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2008年12月 7日
DVD 『カラーで見る第2次世界大戦』
TV でよく見る第2次世界大戦当時の記録映像はモノクロのものが多い。
しかし、大戦勃発前の1935年には既にイーストマン・コダックによって実用的なカラーフィルムが市販されていて、カラーで撮影された映像が意外と残されている。
『カラーで見る第2次世界大戦』は、イギリスの TV 局カールトン・テレビジョンがそんなカラー映像を編集して製作した1999年の TV 番組を、NHK の子会社が日本語化したもの。
開戦当初から終戦までを各44分、全3巻で描いている。
映像に合わせて解説ナレーションと当時の人々が記した日記や手紙が読み上げられる構成で、『映像の世紀』と同様のスタイルだ。
モノクロ映像だと、どうしても我々が現実に目にしているものとは違う作り物っぽさを感じてしまい、遠い世界の出来事のように思える。
それがカラー映像になると、そこに生きている人が居たという生々しさが一気に迫ってくる。
戦地から離れて暮らす一般市民がいて、時には楽しい休日を過ごしている。
街の中を兵士たちが当たり前のように歩いている。
陸海空の戦場で兵士たちが戦い、死体があちこちにある。
食べ物もなくやせ衰えたユダヤ人の子供がゲットーで寝転がっている。
都市ではパルチザンが銃殺されて血を流し、あるいは絞首刑にされてぶら下がっている。
その模様を人々が平然と見物している。
夜間空襲で街は燃え盛り、一夜明けると道端には黒焦げになった市民の死体が転がっている。
ナチスの強制収容所を解放した連合軍が、地元市民に死体の山を見せている。
全裸で肌の白さが眩しい、積み重ねられたマネキンのような死体の山である。
瓦礫の山となったベルリンで、女性たちが何か作業をしたり、荷物を持って移動している。
すべて俳優でもセットでもない、本物だ。
一番切なかったのは、孤児院でカメラに向かって笑顔を見せるロマの子供たちの映像。
ナチスがロマの社会適応性の研究のために撮影したものと思われる。
その輝かしい笑顔も、ナチスはガス室で消してしまったのである。
日本兵や日本の民間人の映像もあるが、日本側に高価なカラーフィルムを使った映像を残す余裕はないので、連合軍側から撮影された敗残の模様ばかりだ。
最近の TV ニュースでは戦争やテロが起きても死体を映さないので、何人死んだと言われても実感がなく、数値化された記号のように思える。
いくら昨今の映画やゲームソフトがリアルな描写をしていると言っても、やはり本物の迫力には敵わない。
いくら美辞麗句で飾られようと、戦争なんかしない方がいい。
それを後世に伝えるために手っ取り早い手段は、この DVD を子供たちに見せることだ。
校長先生が全校集会で命の大切さを語る暇があったら、この DVD を子供たちに見せるべきだ。
トラウマになるくらい心に響くはずである。
なお、BOX セットで買っても外装の箱がついてくるだけなので、中古で買うならバラ売りのを選んだ方が安くつくと思われる。
投稿者 Dormeur : 2008年12月 7日 14:08
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コメント
>いくら美辞麗句で飾られようと、戦争なんかしない方がいい。
それを後世に伝えるために手っ取り早い手段は、この DVD を子供たちに見せることだ。
おっしゃるとおりだと思います。
これまで、世界で何が行われてきたのか。自分たちの国が他国の人間に何をしてきたのか。自分たちの国が、自国民に何をしてきたのか。何をさせたのか。全てを具体的に目の当たりに見せつけるべきだと思います。
ただ、今の子供がそれらに対して感情移入することができるのか。自らの身に置き換えて、自分たちのこととして捉えられるだけの感受性をはたして持ち合わせているか、という点に危惧を抱かされてしまいます。
昨今の子供が(子供に限ったことでもないですが)起こす事件に関する報道等を見聞きしていると、他人の痛みを自らの痛みとして感じるだけの想像力が決定的に不足しているように思えてならないものですから。
投稿者 pou-fou : 2008年12月 7日 23:50
ご心配なく。
ナチや各種の差別主義者が跋扈していた事実からすれば、昔だって他人の痛みが判らない連中だらけですよ。
投稿者 Dormeur : 2008年12月 9日 21:26

