27 février 2006

2005年に読んだマンガ 2006.2.27

西島大介『凹村戦争』(ハヤカワ SF シリーズ J コレクション)

ISBN:4152085568

「J コレクション」は SF 小説のシリーズだけど本作はマンガ作品。
第35回星雲賞アート部門受賞作、だそうな。

タイトルは「おうそんせんそう」と読む。
火星人が地球に攻めてくるというオーソン・ウエルズの有名なラジオドラマをモチーフにしたセカイ系青春劇だ。

舞台は外部から隔絶された寒村、凹村。
主人公は平坦な日常に嫌気が差している中学生の少年、凹沢。
登場人物たちにはすべて「凹」の字が含まれている。
ある日凹村に、X 字型の巨大な物体が墜落する。
遊星からの物体 X 、というわけだ。
それは火星人襲来の兆候。
凹沢はその物体に日常からの脱出を期待するのだが……。

SF 作品をパロディにしつつ、デフォルメが強くてポップで可愛い絵柄によって描かれる、テキトーであっけない世界の終末。
今時な世界認識の表明といった感じの物語。

いしいひさいち『ヒラリー・クイーン――大統領への道』(光文社文庫)

ISBN:4334736718

ヒラリー・クリントン、クリントン元大統領、ブッシュジュニア大統領といったワシントンの人々をおちょくった4コママンガ。
手堅い面白さ。

滝本竜彦, 大岩ケンヂ『 NHK にようこそ!』(第1巻‐第3巻、角川コミックス・エース)

ISBN:4047136360
ISBN:4047136816
ISBN:4047137154

滝本竜彦の小説のマンガ化。

ひきこもり歴4年という青年、佐藤達広。
彼の前に中原岬という謎の美少女が現れる。
彼女は佐藤がひきこもりから脱出するのをサポートするのだという。
彼女をあしらいつつ、ひきこもりから脱出しようと試みる佐藤だが、アパートの隣室に引越してきた高校の後輩とエロゲー作りを始めて挫折したり、自殺オフ会に巻き込まれたり、マルチ商法にひっかかったりと道化を演じてばかり。
果たして彼は社会復帰できるのか。
そして中原岬の正体は?
というお話。

進行がゆっくりなので、原作を読んじゃった。
マンガ版も悪くはないけど、原作の方がもっとおもしろおかしくて共感しまくり。
自殺オフ会やマルチ商法のエピソードは原作にない。
まあ、小説の単行本を2冊発表して後が続かない滝本竜彦が生活するのには、このスローペースはいいのかも。
大岩ケンヂの描く岬ちゃんの可愛さがマンガ版の魅力。

石田敦子『純粋!デート倶楽部 完全版』(上下巻、Beam comix )

ISBN:4757719086
ISBN:4757719094

デート倶楽部って言われると、ある世代から上はある種の抵抗感を覚える単語だ。
だからこそわざわざ「純粋」って付けてるんだけど。

主人公は女子大学生の掛井朱音。
男性向けマンガの主人公らしくリアリティのない子供っぽい女性。
彼氏に振られてしまった彼女は、大学の同級生から「デート倶楽部」に勧誘される。
その「デート倶楽部」とは、体に触れることは禁止、メンバーが依頼者の男性の望む仮想のデートを演じ、一緒に過ごすときめきを提供するというサービス業だった。
「デート倶楽部」での仕事を通じて、朱音や同僚たちそれぞれが抱えた恋愛模様が浮かび上がり、絡まっていく。
心に受けた傷とその回復を描いた物語。

いやーよかったよかった、と爽やかな読後感。
連載していた雑誌が休刊に次ぐ休刊で完結が危なかった作品だったらしいが、ここに見事完結、これまためでたい。

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