19 février 2006

浪花グランドロマン『冬桜』を観た

ライブ分、という栄養素をご存知だろうか。
このライブ分はスポーツの競技場、劇場、コンサートホール、ライブハウスといった場所において摂取できる栄養素で、心身を健康に保つにあたって重要な役割を果たしている。
ライブ分が欠乏すると、倦怠感、行動意欲の低下といった症状が現れる。
amazon.co.jp のショッピングカートに次々と商品を突っ込んだり、「 ANA ユニフォームコレクション」のフィギュアを買い求めたりと奇矯な振る舞いを引き起こすこともあるという。

私もプロ野球シーズンが終了してずっとライブ分が欠乏しており、欠乏にともなう数々の症状の発現を自ら知覚するところであった。
このままでは社会生活を送るにあたって支障をきたすことになりかねないので、ライブ分の補給に向かったのである。

浪花グランドロマン『冬桜』。
お芝居である。

物語は太宰治をモデルにしたと思しき作家が主人公。
無名時代を脱し名声を得ても陰鬱に日々を暮らしている。
夢とも現ともつかず彷徨う彼の前に4人の女性が現れる。
ある者は彼の妻、ある者は彼の愛人、ある者は彼が書いた小説の人物。
画家に嫁いだ妻の物語の断片を独白しては、彼女たちは消えていく。
そして作家は空しくも、物語の外へ飛び出そうと試みる。

太宰治かー。
フジ三太郎には月見そばがよく似合うよね、うん。
中学生のとき国語の教師が「受験生の時『人間失格』を読んで死のうかと思った」って話をしたことから興味を持って『人間失格』を読んだなあ。
内容はもうすっかり記憶にないけど、ダメ男がマンガを描いて収入を得てたってのは覚えている。
あと青空文庫で幾つか拾い読みしたな。
『女生徒』も読んだっけか。
太宰治論で読んだのは坂口安吾の追悼文『不良少年とキリスト』くらい。
ウホッ、貧相な読書経験。

それはさておき、今回はほとんどが物語の朗読ってところが面白い試みだった。
画家とはそれすなわち太宰の自虐か。
4人の女性は1人の女性のアスペクトか。
一人語りは観る者にどうしても緊張と視点を強いるので、「……でこ」「……歯並び悪い」といった邪念が生まれバランスを取ろうとしていました。
すみません。

ともあれ、久々の観劇によりライブ分を摂取できた。
明日からまた元気に働きましょう。
ディスプレイの前のみんなも浪花グランドロマンでライブ分ゲットだぜ!
次回公演は多分9月だけど。
それに、ここ見てる人京阪神以外の人ばっかりだけど。

どう見ても2,000円分の宣伝にはなりません。
本当にありがとうございました。

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