「ナポリを見て死ね」という古い格言がある。
今やこう言おう、「 BD の『2001年宇宙の旅』を見て死ね 」と。
私が BD の再生環境を整えたのは、HD の『2001年宇宙の旅』を観るためといっても過言ではない。
何より映像の美しさとスペクタクルを追求した映画であるこの作品を HD で観れないなら、何のための HD か。
権利者であるワーナーには一刻も早く BD ソフト化を望んでいた。
2008年12月、ついに BD ソフト化!と思ったら、ワーナーは「スタンリー・キューブリック コレクション」として他のキューブリック監督作品5作と抱合せ販売する始末。
ファン心理を逆なでする商魂には心底呆れたものだ。
当然購入することなくスルーして、単品発売を待つこと半年……2009年6月24日、ついに単品発売!
もちろん予約購入したのは言うまでもない。
仕事による肉体の疲労も、午前様での帰宅による眠気も何のその、早速再生。
で、おなじみのオープニングタイトル、「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れるところで顔は既にニヤニヤとだらしなく緩む。
続いて「人類の夜明け」で映し出される茜色の空の美しさに息を飲む。
この空の場面は DVD ではノイズが出やすいだけに、BD の力をまざまざと見せ付けられる。
そして現れる人類の祖先の猿人たちは、人間が演じているのだが、BD の精細な映像をもってしてもとても人間が中にいるとは思えないほど巧妙にメーキャップされているのがよくわかる。
(もちろん、BD よりももっと精細なフィルム上映を前提に作られている以上、その巧妙さは当然と言えるのだが。)
猿人が異星人の置いたモノリスによって進化し、道具で殺人を犯したところで場面は一気に未来に飛んで、宇宙へ。
観るたびにいつも思うことだが、宇宙のシーンの初っ端に出てくる立体感に乏しくのっぺりと動く宇宙船だか人工衛星だかはいかにも合成臭くて、ここがこの作品で私が不満に思っているところなのだが、しかしその続きが最高だから許す。
「美しく青きドナウ」の調べに合わせながら、ぐるぐる回転する宇宙ステーション、そしてそこに進入していくオリオン号のシーンの圧倒的存在感と美しさ、カメラワークの巧みさと言ったら、完璧と言わずして何と言おう。
以降、宇宙ステーション、月面基地、宇宙船の内部といった SF 描写が続くわけだが、今まで DVD では映像が潰れてよく見えなかった部分が BD によって鮮明となっている。
そこで判るのは、いかにキューブリックが徹底的にリアルさに拘って作っているかということ。
ここまで細かく作りこんでいたのかと驚嘆する。
コンピュータのディスプレイが GUI ではなく、コンピュータの命令文が羅列されているとか、宇宙船のコックピットのディスプレイに映し出される映像がワイヤーフレームだとかという点は、現在の技術の見地から見れば時代遅れな描写ではある。
しかしその描写方法について言えば、本作に登場するコンピュータのディスプレイはブラウン管ディスプレイではなくフラットディスプレイとして描写されているし、映像の内容も1968年当時ではまともな CG が描けないため手作業のアニメーションで作られているので非常に細やかだ。
結果として、ちょっとズレてるけど今見ても全然古くない、というよりもむしろ、現在でも本作に比肩する SF 映画は二度と現れないと思わせる出来になっている。
確かに、CG の発達によって、映像を作る技術上の制約は現代の方が遥かに少ないだろう。
しかし、BGM は クラシック音楽だけ、主人公と美しいヒロインの恋愛なんてものは一切なし、物語は「異星人とのコンタクトと人類の進化」という壮大なテーマを扱っているが映像で象徴的に見せていて余計な説明がないので難解、緻密な映像を作るために大金がかかる……という作品を、現代の商業映画界が作ることができるかと問うたなら、答えは容易なはずである。
大きい映画館を借り切って、シネラマで本作を観ることができるならそれに越したことはないが、大富豪でなければ無理な話。
でも、BD 版 を観るくらいなら遥かにたやすい。
2009年9月3日にはゲーム機能つき BD プレイヤー、 PLAYSTATION 3 の新型が29,980円で発売されることだし、今こそ DVD から Blu-ray への移行を検討するよい機会。
ワーナーが2009年8月現在で BD 作品の2,490円セールを行っているのも好機といえる。
多くの人に HD の力を体験してほしいものだ。
眠すぎて観てられない、という人は、お洒落な BGV として使うのは如何。
![2001年宇宙の旅 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51nFS%2Blsp5L._SL160_.jpg)
フ~ム・・・、ブレードランナー(そういえば国内でもBDのコンプリートBOXが発売になってますねぇ)に続いてのBD推奨ネタですか。
気持ちとしてはBD購入に傾いておるのですが、未だに我が家の財務大臣の承認が得られない状況であります。
しかし、ここまで2001を語る人物は、今となってはよっぽどの好き者という風にしか思われませんよ。(あぁ、よっぽどの好き者でしたか(笑))
まぁ、小生も好き者の一人かもしれませんが・・・。
ちなみに個人的には「惑星ソラリス」もなかなかかと思っておりますが。
『けいおん!』第1巻の初回生産限定 BD 版が3万枚売れたらしいですから、わざわざ映像ソフトを買って観る層には確実に普及しつつありますね。
ワーナーも値下げキャンペーンを繰り返して、普及に努めているようです。
プレイヤーで一番安そうなのは、Pioneer の BDP-120で21,000円前後。
しかし DVD の画質の良さや割と使える web ブラウザも搭載されている総合力では PS3 に適うものはありませんね。
(1000円の安物 USB キーボードとマウスを繋げば web 閲覧マシンになります。)
財務大臣様のご裁可が得られないとなれば、朝鮮玉入れかお馬さんか……。
私の場合は単純に好きってこともありますが、スピルバーグもルーカスもその他映画関係者も「2001年」から受けた影響を公言してますし、映画好きなら避けて通れない重要な作品だと思いますけどね。
『惑星ソラリス』は DVD 版が発売されておりますが、商品として出来が悪いと噂されている上に値段が安くないので購入せずにそのままになっております。
BD 版が出ないかな……。
>財務大臣様のご裁可が得られないとなれば、朝鮮玉入れかお馬さんか……。
かつては朝鮮玉入れに興じた時期もありましたが、人生そのものが最大の博打であることに気付いてからは一切賭博はしないことにしております。(あぁ、富籤だけは偶に買うてるか。)