28 août 2005

ワイヤレスサラウンドヘッドホン『SE-DIR2000C』

まず『 MDR-DS3000 』ありき

昨年の8月末ごろから、SONY のワイヤレスサラウンドヘッドホン、『 MDR-DS3000 』を愛用してきた。

SONY MDR-DS3000 デジタルサラウンドヘッドホンシステム

平日、家に帰宅し食事をして、一息つける頃には21時とか22時とかになっている。
その時間にスピーカーから豊かな音量を出すと家人に筒抜け。
大阪市内の住宅密集地だから、隣家にも音が漏れて迷惑だろう。
百歩譲ってアコースティックサウンドはいいとしても、電波ソングやゲームのキャラクターのアニメ声をご近所に聞かれるというのは精神的苦痛を覚える。
かといって音量を絞ると味気ないわけで、ヘッドホンは有難いアイテムだ。

PC のサウンドカード、『 Sound Blaster Audigy2 ZS Digital Audio 』から光デジタル出力で『 MDR-DS3000 』のトランスミッターに接続し、PC の音声出力を任せる。
また、PlayStation2 からアナログ音声出力を液晶ディスプレイのオプションスピーカーに繋ぎ、そこのヘッドホン出力からトランスミッターのアナログ端子に接続。
PC でも PlayStation2 でも使えるようにしたわけだ。

ワイヤレスだからコードが体に絡みつくこともないし、手洗いや飲み物を取りに中座するときもヘッドホンをかけっぱなしで動くことができ、快適である。

『 MDR-DS3000 』はトランスミッターに Dolby Prologic II 機能を備えている。
Dolby Prologic II は 2ch のステレオ信号を加工して、5.1ch っぽいサラウンド音声に変換して聞かせるというもの。
所詮音の入口が2chだし、出口もヘッドホンの両側2つしかない以上、スピーカーで構成された 5.1ch に敵うはずはない。
普通のステレオよりは音が広がりますなという程度である。
DVD の視聴の場合、DVD プレイヤーソフト(私の場合は『 PowerDVD 』)の側で DolbyHeadphone と Dolby Prologic II をかけることができるので、本体の Dolby Prologic II 機能 は用なしだ。
ただ、PC ゲームや PlayStation2 のゲームをするときに『 MDR-DS3000 』側で Dolby Prologic II をかけると、ゲームソフトが美少女ゲームとかエロゲームとかならば、登場人物たちの台詞が映画館で観る映画の台詞のようにサラウンド感が出て割と楽しい。

しかし時間が経つにつれてヒスノイズが気になってきた。
『 MDR-DS3000 』を含む安価なワイヤレスヘッドホンは、音声の伝送にアナログ赤外線を用いていることが多い。
アナログ赤外線方式はヘッドホン側の受信にあまり電力を使わないらしく、ヘッドホン側の電池の持ちはいいのだが、どうしても「サーッ」というヒスノイズがつきまとうのである。
『 MDR-DS3000 』もヘッドホン側で音量を上げると、カセットテープを聴くかのように盛大なヒスノイズが混じる。
音量を下げれば許容できる程度にノイズは低減するのだけれども、製品の経年劣化なのか聴覚の変化なのか、購入直後よりもノイズが目立つ気がするのだ。
一方、デジタル赤外線方式では伝送時にヒスノイズが乗ることはない。
その代わり製品は高価である。

1年近く使ったことで『 MDR-DS3000 』に払った金の分は充分に楽しんだと思う。
上位機種への買い替えの時だ。

『 SE-DIR2000C 』を買う

7月下旬になって、東北パイオニアからデジタル赤外線方式のワイヤレスサラウンドヘッドホンの新商品、『 SE-DIR2000C 』が発売された。
ワイヤレスヘッドホンの中でも高級機で、先代の『 SE-DIR1000C 』から使い勝手の面で種々の改良が施されており、なかなか魅力的な商品である。

Pioneer デジタルコードレスヘッドホン SE-DIR2000C


7月31日、ヨドバシ梅田のヘッドホン売場に出かけ『 SE-DIR2000C 』を含むワイヤレスサラウンドヘッドホンを試聴し比較検討した。
店内がやかましいため、ここでは音質がどうのこうのというのはよくわからない。
ヘッドホンの装着感を試すのが第一義だ。
ついでに有線ヘッドホンもいろいろ試してみたところ、ワイヤレスヘッドホンの中ではオーディオテクニカの『 ATH-DCL3000 』がやはり最高の装着感である。
しかしお値段も8万円越えと最高だ。
ネット上の評判でも、ワイヤレスヘッドホンとしてはヘッドホンマニアを満足させる音質であるらしい。
通販専門の安売り店で買えば6万円そこそこで買えるので、思い切ってこれを買おうかと考えたが、充電池が問題となった。
持ち時間が10時間と短いため、実際使うとなると2、3日で電源切れになってしまう。
おまけに、その充電池を充電するにはヘッドホンから単3型ニッケル水素充電池を取り出し、充電器にセットしなければならない。
それくらいの手間を惜しむなよと言われそうだが、やはり面倒くさいものだ。
また、ワイヤレスヘッドホンの中では頭抜けた装着感ではあるが、2、3万円以上するような有線ヘッドホンには装着感で『 ATH-DCL3000 』を上回るものがいくつかあった。

そういうわけで、装着感では『 ATH-DCL3000 』に劣るが使い勝手では優れていると思われた『 SE-DIR2000C 』を購入することとした。
お値段は確か46,800円で、15%ポイント還元。
ちなみに発売から1ヶ月ほど経った今では3,000円ほど値下がりしている。

『 SE-DIR2000C 』を使う

『 SE-DIR2000C 』については AV Watch の記事が詳しいので、私が抱いた使用感をメインに書くことにする。

『 SE-DIR2000C 』の場合、ヘッドホンの天頂部に端子があり、その端子をトランスミッター上部に備えられたスタンドに載せることで充電ができる。
まるで吸い寄せられるかのようにカチッと金属音がして収まり、赤色 LED が点灯、充電が始まる。
神経系の障害で細かい手作業が出来ない病気の人でもできるんじゃないかと思うくらい収まりがいい。
『 MDR-DS3000 』ではヘッドホンのハウジング(音が出る丸いところ)の底――有線ヘッドホンで言うとコードが生えているあたりに端子があって、これをトランスミッターの端子と合わせるのが難しく、充電を行うたびにイライラさせられたものだ。

ヘッドホンを装着すると、ハウジングの傾きを検知して自動的にヘッドホンの電源が入る。
ヘッドホンを外せば自動的に電源が切れる。
便利な機能ではあるが、机の上に置いたときにハウジングが傾いていると、使ってなくても電源が入ってしまう。
『 MDR-DS3000 』みたいにヘッドバンドの伸び縮みで電源が入る機構の方がいいなと思う。

装着感については、AV Watch の記事では「非常によい」とあるが、私はそれほどでもないと感じた。
かと言って「良くない」「悪い」というほどでもない。
もちろん、3,000円程度の安物ヘッドホンと比べれば遥かに優れている。
50mm径の大きなユニットを装備しているだけあって、耳全体が覆われて均等に圧力がかかる。
私は近視なのでメガネをかけているけれど、メガネの蔓が圧迫されて痛むことも全くない。
イヤーパッドは布張りで、人工皮革のものと比べるとべた付き感がなく、そこそこ馴染みがよいと思う。
重量は電池を入れない状態で350gあるようだが、数字ほど重さを感じない。
ただ、掛け心地を優しくする代わりに側圧が緩めになっていると思われる。
前述したとおり、私はワイヤレスの利点を生かして、ヘッドホンを掛けたままでお手洗いに行ったり冷蔵庫に飲み物を取りに行ったりする。
そんなとき、『 SE-DIR2000C 』だと不意にヘッドホンがずり落ちるのだ。
『 MDR-DS3000 』のときはそんなことは全くなかったので残念だ。
だから『 SE-DIR2000C 』を掛けてダンスの練習をするとか、激しい音楽を聴きながら頭を振ってノリノリになるとかは難しい。
もちろんただ座っているだけならヘッドホンがずり落ちることはないんだけど……。

『 SE-DIR2000C 』にあって『 MDR-DS3000 』にない機能が DolbyHeadphone である。
普通ヘッドホンで音を聴くと頭の中で音が鳴っているように感じる。
これを、あたかも体の正面のスピーカーから音が聞こえるかのようにするという音響技術だ。
実際のところはどうかというと、全体的に音場が左右に広がったうえでセンター音声が奥に引っ込む。
正面から聞こえるというほどの定位ではないけれど、音源が頭の中から抜けて頭皮からおでこ、あるいはこめかみの辺りに移動したような感じがする。
音に広がりが出る分、聴き疲れしにくい利点があるように思う。
レベルを強くすると劇場というよりは風呂場っぽい反響になる。
今まで PowerDVD によるソフトウェアでの DolbyHeadphone でしかこの機能を得られなかったのが、ヘッドホンで聴くあらゆる音――例えば一般的な MP3 プレイヤーで再生する音楽、 Windows Media Player で再生する動画の音声、 TV 視聴ソフトからの TV 音声、ゲームソフトの BGM など――に DolbyHeadphone を適用できるようになった。
素の 2ch 音声に Dolby Prologic II だけを適用するよりかは自然なサラウンド感が得られるので、DolbyHeadphone はお気に入りだ。

サラウンド機能を使わない状態、つまり普通のヘッドホンとして使ったときの音質はどうか。

最初の最初、初めて『 SE-DIR2000C 』を掛けたときにあろうことか、「サーッ」とヒスノイズが聴こえた。
トランスミッターにはデジタル入力、トランスミッターからヘッドホンへはデジタル赤外線転送なのになんでヒスノイズが聴こえるんだよ金返せ!……と思ったが、ふと入力側( PC )の音量を最大出力にし、ヘッドホンの音量を下げてやると、ヒスノイズは全く判らなくなった。
ヘッドホン側で音量を上げると、トランスミッターに内蔵されたアンプが出すノイズを増幅してしまうのだろうか。
トランスミッターのヘッドホン出力端子に有線ヘッドホンを繋ぐとやっぱりヒスノイズがあるので、アンプのせいかなという気がする。

ヒスノイズの話はさておいてヘッドホンの性能はというと、これは正直言ってよくわからない。
なにぶん私、オーディオマニアじゃございませんので。
敢えて言うなら、明らかに音が篭るとか低音がズンドコするとか高音がキンキンするとかといったことはなく、特に特徴のない感じ。
特定の音源を聴いたときにドライバーがビリビリして音が割れることがあるのだが、音源がもともとそういうものかもしれないので『 SE-DIR2000C 』が悪いとは断言できない。
Kakaku.com のくちコミ掲示板によれば「爆発音が割れる」らしいが……。

予想外のことでうれしかったのは、私の部屋に特有のことかもしれないが、組立式ロフトベッドの真下にトランスミッターを置いていてもベッドの上で音が聞こえたことだ。
部屋が狭いせいで赤外線が壁で反射し回り込んでいるのだろうか。
お陰でコードに邪魔されず、ベッドで寝転がりながら音楽を聴くことが出来る。
そのまま眠り込んでしまっても寝ぼけてコードを断線させてしまうなんてことがない。
眠っている間もヘッドホンの電源が入ったままなので、電池の消耗は激しいけれど。

結論

『 SE-DIR2000C 』は機能が豊富で使い勝手が良く、実売価格も安売り店で4万円弱にまで下がっている。
今からワイヤレスサラウンドヘッドホンを買うのであれば、『 SE-DIR2000C 』より下のクラスの廉価品を買うよりも、思い切って『 SE-DIR2000C 』を買う方が後悔しないと思う。
予算が潤沢で、充電の手間を惜しまない人なら『 ATH-DCL3000 』がよいだろう。

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コメント(2)

細かい話はよくわかりませんが古いヘッドフォンを頂けるという話ですねっ。あっれ、違ったっけ。

使われないまま眠らすのは勿体無いので進呈するのは差し支えないですが、直接取りに来るか、送料そちら持ちでよろしく。
あ、あと接続のためのケーブル(デジタルなら光角型、アナログなら紅白のRCAプラグ)は用意しといてください。

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