4 avril 2005

2004年度・冬に読んだ本 (その1)

マイケル・ルイス『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』(ランダムハウス講談社)

ISBN:4270000120

貧乏球団なのに好成績を残しているオークランド・アスレチックス、その秘密は統計分析から得られた、他球団にないプレイヤー獲得基準と戦術にあった。
アスレチックスのジェネラル・マネージャー(チーム編成の実行役にして責任者)であるビリー・ビーンを中心に据えて、従来のセオリーを覆す彼の野球理論と、彼の強烈な個性が生み出す人間ドラマを描き出す。
野球ファン必読の一冊。

大平貴之『プラネタリウムを作りました。―7畳間で生まれた410万の星』(エクスナレッジ)

ISBN:4767802512

410万個の星を映し出す移動式プラネタリウム「メガスター II 」を個人製作してしまった青年、大平貴之の自叙伝。
トラブルにもめげず少年のようなプラネタリウム作りへの情熱を維持し続け、事を成し遂げる著者の姿は、安穏とダラダラ生きる我が身が恥ずかしくなってくる。
それこそ星のように眩しすぎます。
科学やものづくりの啓蒙書としても秀逸。

井上尚英『生物兵器と化学兵器―種類・威力・防御法』(中公新書)

ISBN:4121017269

生物兵器・化学兵器の性質、診断、治療法、実戦での使用例をまとめたハンドブック。
医療関係者は必読。

松原隆一郎 『失われた景観―戦後日本が築いたもの』( PHP 新書)

ISBN:4569622704

どこ行っても国道沿いは「ファッションセンターしまむら」とか「スーツのはるやま」とか「吉野家」とかのチェーン店の看板に出くわすし、街中は電柱に電線のジャングル。
ヨーロッパの町並みを見るにつけ日本の醜悪な景観にうんざりする。
そんな私なので、著者の主張には「同志よ!」と思わず叫んでしまいそうになる。
しかし、全国の電柱を地中に埋めることは技術的にはともかく、政治的・経済的に困難ということが判ってがっかり。
もうダムとか道路とかいい加減作り尽くしたんだから、21世紀日本の土木事業は50年計画の「全国電柱電線地中化」をやってくれと強く主張したい。
公共事業不足に喘いでいる地方の土建屋さんも喜ぶと思うんだけど。

小林信彦『笑いごとじゃない―ユーモア傑作選』(文春文庫)

ISBN:4167256037

御馴染み「唐獅子」シリーズほか、面白おかしいユーモア短編集。
これが絶版とは実に惜しい。

沖田雅『先輩とぼく』(電撃文庫)

ISBN:4840226121

第10回電撃ゲーム小説大賞銀賞受賞作。
何だよ「ゲーム小説」って。

聡明な美少女だけど変人の先輩に惚れてしまった主人公の少年。
クリスマス、一緒に UFO 見物に出かけたところ、宇宙人に捕まり手違いで先輩と脳を入れかえられてしまう。
そして先輩に振り回され続ける元・彼の受難の日々が始まる。
オタク文化のタームに馴染みがないとギャグが判らないかもしれないが、判る人間には苦笑を禁じえないこと請け合い。
まあ、電撃文庫ですからねえ……。

先輩がどう変人なのか、というと「主人公たちを巻き込んで『ゴレンジャー』のような戦隊を結成しようとする」、と言えば明らかだろう。
ドタバタラブコメディに終始すると思いきや、終盤の展開は意外。

沖田雅『先輩とぼく 2 』(電撃文庫)

ISBN:4840226997

今度は特撮ヒーローの「悪の組織」を演ずることになった主人公たち。
男だったときの主人公に恋していた幼馴染の少女が登場して、主人公の受難の日々は続く。

沖田雅『先輩とぼく 3 』(電撃文庫)

ISBN:4840228353

人気があるのか3巻も出てた。
まだ読んでないけど4巻目も発売済。

今度の主人公は「魔法少女」を演ずることになる。
先輩が連れてきた無表情の少女、彼女に一目ぼれした主人公の親友の恋を中心として、主人公の受難の日々はまだまだ続く。

カレル・チャペック『園芸家12カ月』(中公文庫)

ISBN:412202563X

園芸マニアの生態がユーモラスに語られる。
園芸への愛が詰まった一冊。

カレル・チャペック『いろいろな人たち―チャペック・エッセイ集』(平凡社ライブラリー)

ISBN: 4582760902

鋭い人間観察力を見せるエッセイ集。
中でも「『シカシ人間』たちについて」というコラムは、そのものずばり私のような人間のことを的確に表現していて降参です。

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文学部出身ですが文学は苦手です。

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