février 2007アーカイブ

16 février 2007

恐るべし栗山千明

遅れて取った本日のお昼休み。
TV をつけてみると、NHK の「スタジオパークからこんにちは」にゲストとして栗山千明が出演しておりました。
『キル・ビル』出演時のエピソードや、自身が出演していて明日から放送される NHK のドラマ『ハゲタカ』について語るなど、普通のインタビュー。

しかし、回転する板にダーツの矢を射て、当たったところに書かれたお題について話すコーナーに入ると様相は一変する。
今思うと、出演している映画の役が『キル・ビル』の暴力女子高生とか『妖怪大戦争』の妖怪とか変な役ばっかりなことについて、「コスプレみたいなのが好きなので楽しい」と答えていたところが怪しかった。
当たったお題は「今、何に恋してる?」というもの。
栗山千明いわく、「マンガみたいな、実際にはいないような人がタイプ。私くらい細くて、影があって、白い人」。
アナウンサーに追及されると、「『新世紀エヴェンゲリオン』の渚カオル君が好きなんです」と突如告白。
さらに「休みの日の過ごし方」のお題では、「家でアニメを観たりゲームをしたりしている」と言う。
部屋を暗くしてじっと『エヴェンゲリオン』を観ているのだそうだ。
ゲストの宝物を見せるコーナーに入ると、綾波レイのフィギュアと化粧箱に入ったアニメのキャラクターと思しきフィギュアが登場。
アナウンサーが化粧箱を開けようとすると「開けちゃだめです!」と必死に制止する。
開けると商品価値が落ちることを知らないアナウンサーは困惑するばかり。
しかもこのフィギュア、後から出た話によると、UFO キャッチャーで三千円ほど突っ込んでゲットしたものらしい。
視聴者からの質問コーナーに入ってからだったかと思うけど、「一週間休みがあったら何をするか」という質問に対し、「徹夜でゲームをします」と断言。
続けて「それか、長いアニメを観ますね」「私、アニメはDVD-BOXで買ってるんです」と言う。
「外に出ましょうよ」とツッコミを入れるアナウンサーに対し、「マンガを買いに行くときには外に出ます」。
そこで「少女マンガですか?」と訊かれ「少女マンガ『以外』です」と答える栗山千明。
アナウンサーはひきつつ「つかみどころのない栗山さんの魅力がますます……」などとフォローするしかなかった。

きっと昼のこの時間に NHK を観ているような人はほとんど栗山千明のことが理解できなかったと思う。
私はあまり好みではなかった彼女のことが、すごく身近に感じてなりませんでしたが。
しかし明日から硬派な経済ドラマが始まるから宣伝のために栗山千明を出演させたというのに、NHK やタレント事務所は彼女にこんなインタビューを受けさせてよかったのか。
オタク趣味を売りにしたところで、人気に繋がるような番組じゃないのに。
何にせよ『年の初めはさだまさし』といい、『エル・ポポラッチ』といい、今の NHK は何かが違う。
これが本気を出した NHK の実力なのか。

そういえばタランティーノ監督が栗山千明を『キル・ビル』に抜擢したのも、その人形みたいな怪しげな容貌を気に入っただけではなくて、同じタイプの血が流れている人間だと直感していたからかもしれませんな。

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北朝鮮の映画は観たことがあるのに韓国の映画は観たことがない、という私が初めて観た韓国映画が『トンマッコルへようこそ』。
朝鮮戦争中の朝鮮を舞台にしたファンタジー映画です。
以下ネタバレあり。

ある日、朝鮮半島の山中に連合軍(韓国・アメリカ)のアメリカ人将校が操縦する一機の飛行機が墜落する。
また別の山中で、連合軍の韓国人脱走兵が自殺を図っている別部隊の脱走兵に出会う。
歩き出した脱走兵の二人は薬草採集に来た民間人と出会い、彼の住む村「トンマッコル」を目指して山を越えていく。
たどり着いたトンマッコルは奥深い山の中にあるため文明の発展から取り残され、近代以前の暮らしが営まれている桃源郷だった。
村人は鉄砲すら見たことがなく、兵士を見ても怯えずに悠々としている。
当然のように朝鮮戦争のことなど知らない。
そのトンマッコルで、墜落した飛行機のアメリカ人将校が骨折の手当てを受けていた。
救援が来たと思い喜ぶ将校だが、来たのは脱走兵でしかも英語が通じないため落胆してしまう。

一方、人民軍(北朝鮮)の一部隊がピョンヤンへ撤退を図り行軍していた。
部隊を率いる人民軍将校が部下の命を守るため、敢えて命令に背いたのだ。
しかし敵襲を受け部隊は壊滅状態になり、わずかに残った部下を連れて彼は行軍を続ける。
断崖絶壁を伝い転落者を出しつつも、森の中を二人の部下を連れて彼は進む。
山中で休んでいると、知的障害を持つ若い女が現れる。
彼女もトンマッコルの村人だった。
彼女の案内で、彼らはトンマッコルへたどり着く。
人民軍兵士と連合軍兵士が鉢合わせ、驚愕した彼らはよそに銃を構えて対峙することになる。
至近距離で発砲も出来ず固まっている兵士たちを訝りつつ、村人たちは暢気に日常生活を続行する。
しかし弾みで転がっていった手榴弾が村の食料庫を吹き飛ばしてしまったため、罰として彼らは休戦して農作業を手伝うことになる。
互いに罵りあっていた彼らだったが、畑を襲った巨大イノシシを協力し合って退治したのをきっかけに打ち解けあう。

村を離れてお互いの国に戻ったところで、脱走兵にも命令違反者にも居場所はない。
村人は温かく彼らに接してくれる。
村人との恋も芽生える。
このままトンマッコルで暮らそうか、と彼らは考える。
しかし彼らは知らなかった。
連合軍は行方不明になったアメリカ人将校が山中で人民軍のゲリラに捕縛されていると勘違いしていたのだ。
トンマッコルのある地域に救援部隊を派遣し、アメリカ人将校救出後に空爆を行う作戦が実行される。
果たしてトンマッコルとトンマッコルに集った南北の兵士たちの運命はどうなるのか……。

作品の前半は、必死に戦争を続けようとする兵士と恐れを知らない村人とのギャップが際立ち、映画はコミカルに描かれる。
中盤になると両軍兵士が心を通わせあい、人情もの、ヒューマンドラマになる。
しかし後半に入り連合軍の救出部隊が現れると映画は一転、リアルな戦争映画になり凄惨な描写が目立つ。
救出部隊を撃退し、何とかしてトンマッコルへの空爆を逸らせようと両軍兵士は奮闘するのだが、画面は銃撃と爆発が乱れ飛び、悲劇的な結末が彼らを迎えることになる。

笑いあり、涙あり、恋あり、歌あり、子供あり、ドンパチあり、とエンターテイメント要素を全部ぶち込んでいるのになぜ結末が「めでたしめでたし」とならないのか、と考えると、やはり韓国人が持つ南北分断、朝鮮戦争への感情が深い影を落としているのだろう。
同じ民族が南北に分かれ殺し合い、戦争以外のドサクサを含めて何百万人も死んだと言われる歴史がある。
完全に架空の存在であるトンマッコルの村人はさておいて、現実の国を背負った兵士たち彼らだけを幸福な生活に住まわせて終われないという屈折があるのではないか。
また、たった一人のアメリカ人を救うために、南北の垣根のない理想郷が米軍側の判断で破滅の危機に陥るし、トンマッコルの両軍兵士たちはアメリカ人将校を逃がして朝鮮人だけで連合軍の襲撃に立ち向かう。
その危機的状況において彼らは初めて統一朝鮮の出現を確認し合い、真の和解が描かれるのだが、束の間の統一は米軍の飛行機が落とす爆弾で哀れにも消えてしまう。
ここには根深い反米感情が見えてならない。
そういった感情を破って一歩踏み込み、理性的解決を示せないものかなとも思うけど、まだまだ韓国人には限界があるのかもしれない。

雪山の中を花火のように落ちてくる爆弾の中、笑顔で立ち尽くす南北兵士の様子はいかにも感動させにかかっているという感があるけれど、ファンタジックで美しく、つい心を許してしまう。
さらにラストシーンでは時間が遡り、夢想的な幸福な情景の中で作中の伏線が解き明かされて駄目押しの一撃が加わる。
お見事。

難を挙げるとすれば、政治的メッセージの強さに好き嫌いが分かれること、政治性に捕われて限界を破れていないこと、空を飛ぶ飛行機がすぐにCGと判ってしまうほど安っぽいこと、イノシシに襲われるシーンがスローモーションで描かれていて、『スウィングガールズ』の一シーンのパクリと言わざるをえないこと、といったところ。
そうは言っても総じて満足度は高く、観てよかったと思わされる一作だったと思います。

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4 février 2007

冬の稲妻

あなたは稲妻の(絶唱カラオケマンの教えに従い以下略)。

幼児の頃はさておいて、物心ついてからでは初めてではないか、というくらい激しい胃腸の不調に見舞われた。

胃のもたれ。
腹部膨満感。
二日に渡る下痢。
発汗。
呼吸困難。

一番ひどい時は胎児のような格好で唸り声をあげて布団上をゴロゴロしていた。
抗癌剤治療に苦しむ患者とは斯様なものであろうかという想像が頭をよぎる。
ふと気づくと1時間意識が途絶えていた。
不調発生から4日目でやっと正常に回復。
普通に美味しくご飯が食べられるということが何とも有難いことに思われる。

消化器を病むと著しく QOL が悪い。
将来老化に伴っていろんな病気にかかるにしても、慢性的な消化器疾患は持ちたくないものです。

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文学部出身ですが文学は苦手です。

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