8 novembre 2008

『 Memories Off 』シリーズの哀れなヒロインたち

恋愛アドベンチャーゲームの『 Memories Off 』シリーズの物語は単純なボーイ・ミーツ・ガールではなく、大抵は心に傷のあるヒロインを主人公が救済することで主人公とヒロインが恋人同士になります。厄介なことに主人公は元彼女や交際中の彼女に未練があるものだから、恋人関係の成立までには話がどんどんこじれます。

話を盛り上げるための設定とはいえ、そのヒロインたちに課せられた不幸な身の上とは?
下記をご覧ください(順不同ネタバレ)。関係者が死にすぎですね。
そもそもダメ男に恋をしてしまうこと自体も不幸ではあります。主人公さえまともなら、修羅場で傷の上塗りをせずに済むのに。

主人公が救わなかった場合、ヒロインたちの未来は暗いです。主人公が救うと言っても、主人公の判断がまずく結果オーライなことも多々あります。主人公のハッピー・エンドが、他のヒロインの心を傷つけていることも多々あります。ダメな主人公より脇役の男たちの方が遥かに性格的に男前なので、それがプレイヤーにとっての救いです。

時に腹黒いヒロインと、優柔不断で悩み続けるために事態を悪化させるダメ主人公が織り成す泥沼ワールドに興味のある方は『 Memories Off 』シリーズをどうぞ。
主人公のダメっぷりにストレスが溜まるので、甘いラブストーリーや主人公の成長物語でストレスを解消したい方には不向きです。

A さん

子供の頃に母親が死亡。成長してから母親の代わりとして父親に性的虐待を受ける。その後、父親が勝手に決めた男と結婚させられそうになり逃げる。

B さん

幼い頃、少年が孤児院から脱走するところを目撃し職員に告げ口した。そのため職員は少年に追いつきかけるが、少年は追跡を振り切ろうと道路に飛び出し事故に遭った。成長後、恋人ができるが、その恋人は実はかつて自分が事故に遭わせた少年だった。

C さん

5歳年上の恋人がいたが、喧嘩別れになったまま引っ越しする羽目になった。元恋人とは連絡が取れず謝罪が出来ていない。

D さん

親友の助力で幼馴染と恋人関係になるが、彼を遺して事故で死ぬ。

E さん

自分の才能を伸ばすために海外へ留学するチャンスを得るが、海外へ留学するならば彼氏と別れなければならない。

F さん

親友とその彼氏共々仲良しの3人組だったが、親友が事故で死亡。その彼氏のことが好きだが、彼の方は死んだ親友のことをずっと引きずっていて、自分のことは女として見られていない。

G さん

幼い頃に池で溺れたが近くにいた母親は子供を助けず、子供の入院中に他の男の下へ逃げた。子供を一人で育てる自信のない父親により、子供の居ない親戚の家に預けられる。父親に捨てられたと記憶を混同し男嫌いになる。

H さん

高校時代に交際していた男がいたが転校に伴い別れる。新たに恋人を作るが、バイクで二人乗りをしていたところ事故に遭い、恋人だけが死ぬ。

I さん

友人の彼氏と知らずに男と恋仲になってしまう。

J さん

子供の頃に入院中、同じ病室の少女が死ぬ。その少女の元に度々遊びにきていた少年がショックで廃人化したため、少女に成り代わり生きている振りをすることで少年を立ち直らせる。成長後、少年と再会すると過去を隠して恋人として交際を始める。過去を知る男が現れ、事実を恋人に伝えられないまま逃げる。

K さん

実は双子の姉妹で、妹の方は病気で入院していて治る見込みがない。姉は病弱ゆえに両親にいたわられる妹に嫉妬しており、妹は健康な姉に嫉妬している。姉は両親の愛情を得ていい気分に浸るため、妹は病院の外の世界を楽しむため、姉妹で共謀して入れ替わっていたが、二人とも同じ男に恋心を抱いてしまう。病気と恋に苦しみ、妹は飛び込み自殺を試みる。

L さん

父親の転勤のため外国を転々として過ごす。異国の血を引いているので、かつて日本の学校に通っていた際に苛められた。そのせいで日本に居るときは感情を抑えこみ、他者との関わりを避けるようになる。

M さん

子供の頃から貧乏暮らしで、高校にも行けずフリーター生活を送る。金品をたかるために男との交際を繰り返していたが、たかり目的で近づいた男に本気になってしまう。

N さん

厳格な名家に生まれ、好きな男が別にいるのに親の決めた相手と結婚させられそうになっている。両親も政略結婚で不仲。それゆえ「この世の全ては偽りで出来ている」という価値観を形成し逃避する。

O さん

母親が再婚するも死亡し、義理の父とその連れ子と暮らしている……と思っていたが、実際は義理の父は実の父親で、自分は彼が愛人との間に作った子供だった。それを知り連れ子とも険悪になる。自身の出生を汚らわしいと思い自殺を試みたり、父親を恨んで毒殺を試みたりする。

P さん

病弱なため、まともに学校に通えない。従姉妹が骨髄移植の適合者だったが事故で死亡してしまった。骨髄のドナーが見つからずそのまま死ぬ。

Q さん

周囲に愛される妹を妬み、妹が開設している web サイトの掲示板を匿名で荒らす。妹と取り合った末に彼氏ができるが彼氏は元彼女に未練があり二股状態。

R さん

皆に好かれようと思い行動するが裏目に出て、結局誰にも相手にされなくなる。以後、他人の言うことに従うだけの人形のような状態になる。修学旅行中に出奔し露天商に拾われる。

S さん

母親の死亡後に父親が再婚するが、実は父親は愛人との間に子供を作っており、再婚相手はその愛人だった。子供の頃に幸せな思い出を作った少年は、成長後に愛人の子供と交際していた。

T さん

義兄に恋心を抱き、彼の気を引くために愛猫を虐待する。その果てに自傷へ向かう。

U さん

3歳年下の弟が居たが、弟は事故で死亡した。職場で出会った少年に、亡き弟の姿を重ねる。

V さん

子供の頃に事故で父親が亡くなるが死を受け入れられず、父親の職場へ日参し帰りを待ち続ける。父親と交わした約束を守るため、加害者への怨恨を封印し無邪気な人格を演じ続ける。

W さん

妹の彼氏に恋心を抱いてしまう。

X さん

足が不自由で車椅子生活を余儀なくされている。健常者並みであることを目指しているがうまくいかない。

前の記事:「「日曜エロゲ劇場 家族計画」

次の記事:「『 Memories Off #5 とぎれたフィルム 』

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://meta-metaphysica.net/mt/mt-tb.cgi/388

コメントする

プロフィール

空疎な中身のまま、サイト運営10年経過。

文学部出身ですが文学は苦手です。

Twitter

twitter.com/nemuribito/

過去の記事