20 juillet 2005

『 Creative Muvo TX FM 1GB 』を買った

今更解説するまでもないことだけれど、近頃の携帯オーディオプレイヤー市場を席巻している、いわゆる MP3 プレイヤーは曲データの記憶方法によって2種類に分けられる。
フラッシュメモリ型と HDD 型だ。
それぞれに一長一短があって、一方が一方を打ち倒すという訳でもなく、勢力を二分している状態である。

HDD 型の長所はその容量の多さで、多くの曲データを収めることができる。
20 GB だとか 40 GB の容量を持つ機種となれば、手持ちの CD ライブラリ分を全部一台に収め、持ち運ぶことができる。
携帯オーディオプレイヤー史上、革命的な利便性をユーザにもたらしたといえる。
ただ、HDD の分どうしても本体が大きく、重くなってしまう短所がある。
本体サイズが大きくなる分、大きい液晶画面を搭載するスペースを稼ぐこともできるのだが。
また、HDD 自身が衝撃に非常に弱い部品のため、丁寧に扱うことが要求される。
うっかり手から地面へ落としてしまうと大変だ。
更に、HDD を駆動させるに当たって電力を多く消費するので、どうしても再生時間が短くなる。

一方、フラッシュメモリ型は、今のところ1GB 程度の容量が上限となっている。
しかしメモリチップに記憶させる分、本体を非常に小さく、軽く作ることができる。
駆動部品がないため、衝撃に強く、多少手荒に扱っても平気だ。
電力消費も少なくて済む。
ただ、小さく、軽く作ることができるということから、実際の製品も小さくて軽いものが多い。
そうなるとその分液晶画面が小さくならざるを得ないし、バッテリー容量も小さくなるので再生時間も HDD 型と比べてそんなに長くはないのが実際のところ。

これらの長所と短所を踏まえて、Creative の Muvo TX FM 1GB を購入した。
フラッシュメモリ型の MP3 プレイヤーである。
Amazon.co.jp にて週末特価15,980円。
Creative MuVo TX FM 1GB [CNMVT1GF] (メモリープレイヤー)
20%の還元つきなので2ヵ月後に同サイトで3,000円分の買い物を出来ることを考慮に入れれば、実質12,980円であり、1GB のフラッシュメモリ型の MP3 プレイヤーとしては最安クラスとなる。

フラッシュメモリ型を選んだ理由

私は SONY の PDA、CLIE TH-55 を所有している。
メモリースティックに曲データを保存して差し込んでおけば MP3 プレイヤーになる。
じゃあわざわざフラッシュメモリ型の MP3 プレイヤーなんか買わなくてもいいんじゃないの、ということになるが、ここでフラッシュメモリ型の特徴、「軽い」「手荒に扱っても平気」という部分が重要なのである。
運動不足解消のため体を動かしている間音楽を聴きたくなってきたのだが、PDA を身に着けるのはかさばるし、落として液晶画面を割ってしまう恐れがある。

それ以前に考えにあったのは、「そろそろ USB フラッシュメモリを買わなくては」ということだった。
昨今 USB フラッシュメモリはありふれた製品だけれど、私はまだ持っていなくて、職場や自宅で持っていれば役立つのに、という状況にしばしば直面していた。
単なる USB メモリを買うよりは、数千円足して音楽再生機能がついているフラッシュメモリ型を買えば、「スポーツ時に音楽を聴けてマァお徳ですわ奥さん」というわけだ。

では実物を見てみましょう

PICT0500s.jpg

Muvo TX FM はブリスターパックに収まって売られている。
安っぽいし箱を開けるときのワクワク感がないし、開封後の置き場に困るのでブリスターパックはあまり好きではない。

PICT0503s.jpg

内容物は本体に加えてイヤホン、ネックストラップ、単4電池、マニュアル、ドライバ CD である。

本体は バッテリーパックと USB フラッシュメモリという構成になっている。

PICT0505s.jpg

PICT0507s.jpg


バッテリーパックに単4電池を入れて、USB フラッシュメモリ部分を差し込むと MP3 プレイヤーとして動作するという訳だ。
プレイヤーとして必要な回路や操作ボタン、液晶画面は USB フラッシュメモリ部分に集中しているので、PC の USB ポートに半ざしするとバッテリーパックがなくてもプレイヤーとして使える。
そんな状態では普通は PC で 音楽を再生すると思うけど。

そうそう、本体に USB 端子がある、というのが重要なのである。
USB オス端子のことだ(以下同様)。
世にフラッシュメモリ型の MP3 プレイヤーは沢山あるが、本体に USB 端子があるものは少なくて、大抵は USB ケーブルで PC と接続するようになっている。
PDA やら PC 用の ヘッドフォンの接続ケーブル、はたまた PHS やデジタルカメラの充電器等で PC 周りはケーブルがごちゃごちゃとなっており、更に接続ケーブルが増えるのは勘弁して欲しい。
それに出先で USB フラッシュメモリとして使う際にケーブルを一緒に持っていくというのも面倒だ。

本体に USB 端子があっても、端子にキャップをつけるタイプも却下である。
キャップなんていかにも紛失しそうな代物だ。
カバンの中でからまっている間に、あるいは手に持って操作中に弾みでキャップが外れて紛失、USB ポートに刺している間に外して置いておいたのを紛失……というパターンが容易に想像できる。
Muvo TX FM の場合、バッテリーパック自身がキャップの役割も果たしてくれる。
容易に外れることはないし、それなりにかさばるので USB ポートにフラッシュメモリ部分を刺していても見失いづらい。
バッテリーパックにストラップをつけるための金具がついているので、一層扱いやすい。

市場には USB 端子が本体に内蔵されていて、必要なときに端子を表に出すことができる機種もある。
ところが、そんな機種にも問題点があるのだ。
電源が内蔵充電池式ばかりなのである。
内蔵充電池は電気が切れると充電するまで全く使用不能になるし、1年から2年程度で劣化して蓄電能力がなくなる。
大抵の場合ユーザーが内蔵充電池を交換することは出来ず、交換するときはメーカーに交換を頼まなくてはならず、これがまた無闇に金がかかるのだ。
乾電池式ならば電気が切れた時にはコンビニエンスストアなり駅の売店で替えの電池を購入すればいい。
本体さえ壊れなければメーカーに高い金を払う金もなく長く使えるのである。
そういうわけで、乾電池式であることが条件となる。

そんな感じであれこれ注文をつけていくと、Muvo TX FM くらいしか選択肢がないのだった。
正直に言って、全身プラスチック然としたプラスチックで覆われていて無骨かつ安っぽいこのデザインは辛い。
近頃のフラッシュメモリ型の製品はアクセサリーとしても映えるよう、デザインを重視した製品が多く登場しているのに、Muvo TX FM と来たらあんまりな感じである。
Creative のロゴも格好よくないし。
所有することの喜びなんてものはないが、とにかく実用性重視ということで我慢だ。

使ってみる

日本製の MP3 プレイヤーとは違って、曲データの転送に専用アプリケーションは必要ない。
一般の USB フラッシュメモリと同様に USB ポートに差し込んで、Windows のエクスプローラなんかで曲データを移動させるだけで転送ができる。
ユーザに不便を強いる著作権保護機能なんてクソ食らえ、である。
特筆すべきは、Muvo TX FM は曲データがフォルダ分けされてても、ちゃんとフォルダ分けされた状態で認識・再生してくれるということだ。
店頭の説明書きや WEB サイトには載っていないけど、この機能があるのとないのとでは大違い。
おかげで、例えば「/アーティスト/アルバム/曲データ」という形で本体に収納し、フォルダごとに再生することができる。
ただしフォルダ分けは2階層までで、例えば「/ジャンル/アーティスト/アルバム/曲データ」というふうに3階層以上となるとダメ。

フォルダの移動も含めて、ほとんどの操作は本体のスライドスイッチで行う。
このスライドスイッチは左右2方向と押し込み1方向、計3つのパターンしかないが、意外とこれだけでもスムーズな操作ができる。
液晶画面を見ることが前提ではあるけれども、特に不満はない。
この液晶画面自体は文字2列分を表示するだけの小さなもので、日本語表示可能。
漢字・仮名のフォントは綺麗とは言いづらいが許容範囲内だ。
残りのボタンは電源のオン・オフを兼ねた再生・停止ボタンが1つと、ボリュームの上げ下げのボタンが1つずつである。

FM ラジオの受信機能とボイスレコーダー機能を備えているが、私は使わないので特に言うことはない。
付属のイヤホンについても、そもそもこの手のプレイヤーの付属のイヤホンはおまけ程度のものという認識なので試していない。
いずれも、ネット上の評判ではいい評価を受けてはいないようである。

本体の音質については、私自身にとって初めての MP3 再生専用プレイヤーなので PDA 上での MP3 再生しか比較対象がない。
あとはカセットテープのウォークマンとか、携帯用 CD プレイヤーくらいのもの。
その限りでは特に気になることはなかった。
そもそも私はオーディオマニアではないし、(音楽的センスという意味で)耳が悪いので、細かい違いなんて正直よくわからんです。
オーディオマニアの極論によれば「本体の音質よりもイヤホンごとの音質の違いの方が大きい」なんていうし。

不満点を挙げるとすれば、前述のデザイン。
それから、使える乾電池が単4なので再生時間が短い(公称15時間)ことだ。
どうせ無骨なバッテリーパックなんだから、少し大きくそして重くなってもいいから単3電池を使えるようにしてほしかった。
単3電池が使えれば、その分再生時間も大幅に伸びる。
実際、改造を施して単3電池を使用しているユーザも居るようだ。

今のところそれ以外に大した不満点はない。
乾電池式であることと、一般的な USB フラッシュメモリとして使えることにメリットを見出せる人にとっては、優れた製品だと言えるだろう。

ちなみに、PC の接続は USB ケーブルでもいい、という人には Samusung の YP-C1Z
乾電池式でなくてもいいけど本体に USB 端子つきでキャップなしがいい、という人には Rio の SU70 や iRiver の T20 あたりがいいんじゃないでしょうか。

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