完全犯罪の類型
主に殺人について。
1.犯行が露見しない
・警察にバレない
・被害者が失踪扱い
2.犯行が露見したものの、犯罪とみなされない
・事故扱い
・自殺扱い
・病死扱い
3.犯行が露見したものの、告発できない
・犯人が特定できない(未解決事件)
・犯人が行方不明
・証拠不十分
・法律上の制限(心身喪失者の犯行、法律にない行為、公訴時効、一事不再理)
・司法機関自身による隠蔽(意図的な未解決事件化)
完全犯罪の例
未解決事件
・三億円事件(1968年)
・切り裂きジャック事件(1888年)
・グリコ森永事件(1984年-1985年)
・悪魔の詩訳者殺人事件(1991年)
・八王子スーパー強盗殺人事件(1995年)
・世田谷一家殺人事件(2000年)
・その他多数
証拠不十分
・城丸君事件(1984年に行方不明となった男児の遺骨を被告が所持していたが、黙秘を貫いたため殺意を立証できず無罪判決)
公訴時効成立後に犯人が自首
・弘前大学教授夫人殺人事件(無実の人物が犯人とされ服役した冤罪事件でもある)
・足立区女性教師殺人事件(犯人が自首するまで被害者は失踪扱い)
・生坂ダム殺人事件(犯人が自首するまで被害者は自殺扱い)
組織的隠蔽
・タコ部屋労働者の死亡(1914年に開通した常紋トンネルにおいて1970年に改修工事が行われた際、大量の人骨が発見された)
自殺・事故・病死扱いされた不審死
・アナタハンの女王事件(1946年-1948年頃)
・徳島自衛官変死事件(1999年)
・病院入院患者の不審死
フィクション
・『ゴルゴ13』
・『ハサミ男』
・『ひぐらしのなく頃に』
・『うみねこのなく頃に』
・『インサイド・マン』(銀行強盗)
完全犯罪の失敗例
・トリカブト保険金殺人事件(当初は病死扱いだったが、保険金支払いの民事裁判中にトリカブトによる中毒死であることが判明し逮捕へ)
・埼玉愛犬家連続殺人事件(犯人は遺体を分解・焼却して山林等に遺棄。共犯者の自白を基に遺体・遺留品が発見され逮捕へ)
・北九州監禁殺人事件(遺体7体は分解され鍋で煮込まれた上で遺棄されたため未発見だが、逃亡に成功した被害者の証言で事件が発覚し逮捕へ。共犯者と生き残った被害者の証言に基づき有罪判決。)
・江東マンション神隠し殺人事件(犯人は遺体を分解して警察の家宅捜索をやり過ごし、その後遺体をトイレに流したり一般ごみに混ぜたりして遺棄。被害者宅、犯人宅に残された物証を基に逮捕された。監視カメラの映像から被害者がマンションを出ていないことが分かっていた)
・松山ホステス殺害事件(犯人は整形手術を行い逃亡したが公訴時効成立寸前に逮捕された)
・栗岡病院患者リンチ殺人事件(1968年、精神病院の院長・看護職員による患者リンチ殺人事件を病院が急性肺炎として処理。入院患者が石に告発文を添えて外へ放ち、この告発文が警察に届けられたことから事件が発覚した。栗岡病院は阪奈サナトリウムに改称し現在も元気に営業中。主犯の栗岡良幸院長は医師免許を剥奪され、現在は聖美幼稚園・阪奈中央看護専門学校・阪奈中央リハビリテーション専門学校を運営する学校法人栗岡学園の理事長を務めている)
・安田病院患者リンチ殺人事件(1969年、看護職員による患者リンチ殺人を急性心不全として処理。職員や患者間で事件が噂になり警察に訴えが相次いで発覚した。この事件を受けて病院は大和川病院に改称)
・大和川病院患者リンチ殺人事件(1979年、精神病院の看護職員による患者リンチ殺人事件を病院が急性心不全として処理。目撃した入院患者が先に退院する患者の下着に手紙を仕込み保健所職員に通報したが握りつぶされ、自身の退院後警察に通報し事件が発覚した。1993年には病院から牢名主を任じられていた患者6人による患者リンチ致死事件が発生、被害者は他医に救急搬送され不審を抱いた医師により警察に届けられた。不審死事件は1992年2月から1997年2月の間だけでも26件が明らかになっている。1997年に診療報酬不正請求が発覚し開設許可取り消しにより廃院)
・報徳会宇都宮病院事件(元患者の告発、東大病院の調査、マスコミ報道等により内情が明るみになり、被害者の遺体が土葬だったため暴行死が立証された。無資格診療、無資格解剖、患者の強制労働が常態化しており、起訴されてはいないが過去3年間で222人の患者の不審死も指摘された。この事件は国際問題に発展し精神保健法成立に繋がった。なお、宇都宮病院は現在も元気に営業中)
・久留米看護師連続保険金殺人事件(睡眠薬入りの酒を飲ませて被害者を熟睡させ、静脈に空気を注射して殺害。共犯者の自首により発覚)
・奈良長女薬殺未遂事件(准看護師の母が勤務先から盗んだ薬品を用いて長女の殺害を図った。犯人の長男、二女、両親も事件前後に死亡しており体内や尿から薬品が検出されているが証拠不十分で訴追されていない)
・新宿・渋谷エリートバラバラ殺人事件(被害者の妻が犯行後遺体を分解して路上、民家、公園等に遺棄。被害者宅の防犯カメラの映像が逮捕の決め手となった)
・時津風部屋力士暴行死事件(当初は病死扱い。犯人らは遺族への遺体引き渡し前に火葬を計画したが、遺族が反対して独自に解剖を依頼し暴行死が発覚)
・鳥取連続不審死事件(元スナックホステスと関わりのあった男性6人が次々と自殺、事故死、病死。うち一人についてカーナビの走行記録を基に強盗殺人容疑で逮捕)
・結婚詐欺・連続不審死事件(容疑者と交際していた男性たちが次々と死亡。うち一人の被害者について練炭自殺を装った殺人を疑われ警察が捜査した結果、結婚詐欺容疑で逮捕。のちに殺人罪で起訴)
・北朝鮮による日本人拉致
犯罪者側の立場からの考察
・共犯者が居ると警察に自首・自供される危険が大きい
・失踪事件を装う場合は、遺体が発見されないよう徹底的に処理すべきである
・医療従事者は病死を装うのに有利
・被害者に家族が居ると事件の露見、警察への有力情報の提供がなされる危険がある(遺体が見つかったとき、捜索願が出ている行方不明者と照合されたり、行方不明時の状況が分かる)
・犯行の数が多いと、過去に完全犯罪に成功していても露見の危険が高まる
・被害者と面識があると警察に犯行への関与を疑われる危険がある
・被害者宅が防犯カメラつきのマンションで犯行現場が同じマンション内の場合、失踪事件を装うのが難しくなる
・事件への関与が警察やマスコミに疑われるだけでも生活に影響が出るので、犯行が露見しないことが最も望ましい
被害者側の立場からの考察
・家族に医療従事者が居る場合は自分や家族の素行に注意する
・失踪事件に偽装された場合に備えて、家族と同居する
・失踪事件に偽装された場合に備えて、普段からできる限り規則正しい生活、防犯カメラに映る行動を心がける
・独身男性の場合、交際している女性に金品を与えることを避ける
・泥酔状態での事故に偽装された場合に備えて、普段から飲酒を徹底的に避け、出来るだけ多くの人にそれを印象付ける
・生命保険には加入しない
・入院治療を拒否する
・失踪事件に偽装された場合に備えて、常に行動を監視してもらう(皇位継承者の配偶者になる、スキャンダルの多い有名人になる、公安にマークされる等)。
・刑務所や精神病院や福祉施設のような閉鎖的な住環境に身を置かない。
・犯罪に遭う前に何とかして死んでおく
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