちないが、それが可能な液晶 HDTV は少数派である。
地上デジタルチューナーを省いた韓国・台湾系の製品、あるいは SHARP の 液晶 IT-TV、SONY の BRAVIA Xあたりが可能らしいが、私が立てた条件とは合致しない。
WEB 上でのレビューを読んで予め判っていたことであるからショックではないが、残念である。
PC 表示の画質
さすが液晶 TV。
発色の鮮やかさは「 UltraSharp 2001FP HAS 」を超えている。
また、「 UltraSharp 2001FP HAS 」は白色が黄ばんで見えるが、「 TH-26LX500 」は綺麗な白である。
(もちろん、「 UltraSharp 2001FP HAS 」に付着するタバコのヤニは拭き取ってある)
輝度も申し分ない。
画面モードは「ダイナミック」モードでは眩しくて目が潰れそうなので「スタンダード」モードで十分だ。
動画の表示は良好。
何せ画面が大きいので、16:9でスクイーズ収録された DVD は迫力十分だ。
4:3 で収録されたものでも「 UltraSharp 2001FP HAS 」より大画面となるので迫力がある。
また、「 UltraSharp 2001FP HAS 」よりコントラストが高いせいか、ざらつきも少ないように感じる。
「 TH-26LX500 」のノイズリダクション機能をオンにすると細部のディテールが失われてぼやけた感じになるが、ざらつきは一層少なくなる。
「 TH-26LX500 」の欠点としてよく指摘されるのは、いわゆる「黒浮き」「黒潰れ」だが、確かにそれは私にも感じられた。
特に黒潰れに関しては、静止画を表示させて比較すると判りやすい。
上記に掲載した、設置状態を写した写真を例にしてみよう。
写真内の「 TH-26LX500 」の画面には、ビジターユニフォームに身を包んだ千葉ロッテマリーンズのプレイヤーが映し出されている。
ユニフォームには赤いラインがある。
「 TH-26LX500 」でこの写真を表示させると、赤いラインが見えず黒一色になってしまう。
「 UltraSharp 2001FP HAS 」上での表示ではちゃんと赤いラインを判別できるのだが……。
一応「 TH-26LX500 」の画質設定をあれこれ調整してやると赤いラインがうっすらと浮かび上がるものの、「 UltraSharp 2001FP HAS 」との違いは顕著だ。
Playstation2 と D 端子接続
HORI の「 D 端子ケーブル HG 」で Playstation2 と「 TH-26LX500 」を接続。
今まで「 UltraSharp 2001FP HAS 」と S 端子接続していた時に比べると、遥かにクッキリ鮮明だ。
恐らくディスプレイ側のスケーリング性能の違いやコントラストの違いも効いているのだろう。
今のところ映像が激しい動きをするソフトは持っていないので、残像感がどうこうと言うことはない。
暗いシーンの多いソフトも持っていないから、今のところ特に不満は抱いていない。
地上デジタル放送
「 TH-26LX500 」にはアンテナケーブルが付属しないため、新たに購入する必要があった。
共用アンテナで地上デジタル放送は受信されているのか、試しにアンテナケーブルを地上デジタルチューナー端子に接続してみたところ、あっけなく受信成功。
地上デジタル放送に対応していない共同受信設備はまだまだ多いらしいが、我が家はラッキーであった。
映らなかったら自前で UHF アンテナを設置して遊ぼうと思っていたのだが、それは BS/CS アンテナで行うことになるだろう。
HD 放送はさすが精細である。
今話題の姉歯元建築士の顔は、ブラウン管の SDTV で観ると年齢の割に綺麗に見えたが、HD 放送で観ると年齢相応にボコボコで気持ち悪い。
HD 放送のドラマ番組では、中年に差し掛かった女優の若作りがバレバレだ。
精細なだけに、カメラのピントがずれているとはっきり判ってしまうのも気になる。
SD のアップコンバート放送では精細感はないが、ザラザラしたノイズのない、スッキリとした感じは好ましい。
液晶 TV が苦手とされる、動きの早いスポーツ映像はどうか。
ニュース番組でフィギュアスケートの模様が16:9の HD で放送されていたのを観た。
カメラが選手を追ってパンニングすると酔いそうになる。
カメラが静止して、その中で選手が動いている場合は違和感はない。
パンニングで酔いそうになるのは TV を観ている位置が画面に近すぎるということが大きい気がする。
目が画面にピントを合わせようと追従するのに忙しい感覚がある。
地上デジタル放送では、番組表を見ながらチャンネルを選んだり、TV 番組を画面に表示しつつ、ニュースや天気情報、交通情報などをブラウジングできたりできる。
私の環境だと常時 Internet 接続されている PC を使って Web 配信されている番組表やニュースなどの類を見ることができるからあまり有り難みはない機能だが、リビングに TV を設置している場合は便利そうだ。
せわしない朝方に、ニュース番組でお目当てのコーナーが始まるまで待つ必要がないのだから。
ちなみに「 TH-26LX500 」は地上デジタル放送チューナーを2台搭載しているので、一画面に異なるチャンネルを表示できる。
個人的にはあまり使い道がない機能だが。
あと「 TH-26LX500 」のせいではないが、放送エリアの関係でサンテレビと KBS 京都を受信できないのが残念だ。
地上アナログ放送
「 TH-26LX500 」は地上デジタル放送チューナーと地上アナログ放送チューナーの入力端子が別々になっている。
現在設置している VHF・UHF 分配器では3つまで信号を分配できるのだが、PC 2台と「 TH-26LX500 」の地上デジタル放送で全部使い切ってしまったため、「 TH-26LX500 」では地上アナログ放送を受信していない。
まとめ
購入の目的とは合致しており、総じて満足度は高い。
ただ、お値段も高かった。
残像低減機能やダブル地上デジタル放送チューナーにこだわらなければ、SHARP の「 LC-26GD6 」「 LC-26AD5 」や Victor の「 LT-26LC70 」の方が黒潰れが少ないと言われているし「 TH-26LX500 」より安い。
HDTV はまだまだ発展途上の製品で、あらゆる面で優れた定番機種というものはまだ登場していない。
それに26インチクラスの場合、製造効率の問題から韓国製液晶パネルが採用されていることや、売れ筋が32インチから37インチクラスということもあって、今後は機能の向上よりもコストパフォーマンスが優先されるかもしれない。
何を必須条件にするのかをよく考えてから製品を選ぶべきである。
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