PS2・PSP用ゲームソフト『アマガミ』のTV アニメーション版第二期が放送されているところだが、『キミキス』は『アマガミ』のスタッフの前作にあたる。最初のリリースは2006年だ。もうプレイしてからかなり年月が経ってるが、「そういえばブログ記事にしてなかったな」と思い出したので(書いてたかもしれないけど戦ヴァル2のとき同様、紛失したかも)、Wikipediaと記憶を頼りに適当に書いておく。
この作品は恋愛アドベンチャーゲームだが、ノベルゲームではなく、英語で言うところの dating sim に近い。プレイヤーは高校生の主人公の少年として1か月かけて女の子と仲良くなり、一緒に学園祭を楽しく過ごすのがゲームのゴールとなる。
まず、プレイヤーは自宅で「話題袋」の中身をセットしておく。この袋に「料理」とか「ファッション」とか「TV」とかの話題を入れておき、女の子と対面したときに選択すると会話が展開するのだ。主人公は毎日学校に通うが、その日学校内で行く場所を時間帯別に4か所指定するよう求められる。時間帯と場所ごとにそれぞれの女の子の出現確率が違うので、お目当ての女の子が出てくるところを予想してセットする。
首尾よく女の子が出現すれば、大抵の場合会話が始まる。話題袋の中の話題を選択し、それが女の子の興味・趣味に合致していれば好感度とテンションのゲージが上がる。合致していなければスルーされるかゲージが下がる。好感度がマックス、テンションゲージが高めのときに「アタック」を選択するとイベントが発生して物語が進み、好感度の上限が1段階伸びる。また別の日に好感度をマックスにして再度「アタック」を選択するとイベントが発生して物語が進み、女の子との関係が次の段階に昇格する。好感度にはハートと音符の2種類あって、昇格の際にハートの比率が高いと好きルート、音符の比率が高いと仲良しルートへ物語が寄る。序盤の段階なら軌道修正が可能だ。昇格すると好感度ゲージは0に戻り話題の興味も変化する。1か月以内に上記の流れを繰り返して最高位まで昇格できればグッドエンディングとなる。
このようにゲーム性が重視されているので、プレイヤーは延々テキストを読むだけよりも、女の子を攻略している感が味わえる。ただしその反面、メッセージスキップがないこともあいまって、全てのエンディング、全てのイベントを見ることが目的の周回プレイは面倒になる。1プレイが大体3~4時間くらいに調整されているので、一応許容範囲ではあるが。
この手のゲームは女の子たちの造形とキャラクター設定が生命線だが、まず造形については素晴らしいの一言。全員が黒髪や茶髪で現実的。アニメにありがちな変な髪色、髪型の人物はいない。高山箕犀による癖のない爽やかな絵柄は多くの人に好まれるだろう。攻略対象となる女の子のキャラクター設定はそれぞれ以下のとおり。
・内気で地味な図書委員(メインヒロイン)
・クールな天才
・疎遠になった年上の幼馴染
・清楚で従順な箱入りお嬢様
・快活な妹の親友
・サッカー少女
・口うるさいツンデレ風紀委員(隠しキャラ)
・素直で子供っぽい妹
概ね需要をカバーしていると言える。ただし、メガネっ娘が居ないのは個人的に非常に遺憾。
ストーリーは全体的にはドロドロした愛憎や人間関係の機微などはなく、涙や感動も煽らないあっさりとした青春ラブロマンスではあるが、部分に目を転じればキスから友人関係が始まる、付き合ってもいないのにキスしまくる(しかも学校の中で)というツッコミどころ満載なものである。なるほど、タイトルに偽りはない。女の子と親密になると「エッチな話題」も可能になる。全裸よりも少し衣服を着ていた方が官能性が増すように、「露骨な性描写があるわけではないのだが妙にフェティッシュで下手なエロゲーよりエロい」というジャンルが開拓されている。茶道のごとく日本人ならではの発展性である。この方向性は次回作の『アマガミ』でより先鋭化し、主人公が偉大な変態としてプレイヤーの崇敬を集めるようになるのだが、『キミキス』は未だ大人しい。
会話を通じて人となりを知っていくというリアルさと、ゲームらしい破天荒さが合わさって、個性的で面白いギャルゲーとして仕上がっている。地味ながら良作である。
なお、『エビコレ+ キミキス』は『キミキス』にヒント機能を追加して難易度を下げた廉価版だ。コレクション目的でもなければ、『エビコレ+ キミキス』の方を購入するのがよいだろう。


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