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octobre 24, 2006
北海道旅行 3日目
特急まりもの寝台で目覚めると、既に石狩平野であった。
時刻は5時を周っている。
寒い。
急いで着込む。
5時50分、札幌着。
しかし、こんなに早く着いても何もやることがない。
何となく、プラットホームに停車している車両を撮影してみる。

さらには、喫煙コーナーで一服してみる。
札幌駅のプラットホームの隅にある喫煙コーナーは、近畿の駅に設置してあるそれと違い、四方を透明の板で囲まれている。
隔離、という印象が一層強い。
釧路駅の場合はプラットホームに喫煙コーナーがあったかどうか記憶にないが、駅のターミナルビルには改札そばに同じく透明の板で囲まれた喫煙コーナーがあった。
空港の分煙に近い印象だ。
汚染された空気が滞留しているので臭くて気持ちが悪い。
タバコなんて体に悪くて周囲に迷惑をかけるものを吸うな、と教育する狙いもあるのではないかと邪推してしまう。
まあ、それはそれで仕方ない。
朝食を食べさせてくれるコーヒー屋でも開いていないかと駅ビルをうろうろするが、どこも開いていない。
改札の中にある UCC のコーヒー屋は6時30分からの営業。
改札の外でドトールコーヒーを見つけたが、7時からの営業だった。
さすがに200万人近い人口を有する都市の中心駅だけあって、駅ビルを歩く印象は大阪駅や名古屋駅と何ら変わらない。
看板や天井から下がっている北海道日本ハムファイターズの垂れ幕がなければ、東京都内のターミナルビルと言われてもだまされてしまうだろう。
早く落ち着きたかったので、入場券を買って改札内の UCC で朝食を摂ることにする。
食べ物のメニューはおにぎりという一風変わった店だった。
腹ごしらえを済ませると、市営地下鉄のさっぽろ駅へ向かう。
札幌市営地下鉄といえば、ゴムタイヤで走行することで名高い。
しかも、中央にあるガイドレールに沿って走るという、モノレールに近い世界でも珍しい方式だ。
従って乗り心地もモノレールに近く滑らかな感じがする。
さらに車両同士の貫通路に引き戸がなくそのまま直結しているところも大阪モノレールのそれと同様だ。
さらに特徴的なのは、網棚がないこと。
テロ対策か、忘れ物の保管費用を減らすためか。
偶然にも、観光で来た初老の夫婦と思しき乗客の夫の方が、網棚に荷物を載せようとするのを妻が寸前で止める、というシーンを目撃した。
止められなかったら座っている乗客の頭上に荷物が直撃するところだった。
そんなこんなを観察しているうち、東豊線の福住駅へ到着。
通学途中の女子高校生が目立つ。
札幌駅周辺もそうだったが、女子高生のスカートが通り一遍等に短い。
大阪だと、短くする着方、長くする着方両方見られるものだが……。
田舎の人間はやはり「頑張ってしまう」ものなんだろうか。
バスを待つ時間が30分ほどあったので、ちょっと足を伸ばして札幌ドームまで歩いてみる。

駅から幹線道路沿いに10分ほど歩くと札幌ドームに到着する。
イベントの予定がないせいか、辺りはひっそりとしている。
散歩をしている人の姿が一人、二人認められる程度。

札幌ドームは野球を行うときは人工芝。
サッカーを行うときは、屋外で養生されている天然芝のフィールドを中に引き込む。
今は天然芝のフィールドは屋外にあった。
その周囲はすり鉢状になっていて、芝生が植えられていた。
福住の駅に戻り、バスに乗る。
整然と造成された住宅街の長い直線を登っていき、バスはそのまま羊が丘展望台に入っていく。
門のところで職員が乗車してきて、乗客から入場料を徴収するというシステムだった。
門からなおもバスは上り坂をくねくねと登り、レストハウスなどが立ち並ぶ広場で停車した。

札幌といえばお馴染み、クラーク博士像がここにある。
クラーク博士といえば、札幌農学校で教鞭を執り、帰国後は『2001年宇宙の旅』などを執筆して SF 作家として活躍、再び来日してヤクルトスワローズと近鉄バファローズでプレーしたことで有名だ。
色が黒いので多分そうだと思う。
その背後には札幌の町並みが広がる。
札幌ドームも見える。
昨日と比べると、今日は曇りがちの天気だ。

撮影地点の背後には、2004年、北海道日本ハムファイターズが札幌ドームで初めて公式戦を行った際のチームメンバーの手形を並べたモニュメントがあった。
羊が丘、という名前のとおり、ここでは羊の放牧を行っているのだけど、残念ながら早く来すぎて羊の放牧時間はまだだった。
残念だが時間がない。
羊の肉のソーセージを食べて我慢することにする。
再びバスで福住駅に戻り、地下鉄で東区役所前駅まで乗る。
駅からてくてくと歩き、サッポロビール園に到着。
なお、札幌駅から直接サッポロビール園に行きたい場合は直通バスに乗った方がいい。
サッポロビール園というと、個人的に郊外にある工場跡地というイメージがあったのだが、実際はそこそこの市街地の中にあった。
隣にはトイざラスやショッピングセンターもある。

まず、サッポロビール博物館を見学。
ここはサッポロビールの歴史やビールの製法を紹介する施設で、往年のビール容器や広告ポスターなど、ゆかりの品を展示している。
団体で訪ねると、女性のガイド職員が案内してくれるらしい。
ちょうど朝鮮人の団体ツアー客が来ていて、ガイドの内容を逐一通訳のおばちゃんが翻訳していた。
朝鮮国営放送を間近で聞いているような気分ハスニダ。


博物館以外にビール園に存在する施設は、全てレストランだ。
総合受付のある建物で人数を申告すると、いくつかあるレストラン施設の一つを指定される。
黙々と羊肉を焼いて食う。



札幌ドームからは離れているのだが、なぜか北海道日本ハムファイターズの室内練習場が隣にあった。
直通バスに乗り札幌駅に戻る。
そこからバスを乗り換えて、雪印史料館へ向かう。
史料館前などというようなバス停がないので、最寄のバス停から数百メートル歩くことになる。
周囲は工場地域といった様子だ。
雪印史料館自体、雪印(現:メグミルク)の工場敷地内にある。

見学は無料だけど予約が必要。
平日で観光シーズンが過ぎているからか、見学者は少ない。
私と同じ見学ツアー客は1組だけらしい。
ツアー開始、と思いきや、なぜか私だけ呼び止められ、高卒でそのまま就職しましたー、みたいなメガネをかけた純朴そうな職員のお姉さんと二人きりの見学になる。
「大阪から来られたんですね。北海道は涼しいでしょう」
「うーん、昼間、日光に当たってると暑いし、日陰に入ると涼しいし、夜になると冷え込んで寒いし、中途半端ですねえ」
などと会話を交わす。
いやあ、雪印は素晴らしい。
食中毒事件を起こしたのも許す。
と思ったが、お姉さんは途中で居なくなり、もう1組の見学ツアー客と合流することになってしまった。
車椅子に乗ったご老体がいらっしゃるので、階段を避けていただけだった。
がっかり。
展示室には、かつてバターやチーズを作るのに使っていた実際の器具と、現在の製造工程を解説したミニチュア模型が展示されている。
じっくり見たいところなのだが、ガイドの案内で先へ先へと促される。
おまけに写真撮影も禁止。
せっかく上質の展示なのに残念だ。
史料館の建物は工場に繋がっていて、そのまま工場内をガラス越しに見学する。
工場内はパイプが何本も走っていて、さぞメンテナンスが大変なことだろうと察する。
メンテナンスが不適切だと、食中毒事件を起こす羽目になる。
あの食中毒事件は、確かこの工場の脱脂粉乳を作る工程で菌が繁殖したのが原因ではなかったか。
渡されたパンフレットに書かれた社史に、その食中毒事件と食肉偽装事件をきちんと載せているのは偉い。
当たり前と言えば当たり前だが。
見学の締めくくりは、工場で作られた牛乳とアイスクリームの試食だ。
そのアイスクリームというのはここでしか食べることができないという特製品らしいのだけど、これが無茶苦茶旨い。
脂肪分が高く、生クリームかと思うほど濃厚な風味。
幼い頃、初めてレディーボーデンのアイスクリームを食べたときのような衝撃があった。
是非市販して欲しいものだ。
ちなみにこれほどではないにしても、比較的近い味のアイスクリームは札幌市の繁華街にある雪印パーラーで食することができるらしい。
質問はありませんか、とガイドが尋ねてきたので、積年の疑問をぶつけてみた。
牛乳は食中毒を防ぐため、100度を越える温度で数秒間殺菌されるのが普通だ。
しかしその熱で、タンパク質が固まったり変質したりするのではないのか。
その答えは、「瞬間的に高温に達するので、品質に変化はない」ということだった。
イメージとして納得がいかないのだが、そういうものなのか……。

お土産として牛乳パックを模した消しゴムの詰め合わせを貰い、見学ツアーは終了。
観光地としてはあまり有名ではないけど、ここはオススメできる。
しかも帰阪後しばらくして、挨拶状の葉書が届くというオマケつき。
地味に営業努力がなされているのであった。
バスに乗り、再び札幌駅前に戻る。
コインロッカーに預けていた荷物を取り出して、地下鉄南北線のさっぽろ駅から大通駅まで乗る。
大通駅から数ブロック歩き、今夜の宿に到着した。
そう、札幌の中心市街地は、近代に計画的に建設されただけあって、完全なブロックになっている。
地名は京都のように通りに固有名詞をつける方法ではなくて、県庁を起点に東西南北方向に何ブロック目であるかという方法で名づけられている。
最初は戸惑ったが、1日で慣れた。
適当に歩いていても道に迷わない。
便利だ。
宿のテレビをつけると、番組は夕方のローカルニュースの時間帯。
札幌駅前からの中継とか、ファイターズの小笠原の応援の際にファンが使っているイルカのゴム風船は100円ショップのスポット商品なので、生産終了で入手困難だとか、いかにもローカルで素晴らしい。
今回の旅行では、とにかくベタなところを訪れることをテーマにしている。
今夜の夕食はもちろん、すすきののラーメンだ。
宿から狸小路を経由してすすきのに到着。
ラーメン横丁ってどこかいな、とあやふやな記憶をもとに辺りを捜索。
場所は判ったが、どの店に入るか迷う。
迷った末、横丁の入口にある、一番最初に目に付いた店へ入る。
考えることはみんな一緒なのか、たくさんの芸能人のサイン色紙が並べ立てられた店だった。
味はまあまあ。
少なくともハズレではない。
店を出たあと、路面電車に乗るために地下鉄の駅の地下道を抜けようとしたところ、大量の人がひしめいていて面食らう。
今日は金曜日の夜。
すすきのに繰り出す人々が待ち合わせに使う地点にたまたま下りたようだ。
路面電車は環状線ではないが、市街地の南西部をぐるりと巡るような路線になっている。
碁盤目状の道路に沿ってレールが敷かれているので、カーブとなると道路の交差点で直角方向を目指すものになり、急である。
自動車教習所では習うものの、なかなか現物をお目にかかることの出来ない「路面電車だけ曲がれます」信号をカーブごとに見ることができる。
藻岩山ロープウェイに乗るため、「ロープウェイ入口」停留所で下車。
しかし「ロープウェイ前」ではなく「ロープウェイ入口」という名前なのが少々辛い。
ここから2ブロックほど歩き、さらにちょっとした坂を上らないとロープウェイの駅まで着くことはできない。
それでも市街地に隣接して突然山がありロープウェイが通っている町というのは珍しい。ロープウェイが頂上目指して登っていくと、すぐ眼前に札幌の輝く町並みが現れ、ゴンドラの乗客からは感嘆の声が上がる。
ロープウェイの山上駅は、まだ頂上ではない。
ここからロープウェイの乗客専用のマイクロバスに乗り、頂上まで連れて行かれるのだ。
料金はロープウェイの運賃に含まれている。
マイクロバスを降り、売店・飲食店が併設された展望台に登る。

素晴らしい夜景が広がる。
空が雲で覆われているので、写真に撮ると地上の光が反射して空が白く映っている。
都市からこれだけの光が空に出ているとなれば、都市の夜空が明るくて星が見づらいのも納得できる。
まあそれはそれとして、寒い!
無茶苦茶寒い!
長袖シャツに長袖のジャケットを着ているのだけど、それでも芯から冷える寒さ。
山の上だから当たり前とも言える。
マフラーを持ってくればよかった、と後悔。
周りは夜景にうっとりしたいアベックたちだらけだが、寒さに負けて早々に建物の中に戻っていく。
ざまあみろ……いやいや。
防寒をしっかりしておけば、二人身を寄せ合って夜景を眺めるのも一興だろう。
三脚にカメラを据えて夜景の写真撮影を試みていると、「写真を撮ってください」とアベックに「レンズ付きフィルム」を手渡される。
呪い……いや、祝いの心を込めてシャッターを押して差し上げた。
一層寒さが染み込んで来る。
私も暖かい建物の中に退散した。
関西から観光で来たと思われるおばちゃんのグループがいて、彼女らの話す関西弁に癒された。
宿に戻り、冷えた体を風呂で温める。
2日振りの風呂でもあるのでなおさら気持ちいい。
そして2日振りの広いベッドに抱かれて、北海道で過ごす最後の夜は更けていく。
投稿者 Dormeur : 11:47 PM | コメント (4) | トラックバック
octobre 19, 2006
北海道旅行 2日目
そもそもこの旅行の直前には日本列島を台風が襲った。
飛行機が欠航になると宿や交通の予約が全てパァになってしまうので、その動向を戦々恐々と注視したものであった。
日本海を走り北海道を横断した台風は、旅行出発日である9月20日の午前中にオホーツク海へと抜け、ギリギリ事なきを得たのである。
台風一過ということもあって、9月21日の道東は素晴らしい晴れの天気に恵まれた。

朝、釧路駅前。
教会の後ろにあるのが前夜宿泊した釧路ロイヤルイン。
写真の背後に当地で路線バス事業を営む阿寒バスのターミナルと営業所がある。
この日は阿寒バスが運行している定期観光バス「ニューピリカ号」に乗り、道東の名所を巡るという趣向。
レンタカーを借りるという手もあったが、さすがに自動車を8年近くも運転していないので危険だし、知らない道を通って効率よく巡れるかというと疑問だ。
バスなら座ってるだけで広大な道東を予定時間通りに巡ることができる。
「ニューピリカ号」にはバスガイドが添乗し、ひたすら観光案内を話してくれる。
出だしから早速釧路の町について解説があった。
釧路川流域にはダムがない、右手に見える釧路川は治水のため分水路として開削したもの、釧路川の豊富な水量のおかげで日本製紙と王子製紙の二つの大製紙会社の工場がある、など。
車窓から住宅に目を向けると、暖房装置と煙突が住宅の壁から生えていて、さすが冷涼な地であると思わせる。
市街地を抜けると、すぐに車窓の風景は草の生えただだっ広い野原となる。
勾配をぐんぐん上りたどり着いたのは、釧路湿原の展望台。

おお、これがかの有名な釧路湿原。
広いなあ。
人工物が全く見えないぜ。
で、湿原はどこですか?
ここは釧路湿原の東の端。
湿原は林の向こうに小さく見えるだけだった。
観光写真で見るような湿原は、湿原の西の端、つまり鉄道の通る方から観るか釧路川をカヌーで下るかしないと堪能できないのである。
釧路湿原から上れる細岡展望台がオススメである、と『北へ。~ Diamond Dust ~』でも紹介されていた。
お次は摩周湖へと移動。
途中、鶴の飛来地という地域で畑の奥に野生の鶴のつがいを目撃。
さらに、大きな翼を大きく広げて飛び立つ鶴も。
サービスというものをよく判っている。
そうこうしているうちにいつの間にか眠り込んでしまい、目が覚めると到着の直前だった。
周りは牧場のような風景が広がるばかり。
バスは坂道を登り、展望台前の駐車場に止まる。

展望台に上ると目前に広がるのは観光写真のような素晴らしい眺め。
摩周湖の水面に雲ひとつない空の青とカムイヌプリが映える……って雲はあるな。
空気も爽やかでうまい。

振り返るとこれまた道東の丘陵が広がり、本州ではあり得ない緑豊かな景観だ。
写真には収まっていないが、右手には雌阿寒岳・雄阿寒岳もくっきりと見える。
わざわざ来た甲斐があったと素直に思う。

展望台に併設された土産物店にトイレがてら下り立ち、再び摩周湖を眺める。
ちなみに道がないので岸辺まで降りることはできない。
摩周湖の次は屈斜路湖方面へ移動。
「クッシー街道」などと脱力する名のつけられた屈斜路湖畔の道路を走り、さらにクネクネと勾配を上って美幌峠に到着。


美幌峠を題材にした美空ひばりの歌がエンドレスで再生されているモニュメントを背後にしつつ、屈斜路湖を一望する。

空は広々、風は爽やか。
素晴らしい。

北海道で峠と言えば、「峠のあげいも」が名物だ。
昼飯時が近いが、つい1本買い求めてしまった。
コロッケよりもややあっさりした味でホクホク感がありうまい。
私は食べなかったが、半球に切ったメロンにアイスクリームを載せた豪快なデザートも売られていた。
峠を降りて再びクッシー街道へ戻る。
途中で道を曲がり、オープンカーで走ると気持ちのよさそうな湖畔の道路を走っていく。
古くからアイヌが住み着き、小汚い住宅や博物館のあるコタンを通りすぎて砂湯に到着。

ここは砂浜を掘ると温泉が染み出してくるというところ。
家族連れが砂堀りに興じていた。

ここは貸しボート屋もある。

土産物屋とレストランが併設された小奇麗な建物があり、折角なのでそこで提供されている「クッシーラーメン」を食してみた。
クッシーの形に抜かれた緑色の物体がラーメンの上に載っている。
屈斜路湖に住む謎の生物クッシー。
古来アイヌが密かに食してきたその肉を蒲鉾として加工したものであると思われる。
謎の生物なので天然記念物にも指定されていないから捕まえても食べても法には触れない。
ラーメンとしての味は観光地の割りに、普通のラーメン屋クラスの味がある。
ラーメンにしては注文してから出来るまで時間がかかるが、クッシーの肉を使っているがゆえのことであろう。
なお、真偽を店員に問いただすことはできない。
そんなことをするとクッシーの餌にされてしまうからである。
屈斜路湖の次はそばにそびえる硫黄山である。
摩周湖も屈斜路湖もカルデラ湖。
屈斜路湖畔には温泉が出る。
要するにこの辺は火山地帯というわけだ。
活動している火山があれば硫黄も出る。

風向きが逆だったので硫黄の匂いこそしないが、地面から煙が出ているのが見える。
さらにこんなところでも、1個食べれば寿命が10年延びるという「黒卵」が売られている。
硫黄の成分が含まれた温泉で卵を茹でると、殻が黒く変色するというアレだ。
箱根だけの専売特許ではないのであった。
バスは川湯温泉を抜け、山を越えていく。
昼食後の眠い時間帯だ。
バスガイドも乗客を休ませるために沈黙となる。
山道を揺られ揺られて阿寒湖に着く。

飛行機から観た阿寒湖、そして雌阿寒岳を地上から観る。
阿寒湖といえば阿寒湖まりも、もとい毬藻であるが、岸からは見えない。
観光船に乗り、湖に浮かぶ島に建てられた展示施設に行くことで見ることができる。
ここで土産物を調達したかったので、残念ながら観光船に乗るのは諦めた。
温泉街としても開けているだけあって、湖畔には土産物屋が非常に多い。
アイヌ舞踊を上演する施設を中心にアイヌ民芸品店が集積した区域もある。
観光に身を売り変質しながらも生きることを選択したアイヌの成れの果て、と言えようか。
以前から欲しかったムックリを2種類、ここで購入した。
店のおっちゃんが売り込みのために実演してくれたが、さすがに上手。
ここがバスツアー最後の観光地となり、釧路に戻る。
結局300kmほどの道のりだったらしいが、思い返してみると信号で止まったのが両手で数えられるくらい。
釧路の市街地を除くと信号自体が珍しい存在である。
積雪時に道路から脱輪しないよう、道路の幅を示すためのポールが延々と道路の端に建てられていて、さぞ費用がかかっていることだろうと思われ、異世界を感じさせる土地だった。
さて、釧路へ戻ったはいいが、今夜はホテルに宿泊ではなく、札幌へ向かう夜行列車での宿泊だ。
出発は23時。
およそ6時間ある。
夕日は既に沈んで見えないが、空は茜色。
夕日の綺麗なスポットとして名高い幣舞橋を目指し、駅から大通りを歩く。
交通量が少ないのに、車線数が不釣合いに多い。
歩道の幅もやけに広い。
電線が地中化されているので、何となくアメリカの都市のような印象もある。
街灯は観光を意識してか、昼光色と電球色を織り交ぜて配置されており、情感を与えてくれる。
しかし開いている店舗が少ない。
早くもゴーストタウン化しているような雰囲気がある。
通勤帰り風の人ともすれ違うが、絶対数が少ない。
その寂しさを隠すためか、街頭に音楽やらCMやらが流されている。
耳だけは商店街のアーケードの中を歩いているような気にさせられる。

幣舞橋周辺は護岸が遊歩道として整備されている。
柵もない。
気を抜けば川に転落しかねない。
それだけに夜霧よ今夜も有難う、という感じでムーディーではある。
しかし本当に人が通らない。
アベックで歩くとそれはそれはよろしかろうと思うんだけども、当のアベックは1組しか見出すことができなかった。
ところで、釧路のレストランではスパゲティが鉄板に乗って出てくるのだという。
そこで『北へ。~ Diamond Dust ~』でメガネっ子と訪れたレストランを実際に訪ねてみた。
幣舞橋の近くにある「レストラン泉屋」本店だ。

「レストラン泉屋」は洋食屋とファミリーレストランの中間あたりを思わせる店だった。
雑居ビル風の建物の1階と2階それぞれワンフロア全部がレストランである。
1階の入口にショーケースがあり、ずらりと料理サンプルが並べられている。
確かに、鉄板の上にスパゲティが……。

この店のスパゲティでも名物という一品を食す。
一見普通のナポリタンだが、実際はでかいトンカツの上にミートソースがかかっているのである。
結構なボリュームでおなかいっぱいだ。
時間を潰すためビール1杯で2時間ほど本を読んで粘ったが、前後のテーブルに座った客はやはり同じミートカツのスパゲティを注文していた。
店を出て辺りをブラブラしてみる。
駅から少々離れているが、ここが釧路の繁華街。
飲み屋が集結している。
縦方向にも横方向にも大阪のアメリカ村の真ん中程度の歩道と車道があるが、いかんせん歩いている人間がほとんどいないので、シャッター街というわけでもないのに寂れた空気が漂っている。
木曜日の晩とはいえ、都市としての空洞化が激しいように見受けられた。
大通りから入り込んだところにケンタッキーフライドチキンや笑笑があるところからしても、ここが繁華街であることは間違いないのだが、漂う空気は21時を過ぎたベッドタウンの駅前、である。
折角釧路に来たのだから海産物を肴に一杯、といきたいところなのだが、先程食べたトンカツのボリュームがずっしりと響き、どうも暖簾をくぐる気分になれなかった。
勿体無いことをしたかなあ。
ともあれ、ひとまず駅に戻ってみた。
駅ビルのミスタードーナツで茶でも飲みながら本を読もうかと思ったが、禁煙だった。
やれやれ。
暇つぶしに、阿寒湖で買ったムックリの練習をする。
ひたすら2時間ばかり、ビヨーンビヨーン。
道行く女子高生に遠くから「ムックリだー」などと噂されるが、聞こえない振りをしてビヨーンビヨーン。
紐が指にこすれ、練習のし過ぎで痛くなった。
22時30分、釧路発札幌行の特急「まりも」が入線。


「まりも」は気動車の間に2両の寝台客車を挟みこむという特異な編成だ。
実は寝台車に乗るのは初めてである。
今時寝台車に乗ると特急料金に加えてビジネスホテルより高い寝台料金を取られるわけで、貧乏学生には辛かったのだ。
月給取りになって小金を持つようになってこそ出来る贅沢なのである。
ブルートレインに憧れた少年時代からの夢がついに叶う。
ありがたやありがたや。

14系客車の2段式B寝台。
体の長い私でも十分な大きさではあるが、私の割り当てである下段ベッドには荷物置き場がない。
スーツケースを通路に置くと他の客に迷惑であると同時に盗難の危険がある。
やむなくベッドの隅に置かざるを得ず、少々窮屈になってしまった。
サービスの浴衣も、万一脱線事故なんかが起きたとき浴衣姿で車外に出るのが嫌なので着用しなかった。
払った金の割には少々勿体無い気分だ。
シーツを敷き、布団をかぶって横になる。
真下からレールの振動を直に受けるかのように垂直の突き上げがやってくる。
やはり上段ベッドを選ぶべきであったか。
こんな状態で眠れるのか。
しかし旅で疲れているのか、いつの間にか意識は闇の中に落ち込んでいった。
投稿者 Dormeur : 11:52 PM | コメント (0) | トラックバック
octobre 16, 2006
北海道旅行 1日目
鍛え行こうランランランラン 何となく鍛え 何となく鍛え 行っちゃおうかな。
というわけで、9月20日、北海道へ旅立ち。
北海道観光アドベンチャーゲーム『北へ。 ~ Diamond Dust ~』で予習はバッチリである。
今まで行ったことのある北限は新潟県、東限は千葉マリンスタジアムという私。
どうせアイヌモシリを踏むならば、札幌ドームでのファイターズ対マリーンズ戦でと決めていたのだが安価なチケットが手に入らず、ついカッとなって観光旅行を決め込むことにしたのだった。
まず、関西空港から女満別空港へ飛行機に乗る。
関西空港への道のりは、サラリーマンになりちょっとブルジョワな自分を自らに顕示するため、関空特急はるかなんぞに乗車してみる。
ああ、楽ちん。
高校生のときに自主制作映画のロケで訪れて以来、10年振りの関西空港。
乗客として訪ねるのは始めてだ。
何せ4月に初めて大阪空港から飛行機に乗ったばかりなのだから。
今回の機体は全日空のエアバスA320。
初ジェット機。

先日乗った機体はボンバルディアのターボプロップ機、DHC-8 だったので地面からタラップを上り搭乗した。
今回は空港の建物から直に搭乗である。
楽だけどあまり飛行機に乗るぜ!という感じがせず物足りない。
しかしさすがに DHC-8と違って中は広々としている。
窓側の席に座ったが、DHC-8のように壁際の足元の狭さは感じない。
離陸も機体が大きいせいか安定感があり、加速感も落ち着いたもので、恐怖感を完全には拭えないものの心に余裕があった。
離陸直後、窓から神戸空港が見える。
神戸空港から、一機離陸していた。
肉眼ではっきり見える。
狭苦しい大阪湾内に余計なものを作りよってからに、と呆れる。
女満別空港への到着予定は15時5分。
機内では持ち込んだ Let's Note で『涼宮ハルヒの憂鬱』を消化。
といってもベルトサインが消えている間しか PC を使えないので、3話くらいしか観ることができない。
おまけに気流の関係でたまに縦揺れが襲う。
やはり乗り心地は鉄道が一番だ。
DHC-8 の路線ではフライト時間が短すぎるので飲み物の機内サービスはなかった。
今回初めて飲み物の機内サービスを受ける。
ついでに初めて飛行機のトイレも利用してみる。
そうこうしているうちに、しばらく海上を飛んでるなーと思っていると陸地が出現。

もしやこれは。
そこですかさず機内に案内放送が流れた。
襟裳岬でございます。
北海道に到着。
やがて大きい湖と湖畔の山が現れた。
地図で見覚えのある形だったので、多分阿寒湖だろう。
ここを過ぎたあたりから機体は高度を下げ始める。
眼下にはやたら整然と直線的に引かれた道と、1つの区画がやたらと大きい畑が現れる。
さすが北海道、スケールが大きい。
窓から見える畑がどんどん大きくなって、ガクンと着陸。
火だるまになって転がり爆発することなく、無事女満別空港に到着した。


女満別空港からは網走行きの連絡バスに乗る。
空港の周りはレンタカーの営業所と飲食店がぽつぽつあるくらいで、後は草地と林と道しか見えない。
空が広々。
北海道へ来たんだな、と実感。
バスに揺られて網走湖畔を過ぎ、網走刑務所を横目に網走駅前に到着。
駅前にはローソンやホテルやファミリーレストランがポツリとあり文明が及んでいることを感じさせるが、どう見ても寂れている。
高速道路のサービスエリアに来たような印象だ。
繁華街は離れたところにあるのだろうか。

とりあえず駅舎に向かい、荷物をコインロッカーに預けることにする。
すると、かつて写真で見たことがあるポストがあった。

「少年に有害な図書はこのポストにお入れ下さい」ねえ。
誰がこのポストを利用するのだろうか。
わざわざここまで「少年に有害な図書」とやらを持ってくるのか。
教科書や市議会の議事録でも食わせてやるが良いわ、と毒ついてしまう。
さて、もう陽が傾き夕方である。
観光をしている時間はあまりない。
駅前に止まっているタクシーを拾い、網走監獄へ向かう。
網走監獄は網走刑務所の古い建物を移築して博物館とした施設である。


レンガ造りの建物は、かつての刑務所の入口。
右が守衛室で左が面会者の控え室になっている。

小奇麗な洋風建築の建物は、事務方の庁舎。

場内では受刑者や看守などが蝋人形で再現されている。
かつて北海道では囚人が使い捨ての土木作業員として道路建設に従事した。
寝泊りする場所は付近の木を伐採して木材とし、その都度自分たちで建てたのだという。
そうした小屋が、タコ部屋の原型となったらしい。


牢は実際に二十年前かそのへんまで使われていたらしい。
暖房は通路に設置されたストーブのみ。
布団から顔を出していると息の水分で顔が凍りつく、というのもそりゃ当然だ。
見学を終わると5時を過ぎたが、もうバスの便がない。
やむなくまたタクシーで駅前まで戻る。
往復で2,000円以上使ってしまった。
帰りのタクシーの運ちゃんは良く喋る人で閉口した。
窓から見える網走刑務所の職員宿舎はちょっと小奇麗。
法務省は予算がたっぷりあるのか……。
18時50分から3時間以上汽車に乗るため、しっかり食事を取っておきたい。
というわけで、駅前のファミリーレストランでたらふく食う。
ステーキを中心としたメニューの店。
いやあ、網走名物といえばステーキですよ、うん、肉最高!
などと適当な嘘を吐く。
まあ、ファミレスなので味にハズレはない。

念のためローソンで菓子と飲み物を買い、汽車に乗り込む。
釧網本線を走る網走発、釧路行の普通列車。
キハ54の一両編成のワンマンカーだ。
北海道とは言え、まだそんなに寒くはない。
しかし暖房が入っている。
正直言って暑いぞ。
乗客は旅行者風の人がちらほらと、高校生がちらほらと。
まあこんなもんか、と思っていると、次の駅で大量の高校生が乗り込んできた。
車内は通路まで高校生で溢れかえる。
そういえば今日は平日だった。
16時過ぎの列車を逃すと、次がこの列車である。
そりゃ生徒も殺到するというもの。
それはいいんだけど、彼らが途中降りていく駅というのが、周りが真っ暗で人家の気配がしないところなのだ。
一体どんなところに住んでいるのだろう。
高校生の多くは浜小清水駅で降りる。
やれやれ、と思っていると、今度は知床斜里でまた大勢乗り込んできた。
いやはや。
とはいえ、清里町駅を過ぎると制服姿の高校生は居なくなり車内は静まり返る。
さすがに山越えの校区にはなっていないようだ。
そして陽は完全に落ちており、空気も冷たくなってくる。
暖房はやはり正解であった。
車窓の風景からは人家の明かりも伺えない。
真っ暗。
緑駅、川湯温泉駅、摩周駅、標茶駅あたりは駅周辺に集落が認められる。
しかし早くも眠りに着いたように明かりも乏しい。
塘路駅のあたりからは世界に誇る釧路湿原のど真ん中……だけど湿原に街灯があるはずもなく、何も見えない。
昼間であれば雄大な景色が楽しめるところなのに。
淡々と汽車は走る。
やがて遠い地平にまばゆい光の粒が現れる。
都市がそこにある。
釧路であった。
22時を過ぎて釧路駅に到着。
「さいはての駅に下り立ち雪あかり さびしき町にあゆみ入りにき」……と思いきや、駅ビルの中にミスタードーナツがあり、まだ営業している。
うわ、釧路なのに都会的だ!
石川啄木もびっくりである。
夜遅くの到着なので、とにかく駅に一番近くて安くて綺麗なホテルを……ということで、駅にほぼ隣接した「釧路ロイヤルイン」に宿泊。
部屋の TV をつけると、本当に『水曜どうでしょう』が水曜日に放送されている!
改めて北海道にいる自分を実感したのであった。
投稿者 Dormeur : 11:53 PM | コメント (4) | トラックバック
octobre 14, 2006
「ルーヴル美術館展」を観た
また1ヶ月前のことで筆不精がバレバレだが、京都市美術館にて行われている「ルーヴル美術館展-古代ギリシア芸術・神々の遺産-」を観に京都を訪ねた。
京都市美術館は平安神宮の大鳥居をくぐって左側。
7月に「藤田嗣治展」を観た京都国立近代美術館の真向かいにある。
今回の展覧会は、ルーヴル美術館に収められている紀元前5世紀から紀元前4世紀頃の古代ギリシアの美術品を展示するもの。
大理石の彫刻がメインだが、陶器やテラコッタ人形なども展示している。
歴史の教科書なんかでおなじみ、ソクラテス、プラトン、アリストテレスのギリシア3大哲学者の彫像もある。
彫刻は建造物に刻まれたものを除くと、古代ローマで作られた複製品が多い。
それにしても日本で弥生時代をやってるときにここまで写実的な素晴らしい彫刻を作るとはさすが西洋文明の礎となった文明だと感嘆せざるを得ない。
展示品も素晴らしかったが、それを収める美術館も素晴らしかった。
1933年に建てられた洋風建築で、重厚で味わい深い建物。
天井や戸の高さ、柱の太さに威厳を感じる。
古代ギリシアの美術品を展示するに相応しい貫禄があった。
「ルーヴル美術館展-古代ギリシア芸術・神々の遺産-」は2006年11月5日まで開催されています。
美術品と美術館を堪能したついでに、平安神宮に足を伸ばして参拝。
平安神宮は明治時代に平安遷都1100年を記念して、桓武天皇を祀って創建された神社だ。
桓武天皇は弟に暗殺の嫌疑をかけて島流しにし憤死させたところ、皇族が次々と病気にかかったため、「弟の怨念のせいだ」とびびって長岡京から平安京に遷都したというおっさんである。
これが神と言われてもなあという気がする。
信仰する気にはならないが、平安神宮は朱塗りが鮮やかに輝いて立派な威容を誇る神社ではある。
門をくぐると野球が出来そうなほどの広場が広がる。

大極殿で形式的に柏手を打ち、一服してから早々に辞した。

投稿者 Dormeur : 11:15 PM | コメント (0) | トラックバック
octobre 13, 2006
浪花グランドロマン『眠る帝国』を観た
劇団赤鬼の『シリウスに向かって撃て!』を観た後、大阪に戻り、その足で浪花グランドロマンの『眠る帝国―現在は閉鎖中の掲示板の書き込みログです―』(サブタイトル長すぎ)を観る。
映画のハシゴは何度もやってるけど、芝居のハシゴの経験は記憶にないなあ。
毎年恒例、扇町公演に建てられた特設テントを使っての、火あり水ありの芝居です。
少年が車椅子に座った老人を介助して現れる。
前作の『激情都市― Song of Birds ―』に出てきた覚えのあるいでたちの少年だ。
彼はお茶をこぼした老人を世話しようとするのだが、老人は「パラレル・パラダイス」云々を叫んで去ってしまう。
気が付くと少年は神社の前に居た。
その神社には京都・太秦にある木嶋神社と同様の三柱鳥居があった。
最近私は神社関係の書物をいくつか読んでいるので、偶然にしちゃ良く出来てるなと奇妙な縁にニヤリとさせられる。
それはさておき、鳥居の真ん中には井戸のような穴がある。
そこから謎めいた少女が現れ、社殿の中に去っていく。
代わって巫女たちが現れ踊りだす。
彼女たちによれば、ここは「パラレル・パラダイス」なのだという。
さらに本郷と一文字を名乗るヒーロー風の青年が少年の前に現れる。
ちなみに野外とはいえさすがにオートバイには乗っていない。
芝居が進むにつれ、緑川という怪人がこの神社で世界を破滅させる儀式を行おうと企んでいることが明らかになる。
神社の神主や巫女たちは境遇や性格に難を抱えていて、救いを求めて緑川の企みに乗った者たちだった。
こんな状況に巻き込まれて少年は、僕にどうせいっちゅーねんと思い悩むことになる。
果たして少年は元の世界に戻れるのか。
儀式を阻止できるのか。
少女に会うことはできるのか。
といった感じのお話。
『天空の城ラピュタ』でムスカに、『 serial experiments lain 』で英利政美にシンパシーを感じてしまう私は、つい緑川に肩入れしてしまう。
かわいそかわいそなのです。
今回のラッキーアイテムは都こんぶ。
子供の頃は何故か好きだったなあ。
今はそうでもないけど、「おしゃぶりこんぶ」と「都こんぶ」があってどっちを選ぶかと問われれば、やはり「都こんぶ」を選ぶ。
ちなみに毎回恒例の大阪戦隊なんやねんマンは、大阪の危機を救うことはできませんでした。
最近負けが込んでないか、なんやねんマン。
そういえば今回は席が粗方埋まった状態で二人連れで入場したので後方の席に座らざるを得なかったのだけど、そのせいか仮面ライダー1号氏の声が聞き取りづらかった。
2号氏の声は通っていたので、次回があれば1号氏も力を磨いていただきたいなあと素人ながらに思います。
あと、巫女役の新顔の方は遠目にちょっと萌え系だったような気が。
近くで見るとどうか判りませんが。
投稿者 Dormeur : 10:16 PM | コメント (2) | トラックバック
octobre 12, 2006
北海道日本ハムファイターズ優勝!
おめでとう北海道日本ハムファイターズ!

↑祝賀会会場
投稿者 Dormeur : 10:32 PM | コメント (2) | トラックバック
octobre 11, 2006
劇団赤鬼『シリウスに向かって撃て!』を観た
もう1ヶ月前、9月のことではありますが、神戸アートビレッジセンター( KAVC )にて観劇。
普通はなかなか観劇のために神戸まで行く気にはならないが、「野球が題材になってるから」という理由だけで思い切って選択。
小演劇界には疎いので、知らない劇団だったのだけど結構有名どころみたい。
客席はほぼ満員だった。
お話は SF を絡めたエンターテイメント志向。
2026年、人類が新たに手に入れていた新エネルギー「シリウス」の暴走で地球は住めなくなってしまい、急遽人類は地球外へ避難を始める。
避難のどさくさで、「シリウス」を発明した女性科学者、こそ泥、こそ泥を逮捕した刑事の3人が脱出用の小型宇宙船に乗り合わせることになった。
ところが刑事が船内で拳銃を発砲したせいで宇宙船が故障。
その作用で3人は20年前の2006年にタイムスリップしてしまう。
2006年、女性科学者は少年野球チームのエースで4番、な野球少女だった。
野球を続けることを父親に反対されていた彼女は、大会で優勝できなければ野球をやめると約束させられていた。
そして決勝戦、一打逆転のチャンスに凡退し優勝を逃した彼女は学問に打ち込む毎日を送り、シリウスを発明、地球を破滅に追いこむことになる。
2026年から来た3人は、ちょうど決勝戦の直前にタイムスリップしていた。
こそ泥は自分の念願を果たすためにどこかへ去ってしまう。
残る2人は少女時代の女性科学者に野球を続けさせて20年後の破滅を回避しようと、父親を説得したり、彼女を励ましたりと奔走する。
どう考えてもタイム・パラドックスにぶち当たってしまう話で、結局その矛盾を解決できておらずストーリーは破綻している。
そこを舞台上を駆け回る生き生きとした登場人物たちの勢いで突っ走り、「まあ、いいか」と思わせてしまう奔放さが魅力的ではある。
練習や決勝戦での野球シーンはさすがに実際にボールを投げたり打ったりはできないので、投げ真似、打ち真似になるが、チームのメンバー9人と監督が舞台の左右に、あるいは壇を上下に駆け回る。
時に音楽に合わせて全員がマスゲームのごとく忙しく隊形を組み、入れ替わりながら動いていく。
スピード感溢れる爽快な舞台空間がそこに生まれる。
これで1日2回公演をやるのは役者に相当の体力が要るだろうなあと感心させられることしきり。
一番感心したのは、舞台上の高いところ、舞台幅いっぱいに掲げられた金属の格子だった。
ちょっと下手方向(左)に下がるよう傾斜がつけられている。
舞台のアクセントにするためのデザイン用のセットなのかな、と思っていたが、決勝戦のシーンで正体が判った。
ゲーム展開に合わせて数字が書かれた板を舞台上手の袖から滑らせていくのだ。
そう、野球のスコアボードだったのである。
枠内の全てに数字が埋まったとき、物語は大団円を迎え、舞台上にスコアが大きく輝くという演出なのだった。
単純な仕組みではあるけれど、格好よく決まっていたと思う。
整合性のないストーリーには不満があるものの、舞台演劇のケレン味と迫力には満足の行く芝居でありました。
投稿者 Dormeur : 11:46 PM | コメント (0) | トラックバック
octobre 08, 2006
『ゆれる』を観た
観たのは8月のことですが。
東京で写真家として成功し奔放に暮らしている主人公のタケルは母の一周忌で山梨へ帰郷する。
その道すがら、給油のために実家のガソリン屋に立ち寄ると、幼馴染のチエコが働いていた。
タケルは父親と折り合いが悪く、親族同士の会食の際も口論になってしまうが、温和で気配り屋の兄、ミノルの取り成しでその場を収められる。
ミノルはタケルと違いガソリン屋を継ぎ、父と二人暮しをしていた。
その日東京へ帰る途中、忘れ物を取りに再び実家のガソリン屋に立ち寄ったタケルは、チエコを彼女のアパートまで送り届け、彼女と肉体関係を持ってしまう。
夜が更けたためミノルは東京へ帰らずに実家へ戻るが、そこではミノルが一人で洗濯物を畳んでいた。
翌日、タケル、ミノル、チエコの三人は連れ立って渓谷へ向かった。
幼い頃両親に連れて来てもらったという場所に来て、ミノルは一人はしゃぐ。
二人きりになりチエコはタケルと一緒に東京へ出たいと言うが、タケルはそれをはぐらかし、吊橋を渡って一人で写真を撮りに行ってしまう。
しばらくしてチエコはタケルを追いかけ吊橋を渡ろうとする。
ミノルもチエコを追いかけ吊橋を渡ろうとする。
揺れる吊橋が怖いミノルはチエコにしがみつくが、チエコに「触らないで!」と強く拒絶されてしまう。
吊橋の上で揉めている二人の様子を、タケルは地上から見ていた。
カメラはクローズ・アップでタケルの顔を映し続ける。
次にカメラが吊橋を映し出したとき、そこにチエコの姿はなく、ミノルだけが水面を見つめ呆然としていた。
すぐにタケルは兄のもとへ駆けつけ警察を呼ぶ。
警察の取調べに対しタケルは、なぜか「自分はチエコが落ちた瞬間を見ていない」と証言する。
チエコは水死体で発見され、一旦は転落事故として処理される。
しかしミノルが給油中の客に暴行を働き警察の取調べを受け、そこで「チエコを突き落とした」と自白してしまう。
逮捕されたミノルを助け出すため、タケルは弁護士をしている叔父を大金を払って雇う。そして接見と裁判の過程で、タケルとミノルの秘めていた確執が徐々に明らかになっていく。
ミノルは本当にチエコを突き落としたのか?
タケルはミノルが無罪であることを知っていて弁護活動をしているのか?
その疑問が物語の軸となり、真相を巡って文字通り「ゆれる」兄弟の心模様が描かれる。
ミステリーのような緊張感で観客の心を繋ぎとめつつ、人物の心理を浮きだたせる展開が上手い。
そして何より、タケルを演じるオダギリジョー、ミノルを演じる香川照之両名の演技がお見事。
特に香川照之には怖さを覚えるくらい。
さらに検察官役で木村祐一が登場。
上手いのか下手なのかよく判らないが存在感だけは強い怪演を見せているのも面白い。
評判がいいのも頷ける良作でした。
