« décembre 2006 | メイン | février 2007 »

janvier 21, 2007

『ただ、君を愛してる』を観た

『ただ、君を愛してる』は市川拓司が執筆した小説『恋愛寫眞 もうひとつの物語』を映画化したものらしい。
そしてその小説は数年前に公開された映画『恋愛寫眞』のコラボレーション企画として書かれたものなのだそうだ。
『恋愛寫眞』も『恋愛寫眞 もうひとつの物語』も知らないが、市川拓司といえば映画『いま、会いに行きます』の原作者ってことで知っている。
ということで『いま、会いに行きます』、それから恋愛映画ということで『虹の女神』と対比しつつ観ることになったのでありました。
以下ネタばれあり。

主人公の青年、マコトは腹部にかゆみを生じる病気持ちで、かゆみ止めの膏薬の匂いで他人に臭いと思われているのではないか、と強迫的な思い込みがある。
そのせいで大学入学式の日も式には出席せず、一人で大学前の道を歩いていたが、そこで同じく入学式に出席しなかった少女、シズルと出会う。
シズルは大学生の割に子供っぽい容姿で、良く言えば奔放、悪く言えば痛い少女だったが、人付き合いを避けているマコトでも何故か無理なく接することができた。
マコトの趣味は写真撮影で、大学近くの立ち入り禁止の森に忍び込んでは撮影していた。
シズルも写真撮影に興味を持ち、マコトに教わりながら森で写真を撮るようになる。
シズルがマコトに対し恋心を抱いているのは明白だが、マコトは同級生のミユキのことが好きで、シズルのことは女性として意識していない。
同級生たちからの誘いで友達づきあいを始めたマコトは次第にシズルと疎遠になる。
だがある日、家出をして大学で寝泊りしようとするシズルに偶然出くわす。
相変わらずシズルを女性として意識していないマコトは、一人暮らしをしている自分の家に住まわせることにする。
久しぶりに訪れた森で、シズルは自分とキスをしているところの写真を撮って欲しい、とマコトに頼む。
そして撮影を終えた次の日、シズルは書置きを残して姿を消す。
数年後、マコトのもとにニューヨークから手紙が届く。
差出人はシズルだった。
シズルに会いにマコトはニューヨークに向かうが、そこで思わぬ真相を知ることになる。
というのが本編のあらすじ。

「ヒロインが姿を消す」→「頼りない主人公が残される」→「ヒロインが隠していた秘密を主人公が知る」という展開は『いま、会いにいきます』と同じパターンだ。
『虹の女神』とも展開が類似している。
導入部はニューヨークに着いたマコト、つまり現在時間を描き、続いてマコトとシズルの出会いに遡って彼らの学生生活を描き、再び現在時間に戻る。
そして愚かな主人公は、自分に向けられた恋心を思い知らされるが、それに応えるには全てが遅すぎてただ涙
を流すことしかできないのだ。
しかし『虹の女神』と『ただ、君を愛してる』の大きな違いは、現実感だ。
『虹の女神』の主人公は大学卒業後すぐに就職できず、やっと就職したらしたで現場スタッフに怒られてばかり。
『ただ、君を愛してる』の主人公は大学卒業後数年にしてカメラマンとして独り立ちしているし、学生時代の友人たちも何の伏線もなく政府機関や国際機関に就職が決まっている。
一体お前ら何者なんだとツッコミを入れてしまう。
そもそも「悪役」や「悪意」自体が存在せず、砂糖菓子のように大甘な世界なのだ。
シズルが失踪した理由もご都合主義の感が否めない。
ラストシーンも洒落っ気はあるが呑気すぎる。
そんな世界に辛うじてついていけるのは、シズルを演じる宮崎あおいの演技力に尽きる。
メガネ姿の宮崎あおいも可愛いが、キスシーンでメガネを外した宮崎あおいも不本意ながら可愛い。
メガネという小道具はあるが、子供っぽさが残った少女から大人の女性への変化を如実に感じさせる。
宮崎あおいがヒロインでなかったら、駄作と言われても仕方ない。
コンタクトレンズの「アイシティ」の宣伝ポスターで初めて見たときは素人さんか売れないモデルかと思ったくらい微妙な線だったけど、この人は静止した写真よりも動いている映像の方が可愛さがよく出るんだろう。
(2年ほど経った今でも「アイシティ」のポスターに起用されているが、相変わらずイマイチだと思う。)

一方、マコト役の玉木宏はというと、悪くはないのだけど19歳の大学生を演じるにはちょっと年取り過ぎだし、「コンプレックス持ちの頼りない青年」を演じるにはちょっとイケメン俳優のイメージが強い気がする。
やはり市原隼人くらいの感じがちょうどいい。

映画館では、映画がクライマックスに差し掛かったあたりで周囲からすすり泣きの音が聞こえた。
私にはそこまで感情移入できなかったし、心に迫ってくるものを感じなかった。
この映画は感動作というよりも、宮崎あおいの可愛さを堪能するための映画といった方が適切だと思う。

投稿者 Dormeur : 11:12 AM | コメント (0) | トラックバック

janvier 13, 2007

大阪市立大学第56回銀杏祭

大阪市の最南端、杉本町の秋を彩るイベントが銀杏祭である。
スペインのバレンシア地方にあるブニョールで行われるトマト祭と同様に、大阪市立大学の構内で学生たちが銀杏をぶつけ合う。
一帯は潰れた銀杏の匂いがたちこめ地獄絵図の様相を呈する。
用意された銀杏が尽きた頃、銀杏まみれになった参加者たちは大学の南側を流れる大和川へ向かい、川の水で体を洗い流して祭りを締めくくるのである。

そんなことを想像したくなるが、実際は普通の学園祭だ。
大学を出て8年ぶりくらいに銀杏祭を見物に出かけた。
もう年が変わってしまってるけど備忘録代わりに書いておきます。

銀杏祭は全学共通の教養科目の講義が行われる区域で行われる。
パンフレットを受け取るとカラー刷りになっていて、すっかり垢抜けた印象だ。
50年以上の歴史を誇った3号館も建て替えられて、そこだけ別の大学のようで落ち着かない。

中庭に建てられた舞台では、応援団が野球部のゲームを模して応援の演舞を行っている。
応援団のアジテーションに合わせて、「そーだー!」と叫んで右手を突き上げる。
大阪市立大学名物の応援、懐かしい限り。

さて、わざわざ足を運んだお目当ては、元近鉄バファローズの佐野重樹の講演だ。
プロ野球ファンにはお馴染みだが、ハゲ頭をトレード・マークにリード時の中継ぎ投手として活躍した人物である。
講演のテーマは彼の失敗談だ。

佐野を有名にした「ピッカリ投法」誕生のエピソードを話の枕に講演は始まった。
当時の近鉄バファローズは低迷していて、マウンドに上った佐野の目にだらしなく守備位置につく野手の様子が映った。
そこで、気合を入れるために「締まって行こう!」とマウンドから背後の野手たちに向かって叫んだが、「高校生かよ」と失笑されてしまう。
気分を変えるために、普段はセット・ポジションから投げているところをワインド・アップで投げることにする。
ところがワインド・アップ・モーションに慣れていないために、振り上げた手が帽子のつばに引っかかり帽子が取れてしまった。
現れたハゲ頭を見た打者は笑い出してしまう。
これはチャンスだ、と思ったのもつかの間、審判がタイムを宣告した。
キャッチャーが笑い崩れてしまっていたのだった。

この事件をきっかけに、佐野はよくスポーツ新聞に取り上げられるようになる。
成績も良好で、中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーにもなった。
しかし同時に増長して、チームへの不満を隠さなくなる。
彼の周りにチームに不満を抱くプレーヤーが集まりだし、チームの雰囲気が一層悪くなっていく。
次第に佐野自身の成績が低迷してくる。
しかし、佐野は起用法などを原因に不振を正当化し不貞腐れるばかりだった。
佐野を見限った球団は彼をトレードでドラゴンズへ放出する。
ドラゴンズでも活躍できなかった佐野は、アメリカに渡り独立リーグでプレイすることになった。

独立リーグでも、かつて1億円プレイヤーだったという自尊心が消えない。
しかしチームメイトはその栄光を聞いても、全く意に介さないのだった。
話し相手もいない。
給料は若いサラリーマン並の薄給だ。
このまま野球を続けられるのか。
しかし、ゲームで活躍し出すと、チームメイトが話しかけてくるようになる。
尊敬を受けるようになる。
オフの日に一緒に出かけるようになる。
そこで佐野は悪いことの原因を他人のせいにしていた自分に気づき大いに反省したのだという。
そんなお話だった。

講演が済み、質問コーナーでは聴衆から2007年シーズンの展望を尋ねられた佐野。
答えて曰く、「ドラゴンズはチーム内部の人間関係がかなり悪いので、2006年どおりの成績には行かないのではないか」だそうだ。

ところで、学生時代に何故か誘われて銀杏祭に一緒に出かけそれっきり、な人と再会してまた銀杏祭に一緒に出かけることになろうとは、世の中不思議な縁もあるものです。

投稿者 Dormeur : 11:55 PM | コメント (0) | トラックバック

janvier 07, 2007

IP スパムフィルターを導入

昨年末あたりから大量のコメント SPAM が届くようになったので、「 IP スパムフィルター」を導入しました。
これにより、海外からのコメントの記入が出来なくなりました。
ただし事前の連絡があれば例外を設けることが可能です。

1月6日の成果としては、およそ180のコメント SPAM の接続要求が全て排除されています。

ちなみにこのサイトそのものは SPAM やお行儀の悪い検索ロボットを排除するため、特定アジアからの接続要求を拒否しています。
特定アジア諸国から閲覧される場合は日本の proxy サーバーをご利用ください。

投稿者 Dormeur : 01:07 AM | コメント (0) | トラックバック