29 novembre 2008

BD 『 Blade Runner ( Five-Disc Complete Collector's Edition ) 』

Blade Runner ( Five-Disc Complete Collector's Edition )

『 Blade Runner ( Five-Disc Complete Collector's Edition ) 』は、1982年に公開された SF 映画の傑作『ブレードランナー』の北米版 Blu-ray Disc である。

『ブレードランナー』がどんな映画かは、語りだすと長くなるので敢えて説明しない。
傑作だから観て下さい。
以上。

さて、『ブレードランナー』のファンなら既知のことだが、『ブレードランナー』には様々なバージョンがある。

  • ワークプリント版(1982年)……本公開前に観客の反応を見るためのテスト版
  • 初期劇場公開版(1982年)……アメリカで最初に商業上映されたバージョン
  • 国際版(1982年)……ヨーロッパや日本で上映されたバージョン
  • ディレクターズカット版(1992年)……10周年記念バージョン
  • ファイナル・カット版(2007年)……25周年記念バージョン

これらを全て収録したのが、『 Blade Runner ( Five-Disc Complete Collector's Edition ) 』なのだ。

何故北米版かというと、5つのバージョンを全て収めた BD は日本で発売されていないからである。
2008年に入ってからようやく日本で発売された BD は、ファイナル・カット版のみの収録となっている。
2007年、5つのバージョンが収録された DVD 版が日本で発売されたが、1万セットの限定生産で、希望小売価格24,800円という高価なものだった。
しかし、北米版 BD は希望小売価格が39.99ドルである。
私は Amazon.com で発売3ヶ月前の2007年9月から予約して北米版 BD を購入したが、本体27.95ドル、送料5.98ドルで計33.93ドルだった。
1ドル120円として計算すると、33.93ドルは4,071円である。
何という安さ!
そして DVD と BD で画質・音質ともにどちらが優れているかといえば、圧倒的に BD だ。
ならば DVD を買う必要はない。
DVD と違って、BD は日本のプレイヤーでも北米版を問題なく再生できる。
メニューや字幕も、ファイナル・カット版のみではあるが、日本語を選べるようになっている。
大体、5つのバージョンを見比べるなんてコアなファンしかやらないし、コアなファンなら字幕なんかなくても人物が何を言ってるか判るんだから全く問題ない。
残念なのは、特典として付属しているメイキング・ドキュメントに日本語字幕がついていないことだが、どうしても日本語字幕で観たければ日本で発売されているファイナル・カット版の BD (5,000円もしない)を買えば済む。

本題に入ろう。
私は国際版の LD とディレクターズ・カット版の DVD を所有していて、その二つの内容は知っている。
まだ観ぬ残りの3バージョンのうち、一番観たかったのはワークプリント版だった。
何故か。
『ブレードランナー』といえばコレ、という有名な台詞「二つで充分ですよ!」。
だが一体何が二つなのか映像にないため、謎だった。
しかしワークプリント版では、その「二つ」の映像がカットされておらず正体を確認できるというのだ。
「流出した海賊版」と称する怪しげなビデオのスチル写真によれば、それは海老だという。
本当なのか。
ついに公然とベールを脱いだ「二つ」とは――
確かに、丼の上に乗っかった茄子のような海老のようなどす黒い物体であった。
こりゃ確かに二つで充分、というか不味そうだから一つでも要らんわ。
胸のつかえが取れたので、これだけで満足。

とはいえ、ファイナル・カット版も素晴らしい。
もともと、『ブレードランナー』の特撮シーンは65mmフィルムで撮影されたのだが、上映時に35mmフィルムにダウンサイジングされている。
しかしファイナルカット版ではオリジナルの65mmネガから直接マスターが作られているので、BD の HD 画質もあいまって、ヨダレが出そうなほど美麗な映像を堪能することができる。
例えば、冒頭のシーンにおいて、タイレル社のビルは圧倒的存在感を持って輝き、部屋に立つ検査官も映っている。
35mmフィルムで撮影されたシーンでも、アップになったハリソン・フォードの胸毛の一本一本やショーン・ヤングの手の産毛の一本一本、女優たちの顔の毛穴まで確認することができる。
映像のリファインのほかにも、いろいろと細かく変更がされていて、台詞とストーリーの矛盾の解消、いくつかのショットと台詞の追加、映像のミスのコンピューター修正などが成されている。
また、特典として、リドリー・スコット監督やスタッフによる音声解説が付属している。
もちろん、日本語字幕つきだ。

残念ながら、本編の日本語字幕の誤訳は相変わらず修正されていない。
一言一言区切って喋ってくれるので、私の拙い英語力でも聞き取れるクライマックスシーン。
ロイが" I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhäuser Gate. All those moments will be lost...in time...like...tears...in rain. Time to die. "と語る。
字幕では、「タンホイザー・ゲートのオーロラ そういう思い出もやがて消える 時が来れば―― 涙のように 雨のように その時が来た」となっている。
" C-beams "云々はアドリブの台詞らしいので謎だがオーロラじゃない何かだろうし、「涙や雨のように消える」という比喩はわけが判らない(「雨の中の涙のように」という訳が正しい)。
レプリカントが避けようと拘り続けてきた「死」の場面なのに訳に反映されていないのもよろしくない。

それはともかくとしても、この『 Blade Runner ( Five-Disc Complete Collector's Edition ) 』は『ブレードランナー』のファンなら是非入手しておきたい一品だ。
BD プレイヤーや HD ディスプレイを持っていないなら、この際買ってしまおう。

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コメント(7)

>2007年、5つのバージョンが収録された DVD 版が日本で発売されたが、1万セットの限定生産で、希望小売価格24,800円という高価なものだった。

 これはスピナーやユニコーンのフィギュア等、おまけ付のやつですよね、おまけなしのアルティメット・コレクターズ・エディション初回限定版の方は12,580円で入手可能でした。(それでも、BDの4,071円に比べると高いですが・・・、小生はネットショッピング(カード決済)はいまいち信用できないので、この初回限定版を購入しました。)

>ついに公然とベールを脱いだ「二つ」とは――

 小生は回転寿司「くら」の「わさび茄子」を連想してしまいました。(そういえば、最近は見かけんようになりましたねぇ。)

>映像のリファインのほかにも、いろいろと細かく変更がされていて、台詞とストーリーの矛盾の解消、いくつかのショットと台詞の追加、映像のミスのコンピューター修正などが成されている。

 でも、ゾーラの逃走シーンでのブーツのヒールはハイヒールにはなってなかったような。

 あと、エンディングでロイの腕から飛び立った鳩のシーンで、背景が公開時(ディレクターズカット版も含めて)の青空から、物語上の世界観に沿った雲が垂れ込んだ空に修正されてたけど、ロイ(レプリカント)の魂の解放を意味する象徴的表現として捉えれば、青空のままでも良かったのかも・・・とも思えます。

 しかし・・・BDか・・・うーむ、うらやましい。

言われてみれば、手提げケースに入っていない DVD 版もそういえばありましたね。
失礼しました。
それにしてもマニアですねえ、お互い。

ゾーラのブーツがブーツなのはご指摘まで気づきませんでした。
スタントマンの姿は変わってるのに。
右手に握ってるチューブ(出血装置?)も消されてませんね。
スピナーを吊り下げてるワイヤーはちゃんと消されてたのに。

鳩が飛び立つ空は判りやすい変更でした。
恐らく青空は意図してなくて、鳩が飛ぶだけで充分、って考えなんでしょうね。

BD は本当にいいですよ。
まだ昔で言うと VHS に対する LD みたいなポジションですけど、DVD レコーダーより BD レコーダーの売上げが勝ってきてるし、ソフトの値段も DVD 並みなので普及して欲しいです。

そういや、『ブレードランナー』のファンなら往年のアドベンチャーゲームの傑作『スナッチャー』がオススメです。
『ブレードランナー』のパクリ……いや、オマージュに溢れた作品なので。

>それにしてもマニアですねえ、お互い。

 いやいや、小生ごときはまだまだマニアの域には達していないでしょう。

>そういや、『ブレードランナー』のファンなら往年のアドベンチャーゲームの傑作『スナッチャー』がオススメです。

 これはプレステ?なにせゲームはスーファミ版ドラクエⅤが最後なもんで、よく判らんのですヨ。

 タイトルからは「ブレードランナー」よりも「ボディスナッチャー」の方を連想してしまいますが・・・。

『スナッチャー』は古くは PC-8801の時代から発売されてますが、完成版は PC-Engine、セガサターン、プレイステーション 用で発売されております(10年以上前に)。中古で手に入りやすいのはプレイステーション版でしょうね。

企画・監督は『メタルギアソリッド』シリーズで今や世界的有名人となった小島秀夫でして、映画マニアで映画みたいなゲームを作ろうとしてきた人ですから、多分『ボディスナッチャー』も念頭に入れてたはず。

 「スナッチャー」ねぇ・・・一度中古ソフト屋で探してみましょうかね。(娘にPSの使用許可を貰わないかんなぁ)

 ところで、ブレードランナー関係のネタをひとつ、プリスがブレードランナーとではなく、日本のホエールハンターと戦うためにエンドウ豆の船に乗るとか・・・。

えんどう豆じゃなくて、海の犬の方ですね。
鯨の命を守る前に貧困や内戦やテロで現実にバカスカ亡くなってる人間の命を守る活動をするべきなんじゃないかと思うし、牧草地を作るために森林を破壊する牛肉食の方がよっぽど環境に悪いはずで亡くなる命の数も多いのですが……環境テロリストの頭の中は理解できません。
プリスには映画の中だけで生きていただければ結構です、ハイ。

 あ、狂犬の方でしたか。迂闊でした。

 しかし全く同感ですね。鯨に対する亜米利加人の思い入れは、18世紀に自らの曾祖父世代が太平洋・南氷洋で油を搾り取るためだけに鯨を殺戮しまくったことに対する、キリスト教徒独特の贖罪意識が関係してるのかなぁ?

 環境テロリストの過激な行動には、資金援助者へのアピールという側面も併せ持っているので、セールス競争の如く過激になる一方ですが、そういう団体に資金を提供する輩の気も知れんです、全く。 

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