1 mars 2006

『ぺとぺとさん』を観た

『ぺとぺとさん』は木村航の小説を原作とした TV アニメーションドラマ作品。
2005年7月から9月頃に放送されていた。

同時期に放送されていた『かみちゅ!』は地方都市を舞台に中学生であり神様でもある少女をヒロインとする青春物語だが、『ぺとぺとさん』は田舎町を舞台に中学生であり妖怪でもある少女をヒロインとする青春物語である。
『かみちゅ!』の製作スタッフはその重なり具合に大いに気を揉んだとか。

この物語の世界では妖怪が「特定種族」と呼ばれ市民権を得て人間と共存している。
舞台となるのどかな田舎町、鮎川町の中学校では人間と妖怪が同じ教室で教育を受けている。
その学校に通う妖怪たちは、見た目には人間と変わらない姿をしている。
そんな鮎川町に、妖怪「ぺとぺとさん」の少女、鳩子が転校してくる。
「ぺとぺとさん」は好意を持った相手に触れるとぺとっとくっついてしまうという妖怪。
明るく素直で人なつっこい性格の彼女は「ぺと子」とあだ名をつけられ、クラスメイトや住民に温かく迎えられる。
ぺと子とクラスメイトの少年シンゴ、カッパの少女くぐるを中心に、彼らの夏の日々が描かれていく。

まず丸っこくてぷにぷにした可愛い絵柄が目を引くが、キャラクター原案が YUG、キャラクターデザインと総作画監督がとみながまりという名前に納得。
実は私、中学生のときからとみながまりのファンで、作画監督って役職を初めて知ったきっかけが「作画監督とみながまり」なんである。

物語の進行は1話1エピソード式ではなく連続もの。
仲違いした姉妹の和解、妖怪を嫌う人物との和解、少年少女の淡い恋心といったエピソードが放送回をまたいで展開されていく。
物語全体としてはジュブナイルものっぽいけれど、「萌え」を強調した演出が強め。
妹キャラが沢山登場する上に、くぐるはツンデレキャラとしてぺと子とシンゴとの間に恋の三角関係を作る。
お色気ユーモアなシーンもいくつかあって、初っ端からいきなりかましてくれるので、何も考えずにお子様にもどうぞ、とは言いづらい気がする。
「ぺとっとくっつく」というぺと子のキャラクター設定はぺと子、シンゴ、くぐるの三人が親密になるきっかけとして物語の最初の方で使われるくらいで、大して活用されない。

個人的に流暢な方言を話す少女キャラクターには点数が高くなってしまうので、違和感のない関西弁を話すぺと子、博多弁を話すくぐるの好感度は高い。
逆に妹キャラはぬりかべのこぬりちゃんを除いてはあまり訴えてくるものがなかった。

田舎町が舞台ではあるが、単に田舎というだけで、ノスタルジックな雰囲気が強調されるような演出はない。
モデルとなる特定の町がある様子でもなく没個性的で平板。
この点、工夫の余地があったのでは。

今時の新作アニメなのに画面が4:3なのは残念。

積極的にオススメするほど秀でた部分があるわけではないけれど、絵柄に魅力を感じる人や、ほのぼのとした淡い恋物語が好きという人には悪くない作品だと思う。
「2005年ジュブナイル萌え系アニメ対決」として『かみちゅ!』と『ぺとぺとさん』を比べるならば、『かみちゅ!』に軍配を上げる。

前の記事:「2005年に読んだマンガ 2006.2.28

次の記事:「2005年に読んだマンガ 2006.3.6

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://meta-metaphysica.net/mt/mt-tb.cgi/243

コメントする

プロフィール

空疎な中身のまま、サイト運営10年経過。

文学部出身ですが文学は苦手です。

Twitter

twitter.com/nemuribito/

過去の記事