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août 27, 2008

メモ

「泉こなたを自殺させる方法」を考えるスレ みwiki
http://www34.atwiki.jp/konataowata/

悪趣味な二次創作物語集。質は良くない。
『らき☆すた』のヒロイン、泉こなたが苛めや家庭内の虐待などの不幸に追い詰められるパターン。
苛めの首謀者は柊つかさが担当していることが多いようだ。
悪意を投影すれば容易に悲劇に転換しやすい人物設定とシチェーションだから、破壊願望を充足する対象になるのもごもっとも。
全部読んでないけど「航空事故」は例外的に読後感のいい話だ。
「虚像と実像」は悲劇だけど心理描写やプロットが丁寧。


2018年 菊花病院
http://ncode.syosetu.com/n6668d/
2018年 地中海病院
http://ncode.syosetu.com/n0204e/

国民皆保険が崩壊した未来の日本の医療を想定した短編小説。
主人公の母が突然脳疾患で倒れ、裕福でない主人公は選択を迫られる。
低所得者でも受診できるが劣悪な公立病院を選んだ場合と、高度な医療を提供しているが莫大な医療費を要する民間病院を選んだ場合、それぞれの物語。


グリーフケア
http://www.hospice.jp/related_group/griefcare.html

患者の死亡を伴う医療紛争って、グリーフケアの不十分さが大きな原因な気がする。
「真相究明を」という遺族のコメントがよく報道されるが、遺族にとっては自分の求めるストーリーこそが真相であって、そのストーリーが認められない限り満足しないのではないか。
根拠のない見立てだけど。


女性VIPPER練炭自殺事件まとめサイト
http://www10.atwiki.jp/sora/

2006年3月、同棲していた彼氏が失踪したため 2ch BBS で協力を求めていた人物が、自殺予告後に消息を絶ち、他の自殺志願者とともに集団自殺を果たした事件の記録。


【本危】まとめサイト:本当に危ないところを見つけてしまった・・・
http://orz.matrix.jp/index.html

2004年9月、2ch BBS のオカルト板で起こった祭(通称「蓋スレ」)の記録。
岡山の若者グループが茂みの中にある柵を乗り越えると、地面に扉のある場所に出た。グループのうち3人が扉を開けて中に入ったが、何者かに遭遇し慌てて飛び出してくる。グループ全員で逃げ出したが、扉の中に入った1人は消息不明のまま。情報を求む……という趣旨の投稿が成される。
早速、実際に現地を訪問する有志(「黒帯」)が現れ、扉を発見し内部に入るが、人の気配を察して入口近くに避難していると報告し消息を絶つ。一方、同時間帯に別の有志が現地を訪問。地面に蓋のようなものを発見し写真をアップロードするなど実況報告するが、「黒帯」とは合流できずに終わる。
これらの報告を読んだ新たな有志が次々と現地捜索に向かうのだが……。

薄気味悪い廃屋の写真や、ネタか本物かを巡っての有志同士の駆け引きが面白い。
逮捕者が出なかったのは幸いか。


『イリヤの空、UFOの夏』 論
http://lanopa.sakura.ne.jp/ubukata/ufo.html
『撲殺天使ドクロちゃん』 論
http://lanopa.sakura.ne.jp/ubukata/dokuro.html

ライトノベル作家の冲方丁氏による論考。
書き手の立場からの切り口に唸らされたため掲載。
『イリヤの空、UFOの夏』はライトノベルを敬遠している若い読者にもオススメできる秀作だと私は思う。ラブコメや SF のギミックこそあれ、手堅い青春小説でありビルドゥングスロマンだから。
『撲殺天使ドクロちゃん』はパロディネタを盛り込んだドタバタギャグだから、素養がない人には読めない。

投稿者 Dormeur : 01:22 AM | コメント (4) | トラックバック

août 24, 2008

『うみねこのなく頃に Episode3 Banquet of the golden witch 』


サウンドノベル『うみねこのなく頃に』シリーズの第3話「 Episode3 Banquet of the golden witch 」を第2話に引き続いてプレイした。今月公開されたばかりの最新作だ。

「1986年10月4日から5日にかけて、絶海の孤島に建てられた洋館に集まった富豪一族が、碑文どおりに次々と殺されていく」という大まかな流れは、やはり第1話、第2話と同じ。
第3話では、魔法描写が第2話よりも一層深化する。魔女ベアトリーチェの師匠と称する魔女が登場し、庭園に巨塔や巨人を召喚する大バトルを展開するわ、魔女の眷属が新たに増えて魔女を支援するわで大変賑やかである。勘弁して欲しい。

魔法描写を除き第3話で特徴的な点は、まず碑文の解読者が出た、ということだろう。ただし碑文の解読結果が何であるかは明かされない。明かされるのは解読のヒントと、碑文解読者が得る利益だけである。

次に、第1話、第2話と結末が異なっていることが挙げられる。ネタバレになるので詳細は伏せておく。

物語構成においては、メタ世界における魔女対戦人の駆け引きの比重が大変重くなっている。これが第3話におけるどんでん返しに繋がっていて、読み物としての面白さは第2話を越えている。第2話での展開に呆れて読み進める意欲を失ったプレイヤーを、再度やる気にさせるだけの力が感じられる出来だ。

さて、折角出題編が第3話まで揃ったので、事件の真相について推理、いや予想してみよう。
(以下、ネタバレ注意)

1.一族当主(右代宮金蔵)の死亡原因と死亡時期の怪しさ

金蔵はずっと鍵のかかった自室に引きこもっていて、ごく限られた人間としか面会していない。
第1話では失踪後、焼死体で発見されている。死因が確実に焼死なのか、死体が確実に本人かどうかわからない。
第2話では死が描かれていないが、終盤は魔法描写の中で登場しているため、生死は確実ではない。
第3話では魔法描写の中で死亡しており、焼死体で発見されている。死因が確実に焼死なのか、死体が確実に本人かどうかわからない。即死であり自殺ではないと赤文字発言されているが、その即死したのがいつなのかは明確ではない。「他殺であった」と赤文字復唱することは拒否されているので、病死あるいは事故死の可能性が残っている。

なお、金蔵の死を隠蔽することで最も得をする人間は今のところ、長男である蔵臼である(金蔵の資産の私的流用を隠蔽工作する時間が出来る)。死を隠蔽するには使用人の協力が不可欠であり、使用人に対して弱みとなる。共犯関係や裏切りが生じる根拠となるだろう。

2.島に何人いるのか

第3話における島にいる人数の問答は、叙述トリックが最も強く疑われる。
一族が島に集結した時点で、「この島には18人しか居ない」という文言も、「この島には19人以上が居る」という文言も赤文字復唱を拒否されている。つまり、「島に居るのが17人以下である」あるいは「島に居るのが19人以上である」という可能性がある。そしてその後物語が進み一人も死亡が明らかになっていない時点で「この六軒島には19人以上の人間は存在しない」と赤文字発言がなされる。その後殺人事件が起こっても、「この島に19人以上いない」と赤文字発言がなされる。
以上から指摘できる点を列挙する。

・赤文字発言に時期を明示した表現が含まれて居ないため、赤文字発言は発言した瞬間の状況においてのみ有効と考えるのが相当である。この解釈のもとでは、「この六軒島には19人以上の人間は存在しない」と赤文字発言が出る前には19人以上存在していて、赤文字発言時までに一人減少した可能性を考えることができる。

・死者は人数にカウントするのだろうか?するかしないかは言語上の問題であり必ずしも普遍的でない。「この島には18人しか居ない」と赤文字発言されることが全くないのは、死者が人数にカウントされない場合、「島に居る人間は17人以下である」ことになるからではなかろうか。

・死者が人数にカウントされないという解釈を用いた場合、描写されていない人物 X は、島内の誰かが死亡した時点で18人目となる。正確に言うと(18-死者数+1)人目である。そして最初の死者としてうってつけなのは、死因も死亡時期も不明確な金蔵である。「この六軒島には19人以上の人間は存在しない」と赤文字発言されるまでの間に金蔵が病死または事故死していれば、X は18人目なので赤文字発言に矛盾しない。

・死者が人数にカウントされるという解釈を用いた場合、描写されていない人物 X は19人目である。但し、死体が発見後に海中に投棄されれば18人目となり赤文字発言と矛盾しない。死体が物語の結末まで発見時のままであることを示す描写は極端に少ない。

・描写されていない人物 Y が島に接岸していない船の中に待機していて、状況に応じて島に出入りしていると想定する。「 Y は海上にいるのであって、島にいるのではない」と強弁できないか。無理のある想定ではあるが、島の外部からの侵入可能性について魔女は赤文字発言していない。

3.魔女の手紙

第3話で使用人全滅後、新たな「魔女の手紙」が登場していない。使用人が「魔女の手紙」を用意していたことを示しているヒントかもしれない。
また、使用人たちに続いて死亡しているのが真里亞なので、真里亞が関係者かもしれない。最初の「魔女の手紙」を提出するのは常に真里亞であることに注意。

4.魔法陣

第3話で使用人全滅後、新たな魔法陣が登場していない。使用人が魔法陣を用意していたことを示しているヒントかもしれない。
また、使用人たちに続いて死亡しているのが真里亞なので、真里亞が関係者かもしれない。真里亞は魔法陣の意味に通暁していて、メッセージとしての魔法陣の発信者にも受信者にもなりえることに注意。

5.全滅の理由

第1話と第2話では一族が全滅しているが、第3話では生き残りがいる。そして第3話では殺人事件が事故として処理されている。第3話の生き残りは地下にある黄金の隠し場所の発見者である。

1986年10月6日に何らかの自然現象か事故が発生することが不可避であり、地下に居ないと自然現象か事故によって死んでしまうことを示しているのではないだろうか。例えば火山活動が原因の火山弾、地震、火災、津波(六軒島は伊豆諸島にある設定だが、伊豆諸島では1983年には三宅島で、1986年には伊豆大島で噴火が起きている)。あるいはボイラーの爆発、ガス漏れによる火災や爆発、漏電による火災など。それらによって事件の証拠が失われてしまったのではないか。

遺体に他殺の証拠があれば、生き残りに嫌疑がかけられ相続権を失ってしまう。兎にも角にも、他殺を隠蔽する何らかの出来事が起きなければならない。

6.碑文の謎

第3話で劇中に碑文解読者が現れたものの、プレイヤーには碑文を解読するのに十分な情報が与えられていないのではなかろうか。登場人物に解読が可能なのは、登場人物にのみ共有されている情報があるからではないか。例えば島内各施設の建物構造や配置、金蔵の来歴などは、プレイヤーには曖昧にしか示されていないが、金蔵の子(4兄弟)は最もよく知る立場にある。
劇中の描写だけで解読可能なら、解答編が発表されるまでの間に解読したプレイヤーが現れネット上に流布する可能性が高い。作者の立場から考えると、プレイヤーの次回作への興味をそそるために種明かしをギリギリまで温存しておくのが賢い。

ただし、第3話の碑文解読者は偶然到達しただけで、金蔵の意図したとおりの解読は行っていないという引っ掛けの可能性もある。

7.ハッピー・エンドは何か

第1話で死亡した戦人が、第2話、第3話ではメタ世界から下位世界を俯瞰している。第3話でメタ世界の戦人が第1話、第2話の出来事に言及していることから、彼はメタ世界では同一時間軸上で連続した存在のようだ。
彼はもう人間ではない。魔女と対面したり下位世界を俯瞰している時点で超常現象なのだから、躍起になって魔女・魔法を否定する必要はないはずだ。メタ戦人にとって、魔女・魔法を否定しなければならない理由は何か。以下の理由が考えられる。

・自分と自分の家族、仲の良かったいとこを惨殺した犯人への怒りがあるから。

・犯人が魔女だとすると、人々が魔女への生贄・供物のため殺されたことになり、殺人の理由として納得できないから。

しかし、人間の犯人が判ったところでどうするのだろう。彼には現実世界に介入して歴史を変えるなんて技は使えない。真実を受け入れて退場するしかない。彼にとってはハッピーエンドとは言いがたいだろう。

ここで、一つの仮定を置いてみる。
「戦人が気づいていないだけで、戦人以外の一族や使用人は全員腹黒く残虐で極悪非道な人物である」と。

すると六軒島で起きた事件は、戦人が彼なりに信頼している親戚たちや使用人同士での殺し合いということになる。彼にとってそれは、非常に認めがたい現実だろう。メタ戦人が人間犯行説を展開するほど、彼にとって苦痛となる。

魔女ベアトリーチェは、その現実を魔法で全て説明してくれる。罪を全てベアトリーチェに擦り付けることができる。悪役から一転して、戦人の救い主だ。

真相を知りたいが、知れば苦しむことになる。かといって魔法によって殺されたと認めたくもない……戦人の抱えるこのジレンマが、メタ世界における戦人対ベアトリーチェの戦いであり、ベアトリーチェが無限ループを実現させる力の源泉なのではないか。

魔女ベアトリーチェの正体が戦人の願望から生まれでたものだとするならば、ベアトリーチェがメタ戦人に見せている物語自体が、戦人の願望に反しないよう脚色されていても不思議ではない。つまり、劇中の地の文は公正な神の視点ではない。殺人のプロセスは魔法によるものとして描かれる。罵詈雑言の罵りあいは皮肉交じりの論争として描かれる。片思いが相思相愛として描かれているのかもしれない。アリバイとなる行動描写も全くの虚偽かもしれない。

この説に従えば、オープニングテーマの歌詞にある「愛がなければ視えない」というのは、「愛がなければ真相が視えない」のではなく、「愛がなければ虚飾や幻想が視えない」ということを意味していると考えられる。

ただ、物語全体が嘘だらけだと、謎解きを期待する読者側に対して作者側がやりたい放題になる。読者の反感を買わないように、主人公的存在である戦人が居る下位世界のシーンだけは脚色されてないと考えた方がいいかもしれない。この場合、下位世界の戦人が杭の刺さって倒れてる A さんを目撃をすれば A さんに杭が刺さって倒れている事実は確定的だが、A さんが倒れるまでの過程を目撃していなかったり、自ら医学的な死を確認していなかったりする場合は、A さんに対して使われた魔法で杭が刺さったとか、A さんは死んでいるとか描写されていても確定的でないということになる。

8.オープニング・ムービー

オープニングムービー に、Music Box で見ることが出来る別バージョンがある。
冒頭に出てくる文章は、「 No Dine. / No Knox. / No Fair. / In other words it is not mystery.(後略) 」。
すなわち、この作品はヴァン・ダインの二十則やノックスの十戒を守った古典的ミステリーではないしフェアプレイもしないよ、ミステリーじゃないよ、と宣言している。
『ひぐらしのなく頃に』で非難を浴びたことへの意趣返しであり、同様の非難が本作になされることへの予防線だろう。


9.密室の多さ

密室殺人が多すぎる。そんなタイトルの小説があったような気がするが本当に多い。「偶然密室状況が出来上がっただけでした」オチはよくあるネタだけど、本作のように毎回毎回密室殺人ばかり起こるということは、よほどの必然性、実行者の強い意志がないと読者を納得させられない。特に第3話の第一の密室なんて推理クイズ本に載ってる問題みたいに凝りすぎた密室だ。

六軒島の面々が密室教の信者なら話は早いんだが……。

現実的な説としては金蔵の命令、犯人の趣味くらいしかない。後出し上等な「なく頃に」シリーズで動機の推理は困難。

ネタ:infinity シリーズ

閉鎖空間、ループ、シュレーディンガーの猫と来れば「 infinity 」シリーズだ。そのネタを使って解決してみよう。

・ベアトリーチェはキュレイだから、年をとらないし頭が割れても平気。

・犯人はΨの使い手。Ψを使えば密室を作るのも、魔法陣を描くのも、魔女の手紙を作成るのも簡単。動機?ムシャクシャしてやった。相手は誰でもよかった。

・魔法を否定するにはブリックヴィンケルさんを呼んできて観測してもらえば確定。

楽勝楽勝。タイトルは『 October6 - the act of infinity - 』とかそのへんで。

投稿者 Dormeur : 05:57 PM | コメント (0) | トラックバック

août 19, 2008

『うみねこのなく頃に Episode2 Turn of the golden witch 』

サウンドノベル『うみねこのなく頃に』シリーズの第2話「 Episode2 Turn of the golden witch 」をプレイした。

「1986年10月4日から5日にかけて、絶海の孤島に建てられた洋館に集まった富豪一族が、碑文どおりに次々と殺され、不思議な状況で発見される」という大まかな流れは第1話と同じだ。但し、登場人物の行動や殺され方は第1話と大きく異なる。


第2話で特徴的なのは、まず1986年10月3日以前のエピソードがいくつか語られること。これで登場人物の一部が殺人事件当日に抱えていた心理が補完される。

次に、魔女ベアトリーチェが現実世界に堂々と登場すること。彼女が登場人物の目の前にやってきて魔法を披露している。殺人事件当日には、洋館の玄関から堂々と入ってきて突然の来客として遇される。その様子を一族の数人に目撃され、対応をめぐって一族の間に一悶着起こるという展開だ。

さらに、魔法で登場人物を殺害しようとするベアトリーチェに対して、洋館の使用人も魔法を発動させて対抗する。使用人の手から光の剣が生えてきたり、使用人の周りに光のバリアが張られたりと、中学生の妄想のようなファンタジーバトルが展開される。

これらの出来事を、魔女ベアトリーチェと、第1話で死亡した右代宮戦人が上位世界から俯瞰し議論する形で物語が構成されている。魔女は「事件を魔法によって起こした」と主張し、戦人は「事件は人間によって可能である」と反論する。この議論は「魔法を認めさせたい魔女と、魔法を否定する人間とのゲーム」と位置づけられている。

魔女は密室殺人を実行することで魔法の存在を主張しているが、「隠し扉が存在する」「鍵がかかった扉が扉ごと外れる」などと戦人に言い逃れされれば手詰まりである。戦人は人間が犯行を実行可能である可能性を指摘できさえすればよいのであって、根拠の提示は不要だからだ。そこで「魔女が赤文字で語ることは真実である」というルールが導入された。赤文字発言で事件現場の状況を限定することにより、反論可能性を狭めようというわけだ。なお、何を赤文字で語るかは魔女の裁量に委ねられており、魔女の不利になる内容を赤文字で語る義務はない。(もし義務があれば「犯行は魔法によるものではないと赤文字で言え」と要求されて即ゲームオーバーになってしまう。)

この第2話では、徹底したファンタジー描写と厳しく制限された犯行条件により、上位世界の戦人の反論しようとする意志を挫いていくことになる。

……といっても、戦人が「身内や使用人を疑いたくない」と自縄自縛してるだけで、そんな事情など関係ないプレイヤーにとっては「人間可能説」の余地はまだまだ残っている。
いくら魔法による殺人描写がなされたところで、死体発見者が死者の殺される瞬間を見ていないことに注意したい。使用人が魔法を使う場面においても、使用人本人と目撃者は殺されている。防犯カメラで魔法が録画されていて、生き残った人物がその映像を見た、というわけではない。そもそも「魔法犯行説」を立証するなら、「全部魔法で実行した」と魔女が赤文字で語れば一瞬で終わる。それは味気なさすぎるから禁じ手にするとしても、死体の発見状況は密室状態である以外は全然超自然的ではない。どうせなら「警察に死体が発見されたとき、死体は宙に浮いていて見えない壁で守られており、20年以上経過した現在でもそのままで腐りもしていない」くらいのことをやってほしいものである。

では、どうやって密室を「人間可能説」として説明するか。
私のとりあえずの説は、「登場人物たちが催眠をかけられてて、認識障害と記憶障害と行動障害を起こしている」。
これで全て強弁できる。
つまり、本人が知らず知らずのうちに自作自演しているというわけ。
つまらない説だけど、今のところ魔女の赤文字発言とは矛盾していない。

ともあれ、「ファンタジー描写はインチキ」との前提で延々とファンタジー描写を見るのは結構な苦痛を覚える作業である。何とかして欲しいのだけど、「思考放棄してもファンタジーものとして楽しめるようにする」というのが作者の方針らしく、また作者自身がファンタジーバトル好きであるように見受けられるので、とても望み薄なのだった。そもそも作者の意向と好みを最大限作品に反映させられるのが、アマチュア作品として販売する最大の利点なのだから。

投稿者 Dormeur : 07:50 PM | コメント (0) | トラックバック

août 17, 2008

ゲーム動画の世界

TAS ( Tool-Assisted Speedrun )とは、エミュレータ上でゲームソフトウェアを動作させることによりフレーム単位でのリプレイを頻繁かつ膨大に繰り返し、成功部分を繋げることで最速プレイを目指すもの。
実機で普通にプレイすることでは実現不可能な神業を見ることができる。


初代ドラゴンクエストを19分36秒でクリア。
「移動の時間を省くためにわざと死ぬ」というのがドラクエ TAS の基本。


ポーズ連打で扉を抜けることができるなんて知らなかった……。


メジャー・リーグ版ファミスタらしい。
定番のトリックプレイが使われてる。


TAS かどうかは判らないけど、『ジッピーレース』の4面以降にたどり着けなかった悔しさを晴らしてくれた。


以下はスーパープレイではなく MAD 動画。
腹筋崩壊します。


投稿者 Dormeur : 04:51 PM | コメント (0) | トラックバック

août 16, 2008

ハイパー・オリンピックの季節

2008年8月の現在、北京オリンピック開幕中。
相変わらず野球日本代表は韓国を苦手としてますな。

ところで、何故女子サッカー日本代表チームだけ「なでしこジャパン」なのか。
ソフトボールとかバレーボールとか他競技の女性アスリートは「なでしこ」と形容するだけの価値はないんかい、失礼とちゃうか!
……と思ってたら、サッカー協会が公募で決めた愛称なんだそうで。
国花と言われる桜は人名と被りやすいし、菊は天皇家と被るから使えない。
だからなでしこ、ということですかね。
代表監督は「他競技みたく自分の名字を付けて呼んでくれよ」と思ってるかもしれない。
そもそも愛称のお陰で、女子サッカー日本代表チームの監督が誰なのか私は知りません。
それはそうと、オリンピックにちなんで面白い動画をメモ。

あまりの超人オリンピックぶりに腹筋が痛い。

スキージャンプは、もはや鳥人。

チートではなく TAS( Tool-Assisted Speedrun ) で超人オリンピック。
定規で連射しても到達できない領域。

投稿者 Dormeur : 11:58 PM | コメント (2) | トラックバック

août 15, 2008

『 12RIVEN 』と『 CROSS†CHANNEL 』における「異世界」

主人公級のキャラクターが、人間の居ない世界に紛れ込んでしまう――『 12RIVEN -the Ψcliminal of integral- 』と『 CROSS†CHANNEL 』の設定は一見、似ている。

しかし両者は異なる。『 12RIVEN 』では、その世界が成立している理由が作中で明示されているのに対し、『 CROSS†CHANNEL 』では仮説やほのめかしで終わってしまっている。

『 CROSS†CHANNEL 』においては、異世界の成立理由は重要視されていない。作中のある人物が、思考放棄するように盛んに主人公を誘導している。主人公にとっては自らが異世界に居るという現実が重要なのであって、彼の望む結果さえ得られれば原因は何であろうと構わない。主人公以外の登場人物にとってもそれは同様である。異世界の成立理由がどうあれ、物語の結末に矛盾は生じない。

「トモダチの塔」と呼ばれる没シナリオ(注1)では、主人公が異世界に到達する前に異世界で起きた出来事が記されてはいるが、それとて異世界の成立理由が示されるわけではない。「トモダチの塔」は作品1周目の展開の正体、町外れの死体の正体、ループ現象を望む者の存在について示唆してくれる。しかしそもそも作品として世に出たシナリオには書かれていない後付の材料でシナリオを考察するのがフェアかどうか、という問題がある。

『 12RIVEN 』においては、異世界の成立理由が物語にとって重要である。それを主人公が知ることによって主人公は事態に対処できる。主人公が陰謀に巻き込まれ陰謀を打ち破るこの物語では、陰謀を企む登場人物は異世界の成立を前提に物語冒頭から一貫して行動している。

にも関わらず、異世界の成立理由の辻褄が合わないことが『 12RIVEN 』の問題である。作中の設定では異世界で個人同士が同時に存在してコミュニケーションを取れることを説明できない。私個人の考えでは、『 serial experiments lain 』で使われた「人類の集合的無意識のネットワーク」という概念を持ち出せば合理的な説明ができると思うが、作中でその概念は明示されていない(注2)。ほかにも、冒頭での拳銃奪取やトラック事件も別設定(特定人物のみ持つ超能力の存在とか)がないと矛盾なく説明ができない。後付の材料でシナリオを考察する問題を避けられないのだ。

なお、物語設定が現実の科学と照らし合わせて正しいかどうかは問題ではない。もちろん正しい方が読者への説得力が増すが、間違っていても作中で明示的かつ整合性があれば、「作中に限っては」有効だ。そうでなければ創作物語は成立しない。ゴジラもスーパーマンもハリー・ポッターも非科学的な存在だが、各作中に限っては「居る」。

『 12RIVEN 』における異世界も、『 CROSS†CHANNEL 』における異世界も、読者が「そういうものなのだ」と盲目的に受け入れるしかない点では共通している。しかし物語の根幹を物語内で合理化できていない分、『 12RIVEN 』の方が読者の反発を免れないだろう。


注1:「トモダチの塔」は公式ファンブックに収録されているが、「 cross channel script.pd 」で web を検索すると読むことが出来るようだ。また、ファンがスクリプトを組んでゲームに仕立て上げたプレイ動画がニコニコ動画に投稿されている。

注2:「集合的無意識」の語は作中で登場するが、それは「マインド・フュージョン」の能力について語る描写においてである。

投稿者 Dormeur : 11:00 PM | コメント (0) | トラックバック

août 13, 2008

『 12RIVEN -the Ψcliminal of integral- 』

12Riven -the ψcliminal of integral-(通常版)

12RIVEN -the Ψcliminal of integral- Windows版


恋愛をテーマにしたノベルゲームが多い中、巧みな伏線、意外な種明かしに力点を置いた異色シリーズ『 Never7 -the end of infinity- 』『 Ever17 -the out of infinity- 』『 Remember11 -the age of infinity- 』。それに続く新シリーズが製作中というニュースにファンの期待は高まっていた。

しかし製作元の KID が倒産。今度は" infinite "にお蔵入りかよ、と皮肉な運命に悲しくなったものだが、サイバーフロントが開発を継ぎ、ついに発売された。『 12RIVEN -the Ψcliminal of integral- 』である。シリーズファンの私が予約購入し、寝食を削って即クリアしたことは言うまでもない。今から思えば、よく意欲が湧いたなと思わなくも無いのだが、個人的事情はさておいて、作品の内容を。

『 12RIVEN 』は二人の視点で物語が進む。

一人は、高校生の少年、錬丸。彼は差出人不明のメールを受け取る。今日2012年5月20日の正午、インテグラルの屋上で少女が殺されるのだという。錬丸が廃ホテル「インテグラル」の屋上に駆けつけると、そこには離れ離れになっていた幼馴染の少女、ミュウが居た。再会を果たした2人だったが、瞬間移動など人間離れした能力を発揮する謎の少年、霧寺メイに襲われる。女性警官と謎の少女が現れた隙に錬丸とミュウは逃げ出すが、霧寺と同じような能力を持つ武装集団に囲まれてしまい、進退窮まった2人はホテルの建物から地上へ転落した。
水の溜まったプールに落ち、命拾いした2人は街へ向かう。しかし異変が起きていた。街に誰もいないのだ。彼らは人間の姿を探して街を彷徨う。「なぜ人々が姿を消したのか」という疑問がこちらの視点の中心である。

一方、警視庁の女性捜査官である三嶋鳴海は、後輩の捜査官、真琴から緊急事態を知らせるメールを受け取る。ミュウが正午にインテグラルの最上階で殺される、第弐エクリプス計画を阻止するためにミュウを守ってほしい、と。鳴海が「インテグラル」の屋上に駆けつけると、少女が少年に銃を突きつけられたところであった。鳴海は銃を奪われ、手錠で拘束されてしまう。そこへミュウとは異なる青い髪の少女が現れるが、鳴海は青い髪の少女が銃撃されるのを眺めることしかできなかった。
応援部隊に助けられ、青い髪の少女を病院に運び込んだ鳴海は、所持品から少女がチサトという名だと知る。チサトは意識不明の重体だ。緊急手術が行われるが、一人の少年が乱入し取り押さえられる。事情聴取を行うも、彼は記憶喪失だった。所持品からチサトの弟であるオメガと判明する。
「インテグラル」での出来事について、最も事情を把握していると思われる真琴は行方不明だった。同僚を信用できない鳴海は、オメガを引き連れ捜査に乗り出す。「第弐エクリプス計画とは何か」という疑問がこちらの視点の中心である。

その後、それぞれの視点で物語が結末を迎えたあと、真相が明らかになる物語に進めるようになる。

真相を知ったとき、プレイヤーは衝撃を味わうことだろう。私は見事にトリックに引っかかりましたよ、ええ。『 Ever17 』を越えるトリックをファンに期待される中、うまく仕掛けたと称えたい。
" integral "(完全)と名乗るだけあって、物語はすっきりまとまっている(まとめにかかっている、と言った方がいいかも)。『 Remember11 』と違って、作中の謎の真相を一事が万事、種明かししてくれるのはありがたい。よくもまあこんな珍妙なプロットを組み立てたものだと、そのぶっ飛んだ発想力に感嘆せざるを得ない。しかし物語のトリックが複雑化した分、真相が SF の独自理論で固められているので、説明されても万人に受け入れられがたい点が惜しい。抽象的過ぎて直感的に理解しづらいのだ。私が理論を理解しきれていないだけかもしれないが、矛盾が生じているのではないかと思われる部分も散見される。
とはいえ、抽象的な概念を捏ね繰り回す哲学好きには興味深い料理だろう。思考実験としての物語、と言った方がいいかもしれない。

プレイヤーには「ミステリもの」として謎を解いてやろうと息巻くよりは、展開にそのまま流されて行くことをオススメしたい。展開が中だるみしがちだった『 infinity 』シリーズよりもアクションシーンが豊富で、ハリウッド映画的なスピード感、躍動感がある(あくまで前シリーズと比べて、だが)。ただしそれと引き換えに、個々のキャラクター性が描写不足で深みに欠けるのは否めず、痛し痒しといったところだ。

本作で一番目につく問題は、そのシナリオを引き立てるべきグラフィックだ。
不安定な製作体制のため、原画の一部を外国のスタジオに外注したのだろう。グラフィックの少なくない部分で、キャラクターがデザイナーと別のタッチになっている。いわゆる「作画崩壊」という奴だ。よりによって読者の気分を盛り上げたり、緊張を強いたりするシーンで間が抜けた絵が表示されるものだから、興醒めどころか、MAD 作品を見るかのようで笑ってしまう。TV アニメーションの世界では人手不足が常態化しているので作画崩壊は珍しくないが、ゲームソフトで作画崩壊に遭遇するとは思わなかった。
散々発売延期をしておいてこの様とは非常に残念。しかし発売中止になるよりかはマシだ。ファンなら我慢すべきなのだろう。何も知らずに購入した人には関係の無い話だが……。

内容の良し悪しの評価はさておいても、製作会社の倒産を乗り越えて発売された作品という点では、コンピュータ・ゲームの歴史に名を残す存在だろう。

投稿者 Dormeur : 11:57 PM | コメント (0) | トラックバック

août 12, 2008

資料:ひぐらしのなく頃に

下記はノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』シリーズ主要8話のエッセンスです。
ネタバレ需要があるようなので記すこととしましたが、本作が持つ緊張感やトリックの妙味を全て損なってしまうので、本作未読の人は読まないことを強く推奨します。
PC 版を元にしており、PS2 版やマンガ版、小説版と設定が異なる場合があります。

なお、あらすじは「ひぐらしのなく頃にwiki」各項目より引用しました。
物語の著作権は「07th Expansion」代表の竜騎士07氏にあります。

鬼隠し編(出題編第1作)

ストーリーあらすじ

注:時代は昭和58年6月

岐阜県某所辺りをイメージしたと思われる田舎の雛見沢村。主人公・圭一は都会から雛見沢に引っ越してきた少年。彼はその村のほのぼのとした雰囲気や仲良くなった少女達(同級生のレナ、一つ上の魅音、下級生の沙都子、梨花)との交流により、のんびりとした雛見沢の生活を楽しむようになる。

ところが雛見沢村は国のダム計画により水没の危機に瀕した事があった。住民達は反対運動を繰り広げ、魅音の実家(ヤクザや地元の有力者とのつながりの深い旧家)がある方法で当時の担当大臣に相当の圧力をかけ計画を撤回させていた。その後、ダム工事現場で働いていた人間の中でバラバラ殺人も発生。後味の悪さを残してダム計画は完全に立ち消えていた。圭一はふとしたことからその事件のことを知るが、いつもは屈託の無い友人達もその事に関しては口を閉ざしてしまう。妙に思いながらも圭一は追求をやめるのだった。

数日後、村では年に一度の綿流し祭が行われる。祭りを楽しんでいた彼らは以前から仲が良いカメラマンの富竹に出会う。この祭りの後、都会に帰ると言う富竹に圭一達はシャツに寄せ書きをする。

そして祭りの翌日、圭一は富竹が喉を掻き毟って死んだ事を知る。長年、魅音の実家の負の部分を暴こうとしていた警官大石は驚く圭一に巧みに接近。圭一に魅音達への疑念を植えつける。事件を調べる圭一はバラバラ殺人が発生した年以降の綿流し祭の日に毎年誰かが殺され、誰かが行方不明(鬼隠し)になっている事を知る。犠牲者になったのは3年前が沙都子の両親、2年前が梨花の両親、1年前が沙都子の叔母と兄である。彼らは、ダム計画に関して賛成派もしくは中立を保っていた人達だった。

雛見沢村に隠れた血生臭い過去に恐れをなした圭一。しかし真の恐怖はここから始まった。大石との接触を知ったレナは圭一を厳しく詰問。明るくて人懐っこかったレナの豹変に驚愕する圭一。その後、レナは圭一をストーキングしたり、突然家に押しかけたりと妙な行動を繰り返す。更に魅音がくれたおはぎの中に針が入っていた事で、圭一は魅音とレナが自分を脅迫していると感じるようになる。やがて大石からレナの過去を知らされた圭一。レナは雛見沢に来る前にいた学校で、突如仲が良かった男子生徒を滅多打ちにして重傷を負わせたうえ、窓ガラスを何枚も割った事があったのだ。精神鑑定を受けていた時、レナは何故か「オヤシロ様」という雛見沢の守り神の名前を口にしていた。

圭一はますますレナ達への警戒感を強め、自衛のために登下校の際に金属バットを持ち歩くようになる。そして圭一の両親が出かけた運命の日。レナは「圭一君を助けてあげる」と言いながら斧(アニメなどは鉈)を手に圭一を追いかける。逃げた圭一はダムの廃棄場で謎の2人組に襲われ昏倒。気づいた時、彼は自宅に寝かされ、目の前には心配そうな顔で彼を見つめるレナと魅音の顔があった。 2人が自分に危害を加えなかった事に一安心する圭一。しかしその時、2人は圭一を押さえつけ注射器を取り出した。「何をするのかと叫ぶ圭一に魅音は「富竹さんと同じ目に遭ってもらう」と言い放つ。それを聞いて圭一の意識が飛ぶ。気づいた時、彼の目の前には血まみれで地に伏す2人と血痕の付いた金属バットを持つ己の姿があった。混乱した圭一は、己の知りえた全ての情報をノートに書き、レナ達が持っていた注射器と共に時計の裏に隠して逃亡する。

そしてその日の夜。大石に圭一からの電話が入る。切羽詰った口調で謎の言葉を残すと電話は切れてしまう。やがて警察の捜査でレナと魅音の撲殺体、そして喉を掻き毟って死んだ圭一の遺体が発見され、時計の裏から圭一のノートが見つかった。しかし何故か、圭一のノートは一部が欠けて、しかも一緒に隠したはずの注射器は跡形も無くなっていた。

真相

綿流し編(出題編第2作)

ストーリーあらすじ

注:時代は昭和58年6月

部活動の一環のゲーム大会で景品(女の子が欲しがるような可愛い人形)をもらった圭一だが、彼はそれを男っぽい魅音ではなく可愛いもの好きのレナにあげてしまう。その後、圭一はひょんな事から妙な格好(メイド服+バニースーツの様なコスチューム)でバイトをしている魅音を発見。しかし彼女はいつもの快活な態度とは裏腹に大人しい声音で魅音の双子の妹の詩音と名乗る。圭一は魅音が別人の振りをしているのだと考えて、それに合わせる振りをした。その後、何度か詩音に会う圭一。だがある時に圭一は魅音と詩音が一緒にいる現場に遭遇。魅音の双子の妹、詩音は実在したと知って驚愕する彼と、いつのまにか2人が知り合っていることに驚愕する魅音をからかう詩音。その後圭一は、詩音が実家のある雛見沢ではなく隣町の興宮に住んでいる事や園崎一族(魅音の家で近辺に強い影響力を持つ旧家)の中で微妙な立場にいる事を知る。

やがて綿流し祭りの日、梨花の演舞を見ようとしていた圭一に詩音と富竹と鷹野(富竹の恋人の看護婦で雛見沢の伝承に強い関心を持っている)が接近。彼らは言葉巧みに圭一を誘って村人が梨花の舞に集中している合間を狙って、一般人は絶対に入ってはならないとされる祭具殿に潜入した。退屈そうにしている圭一に鷹野はうれしそうに己が調べた雛見沢の伝承について語りだした。雛見沢はかつて鬼ヶ淵(鬼の住む村)と呼ばれ、村人は人を食う鬼の血を引いているというのだ。この地方に伝わる「鬼隠し」とは村人の中の鬼の血が騒いで我慢できなくなるのを沈めるために、人を攫って食う事を指しているのだった。そして綿を川に流す「綿流し」とは、鬼に攫われて食われた犠牲者の内臓(腸)を川に流す事を示唆している。よって綿流し祭りの日に誰かが死んで誰かが行方不明になるのは、鬼に食われたからだという恐怖が雛見沢の住人の心に巣食っていた。そして祭具殿の中で彼らが目にしたのは数々の拷問用具だった。人間を生きたまま解剖して貪り食らうというおぞましい風習が今でも密かに受け継がれているのではないか、という鷹野の言葉に圭一と詩音は青褪める。

やがて舞の時間が終わり祭具殿から出る一同。富竹と鷹野と別れて魅音達との待ち合わせ場所に行こうとする圭一に詩音は問うた。祭具殿の中でずっと聞こえていた物音が気にならなかったのか、と。しかし圭一はそんな音はしなかったと言い返す。釈然としないまま二人は別れ、圭一は仲間と合流する。

そして次の日の夜、詩音からかかってきた電話で圭一は、喉を掻き毟って死んだ富竹の死体と鷹野の焼死体が発見された事を告げられる。彼らが殺された理由は祭具殿に侵入したからとしか考えられない。 2人は身辺に気をつける事と、毎日電話で情報を交換する事を約束した。夜が明けて学校に向かった圭一を待っていたのは雛見沢の村長が失踪したというニュースだった。危機感を強める圭一だが、休みの時間に更なる衝撃が彼を待っていた。梨花が2人っきりになった時に綿流しの日の舞の時間に彼が何をしていたかを問いただしてきたのだ。重圧に耐え切れなくなって婉曲的に祭具殿に入ったことを認めた圭一に梨花は笑って「守ってあげる、だから死んだ二人のことは忘れなさい」と告げる。

罪悪感に苛まれながらも帰宅する圭一。だが詩音からの電話が再び圭一を恐怖のどん底に叩き落した。行方不明になっていた村長は実は詩音から祭具殿の件で相談を受けていたのだ(村長と詩音は昔から仲が良かった)。電話を切ると圭一は慌てて梨花の家に向かうが時既に遅く、梨花は同居していた沙都子ともども行方不明になっていた。

翌日学校が終わって家に帰る途中に圭一は大石と会い、彼から詩音が綿流し祭りの翌日に失踪したと告げられる。その日の夜にかかってきた電話でその事を詩音に尋ねると、詩音は謎の奇声を発して電話を切る。電話の主は詩音ではありえない。詩音の代わりが務まるのは魅音しかいない事に思い至った圭一は翌日レナとともに魅音の家に向かう。

2人の追及に魅音は犯行を告白。詩音がまだ生きていることを告げて詩音がいる地下の拷問部屋に圭一を案内する。そこで詩音の姿を見た瞬間、圭一は魅音のスタンガンで昏倒させられて拘束される。自身を鬼と称し、鬼の目覚めたきっかけは「人形を魅音に渡さなかったこと」と言い放つ魅音に対して圭一は悔恨の涙を流す。圭一を拷問にかけようとする魅音だが、圭一の必死の叫びに我に返ると彼女は詩音を連れて逃亡。直後踏み込んできた警官によって圭一は助け出される。その際に魅音は「今後わたしの姿を見ても、決して近づいては駄目。その時、私は魅音ではなくただの鬼に成り下がっているから」と圭一に告げた。魅音は行方不明となり、詩音は保護されて興宮のマンションに移った。

数日後の深夜、圭一は自分の家の前にたたずむ魅音の姿を発見。切羽詰った口調で別れを告げる魅音に彼はあの日渡せなかった人形を渡そうとする。しかし思いは届かず、態度を豹変させた魅音は圭一を刺し、意味深な台詞を残しつつ逃亡するのだった。

なんとか一命を取り留めたものの入院する事になった圭一は自分が刺された日の大体同じ時間帯に、詩音が死んだはずの魅音を相手に口喧嘩を繰り広げた後に自殺した事を知る。だが見舞いに来た大石は更に驚愕の事実を告げてきた。魅音は数日前に既に死んでいる事(詩音と魅音を区別する背中の刺青が彫られていた事から死体は魅音に間違いない)。焼死体となって発見された鷹野の死亡時間は綿流し祭りが始まる前になっている事。一連の事件で「死体が動きすぎている」(大石談)のだ。それを知った圭一は今回の事件の背景にあるであろう雛見沢に潜む闇が何も解決されてなどいない事を知る。その時、ベッドの下から現れたのは・・・

真相

祟殺し編(出題編第3作)

ストーリーあらすじ

注:時代は昭和58年6月

魅音やレナ達との弁当製作対決にぼろ負けした圭一(口先の魔術でビリは免れた)だが、その料理の腕の拙さをどうにかするために自炊に慣れている沙都子が圭一を指導する事になる(圭一の両親はお出かけ中)。それを機に2人は以前よりも仲良くなり、沙都子は圭一を「にーにー」と呼ぶ(以前は失踪した沙都子の兄、悟史がそう呼ばれていた)。けれどそんな穏やかな日々はすぐに終わりを告げた。かつて沙都子を虐待していた叔父が雛見沢に帰ってきて沙都子を梨花の所から引き取っていったのだ。(叔父は叔母が殺された事件で恐れをなして雛見沢から逃亡。しかし逃亡先でもある事件が起きたために再び雛見沢に帰ってきた)

学校を休みがちになり、叔父にこき使われて心身ともにぼろぼろになっていく沙都子。だが現実的な法律の壁により沙都子を叔父から引き離す事が出来ずに、周囲の手助けは沙都子の許へは届かない。(公的機関への連絡も空振りに終わる。沙都子自身は叔父の虐待は失踪した兄が帰ってくるまでの試練だと思い込んでいる為か事情聴取にも非協力的だった。)

しかしついに彼女が性的虐待を加えられたと思しき反応を見せた時に、圭一の理性は決壊。彼は1人、叔父の殺害を決意する。殺害計画を練った圭一は土砂降りの雨が降りしきる綿流し祭の夜に、金属バットで叔父を殺害して穴に埋めて証拠を隠蔽する。だがその帰り道、彼は偶然にも鷹野と会ってしまう。成り行きから彼女の車に乗って自宅にかえる事になる圭一。警戒しながら言葉を交わすうちに圭一は鷹野から自分と同じ殺人者の匂いを嗅ぎ取っていた。互いに会った事を秘密にしようと約束して別れる2人。圭一は立ち去る鷹野を見ながら、死んでしまえと呪った。

翌日、これで沙都子も楽になれると思って明るい気分になる圭一だが彼を待ち受けていたのはとてつもなく奇妙な現象だった。祭りに行かなかった圭一に仲間達は昨日は楽しかったねと声をかけてくるのだ(鬼隠し編の祭りの描写がレナや魅音の口から語られる)。まるで自分が本当に祭りに参加していたかのように話す皆の様子に戸惑いながらも、圭一は沙都子に声をかけた。けれど沙都子の目は相変わらず死んだ魚のように濁りきっていた。そして彼女の口から、今朝も叔父に虐められたと聞かされた圭一の混乱は頂点に達する。自分は狂っているのかと思って入江に相談する圭一はその弾みで、彼に叔父殺しを告白する。だが入江は圭一を理解する振りをしながら、看護婦に圭一は精神異常をきたしていると言った。それを盗み聞きした圭一は逃亡。その際に鷹野が死んだ事を知り、入江も死んでしまえと呪う。

だんだんと狂気に犯されていく圭一。殺したはずの人間が存在して、いないはずの自分が祭りで遊びまわっている奇妙な世界に悲鳴を上げながら、彼は昨夜の晩に死体を埋めた場所を掘り起こそうとする。穴を掘っている途中、圭一は待ち伏せをしていたかのように現れた大石によって窮地に立たされる。逃げるわけにもいかず、大石の前で穴を掘り続けた圭一だが、結局死体は出てこなかった。

もう一度叔父を殺さなければいけないと決意して叔父の家を訪れる圭一だが、叔父はおらずに叔父の虐待で脱水症状になりかけていた沙都子を発見する。治療のために診療所に沙都子を連れて行こうとする圭一だが、診療所には警官が何人もいるようだった。様子を伺う圭一はそこで入江が睡眠薬服用により死んだ事を知る(遺書はなく、自殺は他殺かは不明)。圭一はそれと共に大石が行方不明になっている事を知り、ここが狂った世界であり、死ねと望めば人が死ぬ世界だと確信する。

とりあえず梨花の家に向かう2人だが、神社の前で2人はまたしても信じられない事実に遭遇する。神社の賽銭箱のそばに、腹を引き裂かれて内臓をぶちまけられて死んだ梨花の姿があったのだ。逃げる沙都子を追う圭一。つり橋のところで対峙する2人だが、沙都子は「圭一はきっと何か悪いものに乗り移られてしまったんだ。お前なんか消えてしまえ」と言いながら錯乱して圭一をつり橋から突き飛ばして川に落とす。絶望しながら墜落して意識を失う圭一はその刹那、こんな狂った雛見沢など滅びてしまえと念じた。

けれど圭一は死ななかった。川辺で目覚め、傷を負いながらもとりあえず戻ろうとするする圭一だが、村中に腐臭が漂っている事に気が付く。学校に到着すると圭一を出迎えたのは自衛隊の人間達だった。隊員らが持っていたラジオのニュースより、圭一は信じ難い事実を目の当たりにする。彼が気絶している間に火山性と思われる猛毒のガスが発生して雛見沢の住人の殆どの命を奪っていたのだ。何百という死体の山を見ながら圭一の意識は途切れてしまう。(死者1200名。行方不明を除けばキャラクターの中で生き残ったのは圭一と興宮に住んでいた詩音のみ。詩音は数ヶ月後に自殺する)

エピローグ。記者と精神異常をきたしていた圭一との会話。記者によると圭一が気絶していた場所は毒ガス発生地と予測されている鬼ヶ淵との位置関係により、毒ガスが必ず通る事。圭一が生きていることはありえないとの事。圭一は取材の翌々日に原因不明の高熱で死亡する。

真相

暇潰し編(出題編第4作または番外編)

ストーリーあらすじ

舞台はまだダム工事の中止が決定していなかった昭和53年の初夏、主人公は赤坂衛という新米の公安部の刑事になる。建設大臣の犬飼の孫(小学生)が誘拐され、その捜査の為に新米刑事の赤坂は雛見沢へと派遣された(雛見沢はそれほど怪しいとは思われていなかった為に新米の赤坂1人だけが派遣された)。現地に赴いた赤坂はダム反対運動を行っている鬼ヶ淵死守同盟(園崎家が主体)が脅迫や機器の破壊等のヤクザ紛いの過激な手段に出ている事を知る(しかも住人ぐるみで隠蔽やアリバイ工作をするために現行犯以外の逮捕は不可能な状態)。

大石と出会って彼の協力を得た赤坂。彼は観光客に扮して雛見沢へと足を踏み入れ、そこで梨花と知り合う。無邪気で愛くるしく振舞う梨花を微笑ましく見守る赤坂だが村内を観察していた彼に梨花は、「ダム計画は今年で必ず頓挫する」と予言めいた言葉を呟き、突如雰囲気と口調を一変させると「東京に帰れ、さもないとお前はひどく後悔する事になる」と告げた。だが元に戻った梨花にその言葉の真意を問いただしても彼女は首を傾げるばかりで何も覚えていない様子だった。

その後、大石の紹介で情報屋と接触した赤坂は、彼から園崎家が公安以外の警察組織にすら極秘にしていた大臣の孫の誘拐を知っている事を聞かされて驚愕する。また彼らは公安から新米が1人、雛見沢へ派遣された事すら知っていたのだ。

翌日、彼は大石から大臣の孫が持っていた財布が雛見沢で発見された事を告げられ、死守同盟が誘拐に関与している事を確信する。あまりに出来すぎな状況に園崎家に誘導されているのではないかと思いながらも、赤坂は大石と共に財布が発見されたという奥地へと向かった。そこで赤坂と大石は誘拐犯と孫を発見。立ち回りの末に赤坂は撃たれ犯人を逃してしまうものの孫の救出に成功する。

病院で意識を回復し、大石との友情を深める赤坂。事件解決により妊娠して病院に入院している妻に電話をかけようと外に出て公衆電話を探す赤坂はその途中に梨花と出会う。梨花は「電話を探してももうどうにもならない」と謎の言葉を告げる。結局電話をかけられずに病院に戻る赤坂に梨花は、これから毎年血なまぐさい事が起きる、と言ってまたしても予言を始める。

彼女が言うには、来年の今日にダム工事の現場監督が殺されてバラバラにされる事、 2年後の6月に沙都子の両親が突き落とされて死ぬ事(或いはこれは不幸な事故かもしれないとの事)、 3年後の6月に梨花の両親が殺される事、 4年後の6月に沙都子の叔母が頭を割られて死ぬ事、そして5年後の綿流し祭りの日かその数日後に梨花自身が殺されるとの事。(それまでの死を受け持っていた連中は最後の死を否定しているとの事、にも関わらず彼女は自分の死を予感していた。)赤坂にそこまで告げると梨花は寂しそうに「死にたくない」と言った。

だが東京に帰った赤坂は知らぬ間に不幸が訪れていた事を知る。梨花が「東京に帰れ」と忠告した日の翌日(事件解決の日の夕方)、赤坂の妻が事故で死亡していたのだ(赤坂の捜査によると他殺の可能性はないとの事)。

その7年後(昭和60年)、赤坂は定年退職した大石と北海道で再会。綿流し関連の事件について彼と情報交換をした。雛見沢は祟殺し編と同様の事件とガスが発生して壊滅していた。その中で赤坂は途方もない事実を目の当たりにする。あの時、梨花から伝えられた予言がすべて的中した事。梨花がガス発生直前に惨たらしく殺された事。梨花が彼にあの予言を伝えたのは、自分を助けて欲しいと願っていたからだという事。赤坂と大石は事件の再検証と真相究明を誓った。後年、赤坂と大石は彼らが事件について調べた事をまとめて本にして出版した。その本の題名は

『ひぐらしのなく頃に』

真相

作者から読者に課せられたテーマ

昭和58年6月の雛見沢村に惨劇をもたらす、シナリオ上の3つのルールを明らかにすること。犯人を当てる必要はない。但し、作者は読者に課せられたテーマを出題編の段階では明らかにしていない。

雛見沢村連続怪死失踪事件の真相

1年目(昭和54年)
工事現場監督が「雛見沢症候群」を発症し末期状態となって作業員たちに襲い掛かったため、作業員たちは返り討ちにして殺害した。右腕を持って逃走した作業員は、「雛見沢症候群」の末期状態を呈しているところを鷹野の部下の特殊部隊によって発見され、入江診療所に保護された。「雛見沢症候群」の病原体は患者が死亡すると速やかに消失してしまうためこれまで発見されなかったが、鷹野に説得された入江が作業員を生体解剖し病原体の発見に成功した。解剖後の遺体は秘密裏に処分されたと思われる。
2年目(昭和55年)
「雛見沢症候群」を発症し錯乱した沙都子が崖に居た両親を突き飛ばした。その結果、両親は崖から転落した。「雛見沢症候群」の末期状態であったため生体解剖される予定だったが、入江は梨花に説得され沙都子の解剖を拒否。開発中の治療薬の試験投与により症状を押さえ込むことに成功し沙都子は正気を取り戻した(しかし治癒はしていない)。沙都子は自分が両親を死に至らしめたことも、病気に罹患していることも自覚していない。入江の依頼により特殊部隊が警察に圧力をかけ、警察は事故として処理する。
3年目(昭和56年)
「雛見沢症候群」研究に不審を抱いた梨花の両親が研究の中止を求めたため、鷹野は特殊部隊を使って梨花の父を謀殺。梨花の母については自殺を偽装して生体解剖した。
4年目(昭和57年)
「雛見沢症候群」を発症した悟史が叔母を撲殺。末期状態に陥った悟史は入江診療所に秘密裏に収容され治療を受けている。
5年目(昭和58年)
鷹野が富竹を謀殺。更に特殊部隊に自らの身代わりの死体を用意させ、隣県で焼いた。入江の暴走に見せかけるための工作。
まとめ
連続殺人失踪事件となったのは偶然と鷹野の猟奇趣味によるものである。神の祟りでもなければ信仰復活のための生贄でもない。園崎家は事件に関与していないが、村での権勢を維持するために、あたかも事件に関与しているかのような態度をとっていた。


ひぐらしのなく頃に解 あらすじ

目明し編(解答編第1作)

「綿流し編」とほぼ同様の展開を辿った場合の物語を、昭和57年から詩音の視点で描いたもの。

詩音は双子の姉「魅音」として生まれ名家の跡継ぎとなる予定だったが、妹「詩音」と入れ替わったまま戻れなくなり妹として本家から引き離され、冷遇されて育った。
そんな彼女の生活の救いとなったのが北条悟史との出会いだったが、悟史は劣悪な家庭環境により憔悴していった末、失踪してしまう。
昭和58年6月。圭一から女の子扱いされず景品の人形を貰えなかった魅音は傷つき、詩音に心情を吐露した。そのことにより、封印していた詩音の恋心が蘇ってしまう。
また、村の伝承を研究したノートを鷹野から受け取り読むうち、雛見沢村を牛耳る園崎家が悟史の失踪に関与したのではないかと疑念を深めていく。
園崎家への疑念と悟史への恋心が膨らむあまり真相を求めて詩音は暴走。魅音に成り代わり次々と人々を殺していった挙句、自滅する。

罪滅し編(解答編第2作)

主にレナの視点で描かれた物語。「鬼隠し編」と対になっている。

昭和58年6月の雛見沢村。
レナは父親と二人暮しであるが、父親と交際しているホステスの間宮リナが北条鉄平と組んだ美人局であることを偶然知ってしまう。
レナがゴミ捨て場で過ごしているとき、リナが現れる。詐欺を明かされ開き直ったリナはレナを殺そうとする。レナはリナを返り討ちにして殺害する。
父親を脅迫しに現れた鉄平もゴミ捨て場に誘い込んで殺害する。
遺体を処分しているところを圭一ら同級生たちに見つかってしまうが、レナの告白を聞き事情を理解した同級生の協力を得て遺体と殺人行為を隠蔽した。
平穏な日常が訪れるはずであったが、レナは鷹野から受け取ったオカルト研究ノートに傾倒するようになる。そこには「村に伝わるオヤシロ様信仰は、土着の寄生虫病と共存するための手段」という説が記されていた。富竹と鷹野の死亡を知り「寄生虫を凶悪化して散布し、信仰を復活させようとする狂信者が村にいる」「事実に接近した者を狂信者が消そうとしている」という妄想が進行して行く。
圭一もレナの妄想に感化されるが、魅音に否定され誤解が解ける。
圭一はレナを妄想から解き放とうと試みるが、圭一が雛見沢村に移住するきっかけとなった真の理由(受験勉強のストレスから、モデルガンで年下の少女たちを射撃し大怪我を負わせた)をレナが指摘し、衝撃を受ける。
圭一は魅音ら同級生を集め、過去の罪を告白し懺悔する。魅音らは動揺することなく圭一を受け入れる。そこで「鬼隠し編」の記憶が圭一の脳裏にフラッシュバックし、圭一は自らの犯した過ちを知り泣き崩れた。圭一は「鬼隠し編」でレナが圭一に対して行ったように、自らも命を賭けてレナを救おうと決意する。
レナは、生物兵器テロの陰謀を世に訴えるため行動に出た。学校に爆破装置を仕掛け同級生を人質にして立てこもり、入江診療所の強制調査を要求したのだ。しかし警察と内通していた圭一の尽力で同級生らは避難に成功し、圭一とレナは学校の屋上で一対一の戦闘を繰り広げる。
死闘を経てレナは自分の過ちに気づき、惨劇は回避された。

(二十数年後。国家による封鎖が解除された雛見沢村を、赤坂刑事が訪れる。
篭城事件翌日に梨花が殺され、更にその翌日、雛見沢村は「ガス災害」によって全滅していたのだった。)

皆殺し編(解答編第3作)

主に梨花の視点で描かれた物語。「祟殺し編」と対になっており、シリーズの主要な謎が明らかになる。

昭和58年6月の雛見沢村。
「綿流し編」「目明し編」同様にゲーム大会で圭一は人形を手に入れるが、魅音にプレゼントし惨劇を回避する。
また、「罪滅し編」同様にレナの父親は間宮リナの結婚詐欺に遭いかけていたが、レナが事情を魅音に打ち明け、父親と話し合うようアドバイスを受けたおかげで惨劇を回避していたことも明らかとなる。
更には詩音は沙都子と良好な関係を築き、こちらも「綿流し編」「目明し編」の惨劇を回避していた。
だが「祟殺し編」同様に愛人の間宮リナを失った北条鉄平が雛見沢村に戻ってきて、沙都子を引き取ってしまった。しかし圭一が驚異的なリーダーシップを発揮し同級生さらには町会を煽動。園崎家に乗り込み、当主の協力をも取り付ける。

タイムスリップの繰り返しにより自分がいつも何者かに殺されることを知っている梨花は、いつしか運命に逆らうことを諦めていた。しかし次々と惨劇を回避していく奇跡的展開と運命を打ち破ろうと懸命な圭一の姿に感銘を受け、自らも運命に逆らう努力を貫こうと決意した。梨花だけが会話できる雛見沢の守り神「羽入」は、「徒労に終わって落胆する梨花の姿を見たくない」と忠告を繰り返した。

村ぐるみで行政に陳情という名の圧力を加え、「耐えることが兄に誇る勇気ではない」と梨花が沙都子を説得した結果、圭一たちは平和的に沙都子を救出することに成功する。一同は楽しい祭を満喫する。

梨花は富竹と鷹野に祭の夜に殺されることを警告するが、結局二人はそれぞれ死亡が確認されてしまう。鷹野が特殊部隊を指揮して富竹を謀殺し自分の身代わり死体を用意させるなど、既に計画を実行に移していたのだ。
特殊部隊のリーダー小此木から「黒幕は入江」と通報された梨花は不審に思い、警察に自分の警護を依頼して防備を固める。次に土着の感染症「雛見沢症候群」の存在、「女王感染者」である自分が死ねば48時間以内に村人全員が発症して暴徒と化すこと、入江診療所の正体、秘密結社「東京」の存在を圭一たち同級生に打ち明けた。圭一たちは容易く「黒幕は鷹野」と看破した。
一同が解散したのち、特殊部隊の隊員が梨花宅を急襲し、梨花の警護に当たっていた警官を殺害する。
梨花は沙都子とともに逃げ出し、待ち伏せていた圭一たち同級生と合流するが、一行は鷹野に追い詰められてしまう。
鷹野は梨花以外全員を射殺。梨花は生きながら腹部を切開され死亡した。

梨花の前に圭一たち同級生の亡霊が現れる。運命の打破を羽入だけが信じていなかったことが敗北の原因だとレナは指摘。一同は羽入を説得し仲間として受け入れる。

政府は「緊急マニュアル34号」(滅菌作戦)の実行を許可し、ガス災害を装って村人たちを皆殺しにした。
「雛見沢症候群」の実在を歴史に刻み、雛見沢村に祟りを下す神となった自分の偉業に鷹野は酔いしれるのだった。

祭囃し編(解答編第4作)

ハッピー・エンドを描くための物語。オールスター戦。奇跡の世界。完結編。

鉄道事故によって両親を失った少女、田無美代子が引き取られた養護施設は、児童虐待が横行する地獄であった。
美代子は施設を脱走し、父親の恩師である高野一二三に保護される。
高野は独自に進めていた「雛見沢症候群」の研究を政府関係者に示すが、戯言として嘲笑されてしまう。(実は「雛見沢症候群」は戦時中に軍上層部の関心を得ていたが、雛見沢村出身兵が盧溝橋事件を引き起こした「1発目の発砲」に関与した疑いがあるため隠蔽された。)
美代子は養父の無念を晴らすため勉学に励んで医師となり、有力政治家の後ろ盾を得て、政財界の要人らで構成された秘密結社「東京」とのコネクション作りに成功する。
彼女は鷹野三四と名乗り雛見沢村で「雛見沢症候群」を秘密に研究する施設の設立に漕ぎ着けた。
神社に立ち寄った鷹野は、そこで雛見沢村の神、羽入と対峙する。
羽入は鷹野に宣戦布告する。

ここで物語全体を俯瞰できる謎の超越的人物により、入江医師や大石刑事の過去、昭和58年まで雛見沢村の裏で進行していた断片的な出来事が明らかにされていく。

そして迎えた昭和58年の6月、梨花の人格が「皆殺し編」から移動してくる。
これまで傍観者に甘んじていた羽入は実体化して圭一たちのクラスメイトとして現れる。
羽入は圭一たちの部活に参加し、素早く仲間として溶け込んだ。
(梨花は独白する。羽入から教わったところによれば、羽入は太古の雛見沢村にやってきて鬼と呼ばれた流浪の民であり、人間と羽入の間に生まれた子の子孫が自分なのだ、と。羽入は人間と共存する代わりに、人間同士がなすり付け合ってきた罪を全て背負うことになった存在である、と。)
しかし梨花は「皆殺し編」の顛末の記憶に失敗していた。羽入に鷹野が真犯人だと告げられたものの、動機が判らない。
梨花は入江医師に相談するが犯行の可能性を否定される。
次に自分が執筆するマンガのストーリーという名目で圭一ら同級生に相談を持ちかけたところ、有力な推理が得られた。
梨花は入江と富竹を呼び出し推理をぶつけてみると、核心を突いていたことが判明する。
そこへ梨花らの密談を立ち聞きしていた大石刑事が現れる。東京での内偵調査から着想を得て雛見沢村を訪れていた赤坂刑事も姿を見せる。大石と赤坂は、雛見沢村で展開されている国家的陰謀を知ることとなった。
一団は今後の行動について計画を立てる。
富竹は鷹野と特殊部隊の調査に乗り出す。梨花は沙都子を連れて魅音宅へ潜伏。赤坂は梨花の代わりに梨花宅に潜伏。大石は雛見沢村連続怪死失踪事件に園崎家が無関係であったことに衝撃を受け、真相の壮大さのあまり決断を保留する。
入江は鷹野に疑念を持つことになる。翌日、鷹野との世間話の中で鷹野の出自と彼女が現況に抱いている心情を入江は知り、疑念が確信に変わる。
一方、梨花に真相を知らされた圭一たちは、鷹野の企みの弱点に気づいた。「女王感染者」である梨花が死んで48時間経過したことが明らかになれば、鷹野は計画を実行できないのだ。彼らは梨花の死を偽装する作戦「48時間作戦」を立て、大石に協力を依頼する。逡巡する大石だったが、同僚の協力表明や園崎家との和解を経て作戦への参加を承諾する。
「48時間作戦」が発動し、雛見沢村対鷹野・特殊部隊の戦いが始まる。
混乱する鷹野だったが、特殊部隊の隊長である小此木は罠を見破った。
特殊部隊は富竹を襲い診療所に連行する。
身の危険を感じた入江は診療所を脱出した。
入江を追跡し、逃亡先の園崎家を襲撃して梨花を手に入れた小此木だったが、梨花宅を脱出して駆けつけた赤坂に襲撃され、梨花を解放して退却する。
入江は詩音に悟史の生存と居場所を教えた。
圭一たちは陽動作戦を立案し、山でのゲリラ戦に向かう。
特殊部隊が山に出動した隙に入江・詩音ら一行は診療所を襲撃して富竹を救出、詩音は病室のガラス越しに悟史と再会した。
通信が断絶しており制圧部隊を呼ぶことが出来ないため、富竹と赤坂は雛見沢村を武装封鎖している特殊部隊を強行突破。救援要請の連絡に成功する。
山では沙都子が仕掛けていた無数のトラップと圭一らの心理戦にひっかかり、次々と隊員が戦闘不能に陥っていった。。
敗北を悟った小此木は、大将同士の一騎打ちを望む。魅音は応じ、小此木を倒す。
小此木は、鷹野に拳銃を使った自決を勧告する。鷹野は「東京」の派閥争いの駒として利用されていたに過ぎず、鷹野の計画が失敗した場合の筋書きが密かに用意されていたのだ。
制圧部隊が到着し、小此木ら隊員は投降した。
自決に踏み切れない鷹野は、羽入と対面する。一矢報いろうと羽入に鷹野は発砲した。弾は羽入を守るバリアーをも砕いたが、梨花が弾を掴んだため誰にも当たらなかった。
「皆殺し編」までの世界はカードが一枚欠けている「ジジ抜き」の世界であった。欠けていた羽入というカードが加わったこの完全な世界では、敗者は生まれないのだ。罪が一人に押し付けられることはないのだ。
鷹野は逮捕されかけるが、駆けつけた富竹の機転により「雛見沢症候群」の患者として保護される。

鷹野の計画は失敗に終わり、誰も死ななかった。
梨花は初めて昭和58年の7月を迎えるのだった。

作品のテーマ

惨劇を回避する方法

登場人物たちの罪

登場人物の真の位置づけ

祭りのあとの登場人物たち(勝手に妄想)

祭りのあとの登場人物たち転落編(勝手に妄想)

投稿者 Dormeur : 06:36 PM | コメント (0) | トラックバック