24 décembre 2006

『虹の女神 Rainbow Song』を観た

『虹の女神 Rainbow Song』は岩井俊二主宰のプロジェクト「 playworks 」の第一弾映画。
青春恋愛ものです。

小さな映像製作会社の下っ端社員として働く青年、智也が主人公。
要領が悪く上司に怒られてばかりの彼はある日、会社を辞めてアメリカに飛び立った同僚の女性、あおいがアメリカ行きの飛行機の事故に遭い死んだことを知る。
上司とともにあおいの実家に弔問に訪れた智也は、一家を空港まで送り届ける。
映画は二人の出会いまで時間を遡り、彼らの過ごした日々を描いていく。

出会いのきっかけは大学時代、智也があおいのバイト先の同僚の女性にストーキングを働いていたことだった。
大学の映画サークルで自主制作映画を作っているあおいは、フィルム代欲しさに智也から1万円を受け取り、同僚との食事の場をセッティングすることを約束してしまう。
結局これは失敗に終わるが、このことをきっかけに智也は映画サークルに引き入れられ、あおいが監督する映画『 THE END OF WORLD 』の主演男優として出演することになる。
今度は主演女優に対し色気を出す智也だったが、主演女優が智也とのキスシーンを嫌がりまたも失恋に終わる。
結局あおいが主演を兼任して撮影をやり直し、映画は無事クランクアップした。
大学卒業後、あおいは映像製作会社に就職する。
上司が酒の席で発した激励を真に受けた彼女は、映像製作をより学ぶためアメリカ行きを決意。
欠員の穴埋めのため、卒業後定職に就いていなかった智也を会社に引き入れた。
智也は撮影の一環で参加した見合いパーティーで知り合った女性と同棲生活を始めるが、彼女が智也を騙していたことが判り破局を迎える。
その後智也はあおいが会社を辞めるつもりであることを知る。
智也はあおいを引き止めなかった。
そしてあおいは事故で死んだ。
弔問のためにかつての映画サークルの仲間たちがあおいの実家に集う。
彼らの前で『 THE END OF WORLD 』が上映される。
そしてあおいの部屋に足を踏み入れた智也は、彼女が自分に恋心を抱き続けていたことに初めて気づくのである。

智也の何と愚かなこと。
そのどうしようもないダメ男っぷりを市原隼人が好演している。
一方、あおいを演じるのは上野樹里。
今が旬とばかりにあちこち出演しまくりではあるけど、本作の「表向きは恋愛感情を出さずに映画制作に打ち込むクールなお姉ちゃん」という役柄にはちょっと違和感がある。
『スウィングガールズ』や『のだめカンタービレ』みたいにコミカルなヒロインの方が生きるような気がする。
白眉はあおいの妹で盲目の少女を演じる蒼井優。
一種の神々しさすら感じます。
この人は妹キャラ、ロリキャラがハマリ過ぎ。
「萩原聖人=頼りない兄ちゃんキャラ」みたいに固定化してしまうかもしれない。

映画の進行テンポはゆったりしていて、間延び感のある一方で大学生活の幸福なモラトリアム感がよく出ていた。
大学時代に自主制作映画を作っていた人には共感できる部分が大きいのではないかと思う。
ただ、クライマックスで『 THE END OF WORLD 』を全編上映するのは長すぎる。
いかにも学生制作のしょぼいシナリオと映像を再現しているのでちょっと苦痛を覚えた。
智也とあおいの二人が映画の中でしか恋人同士になれなかったこと。
『 THE END OF WORLD 』の結末があおいの運命と奇妙に一致していたこと。
その切なさを訴える意図は判るだけに惜しい。

全編通じて一番の問題は、智也のダメっぷりを間近で知っているのにそれでもあおいが智也に魅かれたというその理由を私が理解できないことだ。
女心は不思議、ということで済ましておけばいいのかなあ。

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