janvier 2012アーカイブ

eb!コレ エビコレ+ キミキス
eb!コレ エビコレ+ キミキス

PS2・PSP用ゲームソフト『アマガミ』のTV アニメーション版第二期が放送されているところだが、『キミキス』は『アマガミ』のスタッフの前作にあたる。最初のリリースは2006年だ。もうプレイしてからかなり年月が経ってるが、「そういえばブログ記事にしてなかったな」と思い出したので(書いてたかもしれないけど戦ヴァル2のとき同様、紛失したかも)、Wikipediaと記憶を頼りに適当に書いておく。

この作品は恋愛アドベンチャーゲームだが、ノベルゲームではなく、英語で言うところの dating sim に近い。プレイヤーは高校生の主人公の少年として1か月かけて女の子と仲良くなり、一緒に学園祭を楽しく過ごすのがゲームのゴールとなる。

まず、プレイヤーは自宅で「話題袋」の中身をセットしておく。この袋に「料理」とか「ファッション」とか「TV」とかの話題を入れておき、女の子と対面したときに選択すると会話が展開するのだ。主人公は毎日学校に通うが、その日学校内で行く場所を時間帯別に4か所指定するよう求められる。時間帯と場所ごとにそれぞれの女の子の出現確率が違うので、お目当ての女の子が出てくるところを予想してセットする。

首尾よく女の子が出現すれば、大抵の場合会話が始まる。話題袋の中の話題を選択し、それが女の子の興味・趣味に合致していれば好感度とテンションのゲージが上がる。合致していなければスルーされるかゲージが下がる。好感度がマックス、テンションゲージが高めのときに「アタック」を選択するとイベントが発生して物語が進み、好感度の上限が1段階伸びる。また別の日に好感度をマックスにして再度「アタック」を選択するとイベントが発生して物語が進み、女の子との関係が次の段階に昇格する。好感度にはハートと音符の2種類あって、昇格の際にハートの比率が高いと好きルート、音符の比率が高いと仲良しルートへ物語が寄る。序盤の段階なら軌道修正が可能だ。昇格すると好感度ゲージは0に戻り話題の興味も変化する。1か月以内に上記の流れを繰り返して最高位まで昇格できればグッドエンディングとなる。

このようにゲーム性が重視されているので、プレイヤーは延々テキストを読むだけよりも、女の子を攻略している感が味わえる。ただしその反面、メッセージスキップがないこともあいまって、全てのエンディング、全てのイベントを見ることが目的の周回プレイは面倒になる。1プレイが大体3~4時間くらいに調整されているので、一応許容範囲ではあるが。

この手のゲームは女の子たちの造形とキャラクター設定が生命線だが、まず造形については素晴らしいの一言。全員が黒髪や茶髪で現実的。アニメにありがちな変な髪色、髪型の人物はいない。高山箕犀による癖のない爽やかな絵柄は多くの人に好まれるだろう。攻略対象となる女の子のキャラクター設定はそれぞれ以下のとおり。

・内気で地味な図書委員(メインヒロイン)
・クールな天才
・疎遠になった年上の幼馴染
・清楚で従順な箱入りお嬢様
・快活な妹の親友
・サッカー少女
・口うるさいツンデレ風紀委員(隠しキャラ)
・素直で子供っぽい妹

概ね需要をカバーしていると言える。ただし、メガネっ娘が居ないのは個人的に非常に遺憾。

ストーリーは全体的にはドロドロした愛憎や人間関係の機微などはなく、涙や感動も煽らないあっさりとした青春ラブロマンスではあるが、部分に目を転じればキスから友人関係が始まる、付き合ってもいないのにキスしまくる(しかも学校の中で)というツッコミどころ満載なものである。なるほど、タイトルに偽りはない。女の子と親密になると「エッチな話題」も可能になる。全裸よりも少し衣服を着ていた方が官能性が増すように、「露骨な性描写があるわけではないのだが妙にフェティッシュで下手なエロゲーよりエロい」というジャンルが開拓されている。茶道のごとく日本人ならではの発展性である。この方向性は次回作の『アマガミ』でより先鋭化し、主人公が偉大な変態としてプレイヤーの崇敬を集めるようになるのだが、『キミキス』は未だ大人しい。

会話を通じて人となりを知っていくというリアルさと、ゲームらしい破天荒さが合わさって、個性的で面白いギャルゲーとして仕上がっている。地味ながら良作である。

なお、『エビコレ+ キミキス』は『キミキス』にヒント機能を追加して難易度を下げた廉価版だ。コレクション目的でもなければ、『エビコレ+ キミキス』の方を購入するのがよいだろう。

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戦場のヴァルキュリア3 EXTRA EDITION
戦場のヴァルキュリア3 EXTRA EDITION

PS3版『戦場のヴァルキュリア』ファンを落胆させた『2』。
次こそはPS3で続編を出してくれという願いも空しく、『3』もまたPSPでの発売となった。
でもファン心理に負けて初回版を発売日に買ってしまった私。

『3』も舞台は初代から同様、ガリア公国である。
一体何回この国は戦乱に巻き込まれるんだと思いきや、時間は初代と全く同じ。
プレイヤーは歴史の闇に葬られた秘密の懲罰部隊を指揮することになる。
なるほど、この手があったかと感心。
と同時に、初代のネタバレ全開になってしまうわけだが、初代をプレイ済みのプレイヤーにとっては「あの時、別の場所ではこんなことが起こってたのか」「こう繋がってたのか」とニヤリとさせられる、なかなかの辻褄合わせになっている。

士官学校からちまちまとミニゲームのごとく出撃していた前作とは違って、今作では地図上に記されていくアイコンを辿ってストーリーを読み進め、戦闘をこなしていく。
やはり戦争は進軍、行軍してナンボだ。
こういうちょっとした演出、システムを作るだけで、同じように小さいミッションをこなしていくにしてもプレイヤーの受ける印象は変わってくる。
進軍コースは時々二つに分岐することがあり、戦闘内容や獲得できるアイテム、いちゃつくことができるヒロインが変わる。
そう、なぜか今作は2大ヒロイン制になっていて、どちらと恋仲になるかエンディングが分岐する。
といっても分岐はすぐに合流し、エンディングの分岐は最終部分で変わるだけ。
ずっと片方とだけいちゃついておいて、最後の最後でもう片方に鞍替えするという鬼畜プレイも可能だ。
一度エンディングまで行ってしまえば、取りこぼした方の分岐部分にはジャンプできる親切な仕様になっているので、『ドラゴンクエストV』みたいに「ビアンカとフローラ、どちらと結婚すればいいのか」と悩む必要はない。

戦闘部分は基本的に前作の使い回しだが、改善されている。
通信対戦や協力プレイを廃止した分メモリを多く使えるようになったらしく、その分出撃可能なユニット数が増えた。
また、ユニットは頭部以外使い回しだったのが、軍服や体型も一人一人異なったモデリングに変わっている。
「単位システム」は廃止され、戦闘での活躍度に応じて熟練度が手に入る形に変更。
小部隊ゆえに隊員は全ての兵科をこなさなければならないというストーリー設定のもと、ユニットはあらゆる兵科に変更可能になり、「お気に入りのキャラなのに使いにくい兵科だから出撃させにくい」ということはなくなった。

追加要素としては「特殊化」というものがあり、特定のミッションではポイントを消費してユニットをヴァルキュリア化したり複数同時攻撃したりすることができる。
あまり便利なものではなく、難しい局面を打開したりゴリ押ししたりする時には使えるかな程度だが、上手な人ならトリッキーなプレイを編み出せるだろう。

ミッションで使われるマップは、前作からの使い回しに加えて、同じくらいの数の新マップが用意されている。
前作で散々プレイして攻略法を熟知しているマップをプレイさせられるのは興に乗らないが、新マップには縦長になっていたり、拠点で繋がっておらず拠点からの増援による進軍が難しいマップがあったりしてなかなか良い。

装備開発での「素材システム」も廃止されている。
無駄に種類が多いのは相変わらずだが、ゲーム内の金さえ出せば簡単に入手できるし金に困ることはないので実害はない。

難易度は『2』より高くなっていて、『2』の感覚で無闇に敵に突っ込むと死ぬ。
敵の攻撃力・防御力がともに高いせいだ。
Sランククリアは前作よりし辛くなっている。
敵ターンから始まるミッションが新たに導入され、運が悪いと自分のターンが回ってくる前に敗れることもある。
だが『2』とは違ってノーマルとイージーの二つの難易度をペナルティなく途中で切り替えることが出来るので、プレイに行き詰ったらイージーにして切り抜けることが可能だ。
感覚的にはノーマルがハード、イージーがノーマルに近いゲームバランスだと思う。

シナリオは使い減らしの懲罰部隊の活躍を描いているが、血なまぐささや泥臭さは無い。
戦争映画のような重々しさは期待してはいけない。
懲罰部隊送りが相応しいガチな犯罪者キャラクターも2人くらいしかおらず、隊員は破天荒ではあるがいい奴ばかりだ。
そこは『戦場のヴァルキュリア』の作風なので仕方ない。
しかし、少なくとも前作の学園ものよりかはよっぽどマシだ。
最終決戦で無敵化するボスキャラクターを「精神が肉体を凌駕している」の一言で合理化してしまうようなぶっとんだ部分もあるが、ストーリー全体としては概ね真面目に戦争をやっている感じがする。

『2』でダメだったところを真摯に改善した作品で、初代の物語を補完する部分もあることから、初代のファンには『2』をすっ飛ばしてもプレイをおすすめしたい。
『2』の英語ローカライズ版は売上が不振だっただめ『3』の英語ローカライズの予定は無いらしいが、せっかくいい作品なのにプレイすることができなくて海外のファンは本当に気の毒だ。

なお、今から買うなら新規エピソードを追加して価格を少し下げた「完全版」の『EXTRA EDITION』(通称E2)を買うべき。
先だって発売されたところだ。
初回版を買った人間にも救済策が欲しいところなのだが、SEGAってシリーズを続けてくれるのはいいけどセールス面ではあまり誠実ではないところが残念だ。
ダウンロードコンテンツを前作より高く売ってるし、お金を稼ぐのに必死なのが明け透けに見える。
ゲームが売れない時代に利益を出すためには順当な手段とはいえ、哀しいものだ。
せめて『EXTRA EDITION』の新規追加エピソードだけでもダウンロードコンテンツとして別売り購入できるようにしてくれないものか。
まあ、来年の今頃には『2』同様に『3』の再廉価版が出て2000円くらいになってるかもしれないが。

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