いかレスラー @テアトル梅田
自ら「 B 級映画」と宣言してらっしゃいますから、それ相応のものでございます。イカのぬいぐるみが活躍するのは珍妙だけど、笑いのレベルとしては苦笑い程度。島本和彦の『仮面ボクサー』をプロレスに置き換えて映画化したような感じ。1800円払って見るほどのものでは決してない。
雨月物語 @ OS 劇場
溝口健二特集ってことで、週代わりで溝口健二監督作品を上映するらしいので OS 劇場へ足を運ぶ。映画を語るなら観とけという人らしいが(学生のとき『映画監督溝口健二』という本を薦められたけど未読)、今更ながらの初溝口。古い作品で、かつ朝の一回きりの上映というせいか、中年から初老の客、それから映画マニアっぽい冴えない青年客がまばらに座っているという寂しい客の入り具合だった。
「明らかにこいつ怪しいって!付いていったらあかんって!」とスクリーンに向かって言いたくなる姫(実は亡霊)役の女優の迫力とか、屋敷のセットとかはなかなかに味わい深い。しかし、「これは名作だ!」と持ち上げられそうなところ、もしくは監督ならではのスタイルはよく分からなかった。時々「おっ、これは」と思う綺麗な画面があったり、ちょっと長回し気味かもと思ったりする程度。それよりも、古い作品ゆえにであろう、音質の劣化のために台詞が聞き取りづらいのが残念だった。
山椒大夫 @ OS 劇場
二週連続溝口健二。森鴎外原作の山椒大夫であります。奴隷生活に埋没してしまった兄を目覚めさせ、自ら犠牲になって兄を逃亡させる安寿に妹萌え。
あとは『雨月物語』のときと同じ感想。
16歳の合衆国 @シネフェスタ4
主人公の少年の、諦念に溢れた顔が印象深い。理由の不明瞭な殺人を犯した少年を怪物とみなす世間に異議を唱える映画。
スウィング・ガールズ @ナビオ TOHO プレックス
軽薄な乗りのなか、苦笑いを誘う茶番じみたギャグを繰り出していくスタイルはいかにもフジテレビの映画らしい。自分が楽器を始めたころの、うまくなっていく喜び、演奏する楽しさを思い出させてくれるという点で、悪くない映画だと思う。短期間であんなに上達しないぞ!とか、まともに演奏できないまま演奏をサボっていたグループがいきなり目覚めて演奏に加われるのはおかしい!とか、ツッコミどころはある。だけどそもそもこの手の映画は結末が分かりきっているのだから、ご都合主義の筋立てを批判するのは野暮だというものだ。
まあ、可愛い女の子たちが活躍するってだけでも眼福ではありませんか。コテコテのメガネ少女、関口が単なる個性的メンバーのひとりという位置づけではなくて、序盤から終盤に至るまで、物語の展開と成就を握る陰の主役なところがまたよし。
父、帰る @ナビオ TOHO プレックス
父親を受け入れられずふてくされる主人公イワンに、自分に通じるものを感じて心にゆったりと何かが沈んでいくような心地がした。イワン役の少年の睨み顔がまた、なかなかいいんだな。
草原からローアングルで青空に浮かぶ雲をバックに主人公たちを映し出すシーンがあったが、あたかも絵画を見ているかのような印象深い美しさだ。対象物が画面のフレームから外れてもカットせずにしばらくカメラを回す演出が多用されていたが、悪くない。
珈琲時光 @テアトル梅田
座敷視点のカメラアングルに加えて、ひたすら長回しに次ぐ長回しにより、ありふれたようなやさしい時間がゆったりと進んでいく。暴力とかセックスとかサスペンスとか、そんな緊張は全くない。まったりした流れに、ついつい瞼が下りてきてしまう。かといって退屈かというと、そういう面は確かにあるが全く退屈だと言い切れない微妙なところなのである。現在の物語づくりがメリハリや小気味良いテンポを基本とする中にあって、正反対の方向に向かっているのが新鮮だからかもしれない。
トッポ・ジージョのボタン戦争 @テアトル梅田
1967年、学生が革命ごっこに興じウルトラマンが地球にやってきた頃に作られた日伊合作映画。パペットアニメーションと実写の人間の共演が見もの。どうやって撮影しているのかさっぱり分からないけど、フィルムとパペットの風合いがいい質感を出している。こういうのを観てしまうと、CG とかフルデジタル映像の素っ気無さを確認してしまうことになる。
作中のテロリストの銀行侵入法が無茶苦茶とか、警備員が間抜けすぎるとか、風船がどうやって随意運動をやるのかとか気になるがそっと胸の中にしまいたい。そういう疑問はネズミが服を着て二足歩行する上に人間と会話できる世界には通用しない。女の子を誘って「かわいいー」と言わせておくのがいい。もうすぐ上映期間終わるけど。
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